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考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

2025.09.05 公開 ポスト

「愛の、がっこう。」第9話 まさに神回! 尊すぎる2人の再会と川原が魅せた漢気に乾杯! #木村文乃 #ラウール #SnowMan #6969b6969b~ろくろっ首~(ドラマ考察系 YouTuber)

「すれ違うにも程がある」

これが8話の率直な感想だ。

買い物のときに携帯を持っていかない愛実に、すれ違ってやるという気概すら感じた。しかしそのすれ違いの中で、愛実は自立という「強さ」を得て、カヲルと歩む土台を作る。

一方のカヲルも自分の「弱さ」と向き合い、愛実の存在の大きさを再確認した。会えないもどかしい時間は、再会するための準備期間だったのだ。

そう考えると8話ラストの公園での再会は、2人の気持ちが整ったベストタイミング。
偶然のように思える再会だが、あれは紛れもなく「必然の再会」と言えよう。

そんな必然の再会を果たした2人がすることは「ソフトクリームの食べさせ合い」一択だ。会えなかった時間を取り戻すようにアイスを食べさせ合っていた。

 

「あーん」の回数の相場は1回ずつと決まっているが、彼らは最後まで食べさせ合うに違いない。アイスが溶け出してシャバシャバになってしまっても、最後までスプーンを使って食べさせ合うに違いない。

そんな妄想が止まらないほどに、2人は尊いのだ。

周りの人達のアシストが熱い! 川原が選んだ究極の愛に涙!

度重なるすれ違いの中でも、2人の心の距離が離れなかった要因は「周辺人物の絶妙アシスト」に他ならない。

本人達は互いのために真実を隠すが、人伝に真実を聞くことで相手の優しさを感じる……。
恋愛において、これ以上の有効打はない。

今回も様々な人物が愛実とカヲルの恋愛を後押ししていたが、MVPは「川原なにがし」で異論はないだろう。

彼は生活に欠かせない水を運ぶ川のように、恋愛に欠かせない言葉を愛美とカヲルに届けていた。2人を引き裂く原因を作ったのは川原だが、2人を繋ぐ要因にもなったのが川原。彼は彼にしかできない唯一無二の“当て馬”だったのだ。

本来の当て馬の役割は、愛実の恋心を揺るがせることだ。
しかし川原は、愛実の気持ちを一時的にも、一瞬たりとも、揺るがしていない。
むしろ川原という存在が、「カヲルが好き」 という愛実の感情を確固たるものにしていたのだ。

「シャワー(川原)の日々を過ごすことで、たまに入る湯船(カヲル)の良さを倍増させる」

こんな当て馬はこれまで見たことがない。

また彼からは、当て馬特有の「恋が実らない男の不憫さ」を全く感じない。むしろ視聴者に、「こうなったのは自業自得だ」と思わせるのは、彼が特異な当て馬だったからだろう。

そんな彼が最後の最後で見せた漢気。

自分の気持ちばかりを優先してきた男が、惚れた女性の気持ちを優先して歯を食いしばって他の恋愛を後押しする姿は「敗者の美しさ」を感じた。大きなお世話かもしれないが、川原にとってもこの敗北が人生の糧になるだろう。彼が語った「愛情より執着だった」という言葉を考えていきたい。

「愛情」は互いの気持ちを尊重すること
「執着」は自分本位の気持ちが優位になり、相手を締め付けること

私はこう考える。

この二つの言葉は密接に関わっており、愛情で始まった感情が何かの歪みによって執着に変わってしまう危険性があるのだ。

相手に対する愛情が強くなりすぎることで「こうすることが相手にとって良いことだ」と相手を思いやる仮面を被った自分本位の考えに陥ってしまう。おそらくこれまでの川原も「愛実にとっても、これが正しい」「愛実を幸せにできるのは俺の方だ」という気持ちに疑いはなかっただろう。

愛情だと思っていた行動言動が、いつの間にか執着に変わってしまったことに気付くのは簡単なことではない。でも川原はそれに気付くことができた。今後の川原の未来は明るくなっていくだろう。

そんなことより、早いこと拳の骨折を治せ。いつまで包帯してんのよ。

ここまで一丁前に語らせていただいたが、私はどこか憎めない川原が私は好きだ。
馬鹿の一つ覚えのように、愛実にもカヲルにもミスドの差し入れを渡す、川原の適度な適当感も大好きだ。

誰よりも人間味溢れる川原の未来に幸あれ。

急に同棲生活開始!? 急展開の終盤戦も目が離せない!!!

地盤が固まった中で運命の再会を果たした2人は「新居での同棲」という形で急ピッチに愛を育むようだ。

皆さんはご存知だろうか?

「段ボールだらけの未完成部屋でこそ、恋愛は完成する」

という私の名言を。引っ越したてという不便の中で、愛は育まれていくのだ。

おそらく愛実もカヲルも、同棲生活の中で2人の未来をより鮮明に想像していく。軌道に乗りつつある2人だからこそ、これ以上の困難は望んでいないのが正直なところだが最後に立ちはだかるのは、やはり「両者の親」だろう。

この親達もまた「愛情という仮面を被った子供への執着」で間違いないのだが、果たしてそれに自分自身で気付くことができるのだろうか……。

川原、君の最後の仕事は、毒親たちに「執着」の講義をすることかもしれないぞ。

著者:ペチ
イメージイラスト:サク

••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
フジテレビ『愛の、がっこう。』( 毎週木曜夜10時~)
出演:ラウール(Snow Man)、木村文乃、沢村一樹、中島歩、田中みな実、りょう、酒匂芳 、吉瀬美智子 他
脚本:井上由美子
演出:西谷弘、高橋由妃、山田勇人
プロデュース:栗原彩乃
音楽:菅野祐悟
主題歌:レイニ『Spiral feat. Yura』

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考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!

今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?

物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。

バックナンバー

6969b~ろくろっ首~ ドラマ考察系 YouTuber

登録者10万人超えのドラマ考察系YouTuber。

大人気を博した考察ドラマ「あなたの番です」では公式本に考察集団"として掲載され、担当プロデューサーとコラボした経験もあり。

『僕らとエンタメを全力で楽しもう』をモットーに、落ち着くお茶の間のようなチャンネルを目指して活動中です!

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