
そんなこんなで前回の続き。わたくしの“ギックリ事件”、聞いてください。
イッテQ! 女芸人一芸合宿3日目の朝。私は同室の森三中ムーさんと朝食バイキング会場へ。ホテルの方のお気遣いで、うちらはパーテーションで仕切られた席。先におかずクラブが食べていた。「おはよう。早いね。お料理取ってくるね。」それがおかず2人が見た、あさこの最後の笑顔でした。本当にそんなナレーションが入りそうなとこよ、ここ。その日はなんだか混んでいて。でももう3日目ですから。こちとら取るお料理の種類も配置も、そしてそれをどの順番で取るのがベストかも熟知しております。中央にあるトレー、お箸、お手拭きを取って、まずは結構並ぶご飯エリアへ。そのままそのお隣のお味噌汁を。ここでポイントが。その先に生卵やとろろ・納豆などのネバネバちゃんがあるのですが、おそらく皆さん、私みたいにいろいろ混ぜ混ぜせず、直接ご飯の上へかけられるから、そこに小鉢っぽい容器がない。そこでこのお味噌汁のところにあるお椀を余計に2つ拝借。1つは生卵用(醤油代わりに海苔の佃煮も入れる)、もう1つには大好物ネバネバ“全員大集合”、ってわけです。ただそんなわけでこの日はホントに混んでいたので、私の後ろにもズラリと人が。なのでお味噌汁よそって、サッと次に行こうとしたんです。「あ! そうだ。お椀2つ!」これが運命の分かれ道でした。次に行こうとした身体をくねらせ、後ろの人に「すいませーん」なんて言いながらお椀に手を伸ばしたその時。ピキ。なんならその音、みんなに聞こえたんじゃないかってくらいちゃんと、ピキ。過去に何度かギックリをしていますが、ギックリが出そうになった時はすぐ近くの机や台に手をついて、腕の力でゆっくりグーッと背中を伸ばす。それで少しずつ痛みが消え、本格的なギックリを回避してきた。だから今回もテーブルに手をつこうとしたけれど、もしグッとした時、お料理がテーブルごと全部ひっくり返ったら、と思って手はつけず。どのみち後ろには人が。とりあえずどこうと、自分のお盆を手で横にズラして、そのまま自分も横へ、がまずかった。“魔女の一撃”と言われている通り、信じられない“痛みの稲妻”が全身にビキーン。「ムーさん、助けて……。」異変に気付いた仲良しの青木カメラマンが肩を貸してくれ、カタツムリよりゆっくりパーテーションの裏へ。さっき笑顔で元気に朝食を取りに行った先輩が、人に抱えられて戻ってくるなんて、おかずの二人はびっくりしたろうな。
ギックリ発症の全容はこんな感じ。うっかり相当ひどいのが出ちゃいました。さあ、ここからです。怒涛の“アイノカタチ”ラッシュ。まず裏に戻ってきた途端、ゆいPの察知能力の凄さ。パッと立ち上がって、とにかく私がすぐ座れるところの準備を。そして元看護士のオカリナは「こういう時、足の裏をほぐすと少し楽になるかもです」と、スタッフさんにゴルフボールがないか聞いてくれて。もちろんないのですが、そしたらふといなくなってね。しばらくして戻ってきたら手には丸い石が2つ。庭に行ってちょうどいい石を探して来てくれたんです。それをゴルフボール代わりに、って足の下にそっと入れてくれて。「ちゃんと洗って拭いたから安心してくださいね。」どんだけ優しいのよ、あなたたち。
夜のお風呂もすごかった。私が大浴場に到着すると先に入っていたみんなが、湯舟・サウナ・洗い場から一瞬で私の元に大集合。一人が少し高めの座りやすい椅子を持ってきてくれ、数人で私を抱えてゆっくり座らせてくれる。私は少しでも腰に力がかかったら呻くほど痛いので、まだまだ手で自分を支えていないといけない状態だったもので、みんなで頭洗って顔洗って身体も洗ってくれて。「お股は自分で、がいいですよね?」とそこ以外は全部。私が両手で椅子のへりを持ち、ほんの少しだけお尻を浮かしたところに、ガンバレルーヤよしこが手の平を上にして両手をスルリと滑り込ませ、お尻も洗ってくれた。余ったまひるが私の横の鬼奴ちゃんとこ行って身体洗い出したりして。「私は大丈夫だから」と奴ちゃん。みんなで大笑い。ギックリした日は温めちゃいけないのでお湯には浸からず、ヘリのところに腰掛け、足だけ入れていたら、みんなが代わる代わるお湯につけたタオルを「冷えますから」と肩にかけてくれて。もぉ母ちゃん、嬉しくて涙出てくらぁ。
そして何より同室のムーさんには本当にたくさん迷惑かけまくりました。部屋、練習場、大浴場、どこに行くのも、ムーさんに車椅子を押してもらうわけで。しかも今回部屋のベッドが大きい&低め。それが小上がりの上に敷いてある感じだったので、普段ならめっちゃお洒落で嬉しいベッドなのですが、今回はそこに寝るのも起きるのも難しく。朝なんてムーさんの肩に掴まって、めちゃくちゃ時間かけて起き上がる。いやぁ、申し訳ない、本当に。あの小柄な身体に大きな私が全体重かけるわけですから。なのにオカリナとかと「いとうさん、昨晩はお小水の方、2回行かれました。食欲は、あるようなんで大丈夫かと。」なんて“申し送り”コントとかしてくれてね。ありがたい。いろいろみんなで明るく面白くしてくれて、私の申し訳ない、って気持ちを少し軽くしてくれる。ホント優しい。感謝しかない。
他にも私が街ブラ出来なかったから、と有馬温泉チームがめちゃくちゃ軽くて歩くのに楽な、真っ赤な靴買ってきてくれたり。朝御飯の度に、力が入らない私に代わってムーさんが生卵割ってくれたり。帰りの空港で時間があったけど動けないから椅子に座っていたら、奴ちゃんが551の豚饅買ってきてくれたり。本当に数えきれないほど、スタッフさんも含め、めちゃくちゃ皆さんにお世話かけまくりました。VTRご覧になった内村さんに「高齢社会のドキュメンタリー」と言われましたがまさに、でしたね。
♪あのね 大好きだよ
♪温かく増えた想いは全部アイノカタチです
大正琴で「アイノカタチ」を演奏しながら頭の中で歌詞、めぐっていました。みんな、本当にありがとう。そして、“いろんな意味で”これからもよろしくお願いいたします。
【本日の乾杯】4月の頭にいただいた岩牡蠣。なんかこういう熨斗みたいなのが刺さっていると“新物”が更に一層ありがたく感じる。しかも切り方が縦半分じゃなくて横。やっぱり牡蠣は味わい食感が右左で全然違うから、この切り方、すばら。