
dressed to kill=めちゃくちゃオシャレをする
She dressed to kill, knowing her ex would be at the party.
興奮すると英語が出る帰国子女の友人が、ある日私に捲し立てるようにこう言いました。
とても発音がいいため、私はまったく聞き取れずポカンとしていたら、もう一度ゆっくり言い直してくれました。言い直すくらいなら日本語で言ってくれればいいのになと思いました。
直訳すれば「彼女は、元彼がそのパーティに来るのを知って、殺すために着た」となります。なんだか物騒な話ですし、「殺すために着る」服ってどんな服でしょうか。

聞き取れてなお意味がわからずポカンとしていたら、友人は今度は日本語でこう続けました。
「あの子、フラれてからすっごいダイエットしたでしょ? だからめっちゃボディライン出るドレスで、胸元もすごい開いていたの。すごいセクシーで、周りから注目を浴びてたんだよね」
どうやら日本でも、アメリカ映画みたいに週末にホームパーティをしている人たちはいるようで、そこに別れた男が来ると聞いて、セクシーなドレスで参加した女性がいたようです。
dressed to kill=めちゃくちゃオシャレをする
意味を調べたらこういうことでした。
注目を浴びるため、褒められるためにオシャレをしているような状態を言うということ。素敵な服を着て周りを悩殺する、そんなイメージでしょうか。
レッドカーペットを歩いているセレブたちは、みんな注目を浴びるために素敵な衣装を着ていますから、まさにdressed to killでしょう。
友人は「あの子、なんかすごい服着てたよ」という、ちょっと批評的な意味で使っていました。確かにそのような意味合いを込めて使われることも多いようですが、このフレーズ自体は「すっごいオシャレをしていた」ということしか言っておらず、ネガティブな意味ではないということ。
パンデミック以降、ハイヒールもワンピースも全部捨ててしまい、日々スニーカーにTシャツ、デニムで過ごしている私は、最後にdressed to killしたのがいつだったのか、もう思い出せません。次の週末には、悩殺できるくらいの服、買いに行こうかなと思いました。
* * *
※この記事はWeb版GOETHEに掲載された記事を再編集したものです
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英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。
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