
若葉の季節であり、風の季節でもある5月の、運気アップの方法は!?
『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』は、読めば読むほど、運気がアップします!
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「ヨモギ」の香りに、清少納言も「をかし」
清少納言は、「枕草子」の「五月ばかりなどに山里をありく」の中で、
蓬(よもぎ)の車にをしひしがれたりけるが、輪のまはりたるに、ちかううちかゝりたるもをかし(=ヨモギの葉が牛車の車輪におしつぶされてくっつき、車輪がまわるたびにその香りがふわっとしてくるのが「をかし(すばらしい)」)
と言っています。

これは、ゆっくりとまわる牛車の車輪だからこそ成り立つ「をかし」で、今のような自転車や自動車では成り立ちません。私たちは速さと便利さを手に入れたかわりに、このような情緒を失ってしまいましたが、こうして清少納言が書き残してくれたおかげで、その「をかし」を知ることができますね。
食べ物としてもヨモギは優秀です。栄養としてはビタミンA、B1、B2、C、Kが豊富で、ビタミンKは野菜の中でもトップクラスの含有量。それに、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルが豊富。さらにほうれん草の3倍の‒β(ベータ)カロテンや、殺菌作用と活性酸素をおさえるはたらきのあるクロロフィルを含んでいます。
私のおつとめしている神社の近所に、神様用のお餅を納めてくださるお餅屋さんがあるのですが、5月5日にはかならず、柏餅の「白」と「ヨモギ」をお供えしてくださいます。しかも神様用だけでなく、人が食べる用も持ってきてくださる。中のあんこは一緒ですが、ヨモギを練りこんであるお餅生地のほうが風味絶佳、二つ、三つと手が出てしまいます。

そうそう、柏の葉は、子孫繁栄を意味するおめでたい葉で、神社では古来、神饌(お供え物)を載せるお皿の役割も果たしてきた葉です。柏餅は5月5日の行事食。昔から福徳開運の効果があると実感されて続いてきた、いわば、間違いない開運スイーツですから、この時期にはぜひ食べたいですね。
(つづく)
神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

古(いにしえ)より、「生活の知恵」は、「運気アップの方法」そのものでした。季節の花を愛でる、旬を美味しくいただく、しきたりを大事にする……など、五感をしっかり開いて、毎月を楽しく&雅(みやび)に迎えれば、いつの間にか好運体質に!
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神主さん直伝。「一日でも幸せな日々を続ける」ための、12カ月のはなし。
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