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アウトドアブランド新入社員のソロキャンプ生活

2025.07.27 公開 ポスト

ミニマリストになり手放しすぎた結果、生への執着すら手放してしまった大石祐助

私がミニマリストと出会ったのは、10年前。

佐々木典士さんの著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』でした。

 

以来、ミニマリストに憧れ、ミニマリストになるべくモノを減らしてきました。

 

ミニマルな生活は、とても心地のよいものです。

それは、足るを知ることです。今あるものに感謝すること。今あるものに目を向ければ、私たちは十分に満たされているはずです。

 

あいにく私たちの産まれ落ちた時代は資本主義なわけですから、「欲」を煽られては足りていないという錯覚に陥るのです。

その対抗手段としてミニマリストが流行したのでしょう。実質的なメリットはたしかにあります。

 

例えば、余計なモノを買わないので経済的に余裕ができること、最低限のお金やモノで生きていけるという自信が生まれ精神的に余裕ができること。

私自身、ミニマリストになってから、幾分も生きやすくなりました。

 

私もまずは、自分の人生に必要のない余計なモノを減らしてきました。

過去の慣性ではなく未来から見て「人生にとって本当に必要なのか?」という問いに耐えたモノたちを残してきました。

 

なので、今の住まいには、家具はありませんし、テレビはもちろんありません。

収納もありませんし、雑貨はもちろんありません。衣類なども最小限です。自分で選んだ自分の好きなモノしかないので、居心地がよいのです。

 

ミニマリスト晩年。

これが晩年ともなると、減らしていくこと自体に味をしめているので、ミニマルな考えが生活様式全体を侵食していくのです。

 

どういうことか。まず、私服の制服化。

着る洋服を1種類だけにするミニマリスト奥義。この本質は、人生における「選択の瞬間を減らす」ことにあります。選択を減らすことで1日に使える判断力を保つというスティーブ・ジョブズメソッドです。

ここまでならまだ大丈夫。しかし、この先へはぜったいに進んではなりません。

ルワンダでもミニマルライフを心がけていました。

とにかく減らすことに味をしめた私は、何から何まで減らし始めます。

 

手始めに食べ物の選択を手放します。

朝はプレーンヨーグルト、昼はサラダとサラダチキン、夜は鍋と玄米と固定し、365日リピート。

 

次に、買う物の選択を手放します。

シャンプーや洗剤といった消耗品は、Amazonで定期購入リスト化し、何も考えずにポチる。

 

そして最後。余暇の選択を手放します。

漫画、映画、アニメ、ゲーム、サウナ、パティスリー巡り……もかもを削っていく。残ったのは、読むことと書くこと。

 

物を書いて暮らせるようになりたくて、読むことと書くことのためにすべてを手放しました。なのになぜかどちらも出来ない。そんな日ばかりなのです。

休日の自宅のワンルームはまるで大宇宙。宇宙空間にひとり放り出されたかのような放心状態。

 

善く生きるために余計なモノを手放していきました。

ですが、捨ててはいけないモノもあったようで、いつの間にか生きる意味すら手放していたみたいです。

 

薬は毒でもあります。

現代への処方箋であるミニマリズムは、それはもう効果抜群の劇薬です。

ですので、用法用量を守ってお使いください。

自宅。リラックスする場所すらなくなってしまった。

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