
ついに終盤戦!予想もつかない結末へ拍車がかかって止まらない
ネガティブなニュースに覆われた昨今。
先が見えない不安を抱えながら日々を生き抜いている人も少なくないだろう。私もその1人だ。
物価高騰の煽りを受け、厳しいお財布事情が続く。
少しでも生活の足しにしようと某フリマサイトで身の回りのものを売りに出した。
売れた商品はドラムセットの大きな機材で、配送センターには徒歩では持っていけない。そのため、長らく使用せずに動かない原付バイクを修理してその足に使おうと、バイクを手で押しながらバイク屋さんに向かった。
するとなんと、その修理費はフリマサイトでの売り上げを遥かに超えるものだった。むしろマイナスである。
生活を楽にするための行動をしたつもりが、生活苦に拍車をかけてしまったのだ。
さすがに心がポキッと折れる音が聞こえた。
比喩じゃなく、聞こえた。
さらに衝撃の事実。原付で運ばずとも、配送する商品を配送業者が自宅へ回収しにきてくれる“集荷”というサービスがあることを今更知った。
私はどれだけ世間知らずなんだ……。
プラス100円さえ払えば集荷をしてくれるとのことなので、修理費の数万円など払わなくてよかったのだ。
生きることは辛い。
そんなこともあり先が見えない生活なのは相変わらずだが、日々のささやかな楽しみがあるから私は生きていける。いや死ぬわけにはいかない。
せめて「恋は闇」の結末を見届けるまでは。
同じく先が見えない……結末が読めないこのドラマ。
ことドラマに至っては、先が読めない脚本であればあるほどワクワクするものだ。(本来は人生もそうなのだろうが……。)
第8話のラストでは、まさかの浩暉(志尊淳)が血のついた包丁を持ち被害者の亡骸の前に立ち尽くしているではないか。

今まで散々浩暉が疑われては身の潔白を証明し、恋人:万琴(岸井ゆきの)の心は揺れ動きつつも浩暉を信じる流れになった矢先にこの出来事。そして今までは決定的なシーンがなかったため浩暉を信じることができたが、こんなことがあると流石に浩暉犯人説も浮上してしまうのか?
いや、浩暉は犯人ではない。
それは間違いないでしょう。
なぜなのか。
今までの連載では考察箇所の文章化を極端に避けてきたが(文字で伝えられる自信がなく……。)、今回ばかりはやってみようと思う。頑張る。
気づきましたか?決定的な“あれ”がない
細かいことは置いておいて、まず第一に血まみれの被害者を前に浩暉は返り血を浴びていない点が浩暉が実行犯ではない決定的な根拠と言える。
割とこれだけでも、少なくとも今回の殺人に至っては浩暉が手を下していないのは明白ではないだろうか。
そして万琴は被害者宅のチャイムを鳴らしたが、その音に気づいたであろう浩暉が包丁を持ったままであるという点も不自然だ。
今回の殺人が“一連の計画の最後”であれば話は別だが、犯人とバレていいはずがない。逮捕されていいはずがない。いち早く現場から去る方がいいに決まっている。
そうしなかったのは、浩暉は万琴が後をつけてくることも想定して、“包丁を持って被害者の前に立ち尽くす”という演出をしたかったからではないか。なぜなら、自身が真犯人だと思われたいから。万琴に報じてほしいから。
次回第9話のあらすじを見ると、逃亡中の浩暉は自身が真犯人だという手記を公開し、その動機と犯行の手口を詳細に綴るという。
そこからも、真犯人ではないのに真犯人になりたがっている浩暉の様子が伺える。なぜそのような行動をするのか。
・真犯人に脅されて(みくるの件や過去事件のことで)、犯人としての立ち回りをやらざるを得ない。
・過去の事件(設楽母殺害)と現在の事件の真犯人を炙り出すため、真犯人になりきることで真犯人を挑発。
これらの線が考えられる。
今までの殺人に関しても、浩暉の取材の様子や万琴への愛情からも浩暉が真犯人ではないことは伺えるだろう。それこそ我々が知り得ない浩暉の顔がシリアルキラーの顔かもしれないが、そうなると万琴は鈍感どころではない。シリアルキラーの片鱗に気づいてくれ。
そもそも怪しすぎる設楽家が一家総出で殺人事件やりまくってました……。というのはミステリーとして破綻している。
明らかに怪しい演出を施したキャラクターが真犯人で「そりゃ怪しかったもんな」で終わるミステリーは観たことがない。
ある意味それも新しいが、我々はずっと何をみせられていたんだ?と感じるだろう。
特に設楽貫路(萩原聖人)なんて、“怪しい人”を演じすぎている。あそこまで怪しい人である必要があるのだろうか?と思うほど終始怪しい人でいてくれる努力が可愛くも思えてきた。

設楽一家3人がなぜか立ちながら話していた一家団欒シーンも、その前の履歴書のようなものを書くみくる(齋藤飛鳥)も相まって、みくるの独り立ちについて計画し話し合っているシーンではないかと考えられる。
学校にも通えていたみくるは、あくまで浩暉との関係を記す戸籍が存在しないだけで戸籍そのものがない訳ではないだろう。それなのにみくるを秘密裏にしているのは、過去の母親:設楽久美子(紺野まひる)殺害の犯人だからではないか? という考えもできる。
そのことを握られた浩暉と貫路は、みくるを守るために奮闘している……。
または脅されて奮闘せざるを得ないというのが現在考えられる6969bの考察だ。
弱みを握られているためにやらざるを得ないのだとしたら、浩暉が事件のことを取材し記事にするのは良いのか?とも思うが、“ホルスの目殺人事件”と名付けて世間に発信したのは浩暉である。ここには真犯人の意図……。世間の注目を集めたいという真犯人からの指示があるのかもしれない。
その真犯人候補は相変わらずなので、動画で確認していただきたい。
向葵の気持ちに共感し、恋愛できない
さて、今回はかなり事件の考察に振り切った記事になったが、いかがだっただろう。
本当なら私はまだまだ恋愛を語りたかった。第8話でも向葵がかなり考えさせられることを言っていたからだ。
「人を好きになるって思いが通じれば素敵なことだけど、通じないと加害性がある気がして……。」
わかる。それがあるから、なかなか気持ちを伝えられない。
しかし、この危惧を抱く人が一方通行の気持ちを伝える際は、決して加害性を持たないのではないだろうか。その危険性を想像できる以上、引き際も弁えているだろうし。
以前の連載でも述べたが、思いを伝えることそのものが、片思いそのものが加害的となってしまうのなら、もう日本は滅びる一途を辿ることだろう。(かなり誇張しているが)
現代は良くも悪くもなんでも問題にし、議論したがる。
本来は笑い話になることも、問題視したがる。
もちろんそれは実際に起きた様々な悲しい事件を経ての側面かもしれないし、価値観のアップデートの必要性がある問題も日々議論されている。しかし、どうもそうとも思えないものが多い。片思いに関してもそうである。
「気持ちを持たない相手からの告白って迷惑……」という価値観が独り歩きしすぎてしまい、向葵のように、“好きの気持ちが籠った弾”の装填された銃をそっと置いている人も多いのではないかと感じる。
そんな素敵な銃は持っていていいんだけどな。
誰もが心に向葵を飼い慣らしながら恋愛をすれば、加害性を持ち合わせる片思いにはならないと私は思うので、向葵はもちろんそんな人達の恋心が相手に伝えられることを願っている。いのち短し恋せよ少女。
著者:ケメ・ロジェ
ドラマイラスト:サク
第8話 リアルタイム考察動画の様子はこちら
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3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
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