
“たかが一票、されど一票”
選挙の時期になると必ず耳にするこの言葉。
まさに先日(7/20)、白熱の参議院選挙が行われ、この言葉が決して過言ではないことが再認識されたことだろう。
一票の重みは例外なく皆平等だ。
もしかすると1人では小さいかもしれないその力も、同じ志の一つ一つが集まれば未来を大きく変え得るかもしれない……。
これからの未来がより良い平和な日常に溢れていることを切に願っている。
しかしこっちの占拠はどうだろうか。
選挙における有権者一人一人の平等な力とは真逆……。
ある1人の男にとんでもない負荷と未来が掛かりすぎている。
武蔵三郎(櫻井翔)、ただ1人に。
先日放送された『放送局占拠』(日テレ)第2話でも相変わらずこの男は常軌を逸した“個の力”で様々な危機を乗り越えた。
武蔵三郎の活躍は勿論のこと、見どころに溢れた第2話の「嘘だろ?」シーンをプレイバックしていく。
武蔵家の逃れられない“占拠”への呪縛
これまで大病院、新空港、そして今回は放送局と“武蔵いるところに占拠あり”なこの状況。
もはや武蔵三郎にとって“占拠”は年一のイベントである。
今作で武蔵のバディ的立ち位置を担う警視庁の天草(曽田陵介)から、東京で“武蔵は事件を呼ぶ疫病神”と呼ばれているというシンプルな悪口を告げられていた。本人が一番その自覚があるに違いないので、武蔵は内心「だろうな」と思ったことだろう。
そして面を被った集団が“とある目的”のために施設を占拠をするわけだが、今回は放送局を占拠した武装集団:妖(あやかし)の中の“天狗”と“がしゃどくろ”と死闘を繰り広げた武蔵。
武蔵、逃げる。ひたすら逃げる。
なぜなら相手は問答無用に銃を撃ってくるからだ。
(ただし銃弾は当たらない。)
武蔵に死なれてしまってはドラマの都合上はもちろん、“謎に包まれた妖の計画”的にも困るのであろう。
武蔵の娘、えみり(吉田帆乃華)も偶然か必然か占拠に巻き込まれてしまったが、武蔵がこれまでの占拠シリーズで培った経験によりダクトを這って、最後はダクトを急落下することにより放送局の外へ逃げることに成功。
武蔵の口癖「嘘だろ」が移ったのか、えみりも「嘘でしょ」という言い回しで武蔵家の伝統芸を引き継いでいるが、以前の占拠シリーズで武蔵が経験した“ダクト急落下”まで父親と同じ道を辿るとは……。
この先“占拠”と対峙する彼女の未来が待ち構えているのではないかと心配である。
それだけは継承されないでくれ。
天狗からの猛勢から逃げる中、武蔵はまさかの方法で自身の身を隠した。
なんと建物の吹き抜けの外側に手をかけてぶら下がったのだ。
武蔵、身を隠す最善の方法は本当にそれだったのか。
そもそもそんなことが可能なのか。
今や瀕死状態の和泉(ソニン)が目撃していたら「ありえぬぁい……」とヒステリックな眼差しで武蔵を見つめていたに違いない。
この身体能力を持ってすれば、他局ではあるが『SASUKE』(TBS)の完全制覇も夢ではないのではないか。
いやでも……。
武蔵が『SASUKE』に参加しようものならば『SASUKE占拠』は免れないので、その際は勘の良いスタッフが武蔵の参加を止めることに期待したい。
奮闘する武蔵、天狗に喉元を撃たれ重症の和泉、そして何より人質を助けるため、シャッターが閉まらない扉からSATの偵察班が放送局に突入。
これは起死回生の一手か……。
いやしかし、第2話でSATが突入して成果をあげられたドラマが未だかつてあったであろうか。
「まだ2話だ、やめとけ」というお茶の間からのメタ視点での忠告も虚しく、案の定“妖集団”の罠にハマってしまったSAT部隊。夥しい数の鉛玉が潜む爆弾を至近距離で浴びてしまう天草とSAT。
案の定2名が負傷……2名?
いやそんなはずはない。
あの至近距離で爆発を浴びたんだ……しかも無線で本部と会話をしているのは一番爆弾との距離が近かった男、天草ではないか。
お前もそっち(と書いて武蔵)側の人間だったのか、天草。
爆弾の威力を弱めておいてくれた妖の粋な計らいの可能性もあるが、今回の武装集団“妖”は平気で銃を連射してくるほど、今までの武装集団よりも容赦がないので可能性は低いだろう。
超イケメン芸人が妖の正体だった!そして般若は……。
そんな妖の中から、第2話では天狗、がしゃどくろの素顔が明かされた。
天狗はお笑いコンビ:モグライダーの芝大輔氏、がしゃどくろは瞳水ひまり氏であった。
私たち6969bは天狗=芝大輔氏の予想は的中。
妖の素顔考察、現在1勝1敗。
そして早くも、妖集団のリーダー般若の正体も予想外の形で判明してしまった。
以前から巷で噂になっていたが、般若は加藤清史郎氏演じる警察の伊吹である可能性が高いのだ。
普通にドラマを観ている方からすると、「いや青鬼(菊池風磨)に拉致されてるから般若として行動するのは無理では?」と思うことだろう。
でもそこに大きな落とし穴があったのだ。
なんと、青鬼と伊吹が行動している描写の時系列は“過去”という可能性が非常に高い。
というのも、
伊吹のネクタイの色が占拠直前と違ったり。
今回のクリーニング店にあったカレンダーの日付が4月だったり。
遡ると第1話では伊吹と青鬼がいた廃墟の地面が乾いていたのにも関わらず直後と思われたSATが突入の際は地面が濡れていたり。と、数々の時系列トリックが隠されている。
散々色々な俳優の名前を挙げた般若考察だったが、これらの状況を踏まえ般若の目を見ると明らかに加藤清史郎氏と一致。
背丈も完璧だ。
こうして般若考察はかなり意外な形で幕を降ろした。
ここまで巧妙なトリックを入れてくるとは恐れ入った。
占拠シリーズも3作目。大ボスの正体が実はすでに出ている人物という、今までとは違うテイストを取り入れているところからもこのシリーズの進化を改めて感じた。
以前も述べたが“様式美と進化”。
このドラマはそのバランスが非常に絶妙で、往年のファンを飽きさせずさらに夢中になれる仕掛けを用意してくれている。
あとは……。
シリーズ皆勤賞の爆弾処理班:河内(松本哲也)の登場があれば大満足なのだが。
著者:ケメ・ロジェ
イメージイラスト:サク
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
日本テレビ『放送局占拠』( 毎週土曜夜10時~)
出演:櫻井翔、比嘉愛未、加藤清史郎、曽田陵介、ぐんぴぃ(春とヒコーキ)、齊藤なぎさ、ソニン、高橋克典、片岡礼子、福澤朗、戸次重幸、菊池風磨 他
チーフプロデューサー: 道坂忠久
プロデューサー:尾上貴洋
脚本:福田哲平
演出:大谷太郎、茂山佳則(AX-ON)、西村了(AX-ON)
音楽: ゲイリー芦屋
主題歌:Snow Man「W」
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