
新宿の王城ビルで行なわれたジャン=リュック・ゴダールのイベント《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展に行ってまいりました。
ゴダールの映画、拝見した中で覚えているのは「中国女」「女は女である」「小さな泥棒」など……。「小さな泥棒」は中学生くらいの頃、主演のシャルロット・ゲンズブールに憧れて、同じようなファッションに挑戦したかったけれどそもそも脚の長さが全然違ったという切ない記憶があります。
ゴダールの展示というので、きっとこれまでの数々の名作映画のシーンを切り取った感じかと思ったら、もっと意識が高い内容でした。
「ジャン=リュック・ゴダールの最後の長編映画であり、1世紀以上に渡る歴史、戦争、宗教、芸術などの変遷を振り返り、過去の様々な映画や音楽、小説、アートの陰陽によってコラージュされた映画『イメージの本』(2018)を通じて、映画の新しい鑑賞体験に出会える展覧会」と、資料に書かれていました。不勉強でそもそも「イメージの本」を拝見しておりませんでした……。キュレーターは晩年のゴダールの右腕だったスイスのファブリス・アラーニョ氏。スイスやベルリンでも開催された展覧会が日本に巡回したようです。
会場は新宿歌舞伎町の王城ビル。1964年に建てられた赤レンガの外壁の建物で、今回の展示にも合っています。会場は2階から4階までで、第5章で構成。第1章「リメイク」第2章「サン・ペテルスブルグの夜話」第3章「線路の間の花々は旅の迷い風に揺れて」第4章「法の精神」第5章「幸福のアラビア」「中央地帯」といったタイトルがまた詩的です。それぞれ布に映像を投影したり、モニターに映したりしていました。ゴダールなので、どの瞬間を切り取っても絵になります。
薄暗くて古い王城ビルは、暗闇から何かの気配を感じ、お化け屋敷を体験するような楽しみもありました。先日取材した、渋谷の古民家での「視える人には見える展」を思い出しました。さらに「ゴダールの思考の中に入り、ゴダールの眼を通じて自らを取り巻く世界を見つめる観察者」になれる展示なので、亡くなったゴダールの魂も身近に感じられるスピリチュアルなコンテンツかもしれません。
展示のあと、友人とスピリチュアルトークになり、手相や星座や霊視の話で少し盛り上がりました。感情線がかなり下降している人は文系で計算はあまり得意ではない、など。
7/5の災害の予言の話題にもなりましたが、イベントのあと伊勢丹のデパ地下に行ったら、1000円のおいしそうなトウモロコシと帆立のかき揚げを、値段を見て躊躇して買えず……。もしもうすぐ滅亡するのなら一個1000円のかき揚げなんて買っても良いはずですが、それができなかったので、本能的に大丈夫だと思っているのかもしれません。引き続き平和と各地の地震がおさまることを祈ります。


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次元上昇日記

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。では、「アセンション」とは何か……。いろいろな意味があるので、ネットを検索してみて下さい。しかし、辛酸なめ子さんにとって、それは日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。この連載は、その善行マイレージを貯め次元上昇をめざす一人の女性の抱腹絶倒、試行錯誤の記録です。
この連載が電子書籍になりました!『次元上昇日記 ベストセレクション50』
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