
Dear Risa,
素敵な手紙、ありがとう! じっくり読んで、一つ一つの言葉を味わったよ。お正月は大変だったね、、、どれだけ自分が失恋からのリバウンドが「マシになった」と思っても、失恋は大変だ。相手の名前、写真に反応しなくなるまではどうしようもできないし。必要なのは時間。6月にロンドンにひらりさがロンドンがきたときに気晴らしで絶対楽しいことしよう。
今回も、前回の往復書簡(*1)と同様に感じたことがある。私はいつも「マクロ」的視点から物事を捉えようとするのに対して、ひらりさは「ミクロ」な個人の体験から語り始める。高度1万メートルから世界を俯瞰しようとしてしまうのは私の癖。どちらのアプローチが優れているというわけではなく、この二つの視点が交わることでより立体的で等身大の対話が生まれると思う。
マシンピラティスにハマっていると知って、とても親近感を覚えた。以前、香港の友人とZoomでヨガをしていたのだけど、彼女が再就職してからスケジュールが合わなくなり、バーチャルからリアルな運動へと切り替えたのが、私がマシンピラティスにハマるきっかけだった。
マシンピラティス愛好者の特徴は、日本だとどうかわからないけど、ロンドンでの参加者は95%が女性(残りの5%は不本意ながら連れてこられた彼氏たち)で、そのほとんどがボトックス経験者か将来の利用者で、最新のアスレジャーウェアに身を包み優雅に見える女性たちは、実に驚くほどの筋力の持ち主で、何分もプランクを平然と維持できる。
子供の頃から運動神経が悪いと思い込み、外見が良くてスポーツも上手で完成度の高い女性たちを縁遠く感じていた私が、今では週3回、彼女たちと骨盤を揃えて汗を流しているのは不思議で面白い。ちなみに私の装いは10年以上前に購入したルルレモンのレギンスとIT企業のTシャツという質素なもの。先日、「そのレギンス、どこで買ったの?」とキラキラ輝いているピラティスガールに尋ねられ、「淘宝(タオバオ)」と答えたら、アジアの高級ブランドだと勘違いされて思わず笑ってしまった。
さてさて、本題に入りましょう。ひらりさから「最もフラットだった恋愛」について問われたが、やはりマクロ的に答えたくなっちゃう(笑)。今回はシモーヌ・ド・ボーヴォワールの話から始めよう。私たちの往復書簡なら、登場を予想できる人物だね。
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4月25日(金)19時半より、鈴木綾さん、ひらりささんと『シンプルな情熱』オンライン読書会を開催します!
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往復書簡 恋愛と未熟

まだ恋愛にじたばたしてる――? 30代半ば、独身。ロンドンと東京で考える、この時代に誰かと関係を紡ぐということ。