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「一セットの服」で自分を好きになる

2024.04.06 公開 ツイート

「服は、なりたい自分」思い込みを壊すユニークな“服選びの方法”と本づくりの難しさ 竹村優子

「一年3セットの服で生きる」スタイリスト、あきやあさみさんの2冊目の本『「一セットの服」で自分を好きになる』が発売になりました。あきやさんが提案する服選びの方法の特徴は、言葉と想像力。それが本づくりにどう反映されたかを担当編集者が綴ります。

まずは現実から離れる服選び

『「一セットの服」で自分を好きになる』の帯には、「服は、なりたい自分」とまず大きく書いてあります。最初の章も「服は、なりたい自分」。そう、あきやさんは、「なりたい自分」を軸にして服を選ぶことを提案しています。

「なりたい自分」は、人それぞれ。だから、どんな服がいいかもそれぞれ。

この「人それぞれ」を本で表現することは難しい。これとこれを着ておけば間違いないですよ! と言えればどんなにいいでしょう。

でも、前回も書きましたが、

「『ファッション』は実はなかなか複雑な表現方法です。自分の外見のこと、内面のこと、生まれながらの境遇や、そのとき置かれてる状況、日々の暮らしのこと、さまざまな条件が折り重なって作られています」(182p)

なわけです。

しかも、「なりたい自分」を、すぐに具体的にイメージできる人もそんなに多くないはず。

そこであきやさんは、自分を縛る思い込みを壊して、まずは想像の翼を広げましょうというところから話を始めます。

「美術館に行くような気持ちでファッションを見てみよう」(29p)

現実的な枠組みのなかで服のことを考えると、環境や体型や予算やいろんな制約が頭に浮かんでしまいます。そこで、一度それをなくし、直感で心惹かれる服をまっすぐ見てみる。そうすると、今まで自分でも気づかなかった感覚が立ち上がってくる、と。

「一度大きく視野を広げてみると、これから服を選ぶときの視点が変わってくるはずです。」(29p)

「培った想像力は確かな土台となり、あなたのリアルクローズを支えてくれます。」(31p)

今回の本は、解説や見本のイラストをいれませんでした。冒頭のあきやさんの私物を紹介する写真をいれた8ページのみです。

今の実用書のトレンドは、ビジュアルの多さと見た目のわかりやすさです。それは理解しつつも、あきやさんの文章を味わい、咀嚼し、イメージを広げてほしいと思い、文字だけにしようと決めました。

「私は毎日、同じ服を着続けているのですが、これが不思議と飽きないもの。…それは想像力から生まれる「憧れ」の言葉を、実際に着る服に反映し、身に纏っているからです。」(31p)

こんなふうに書かれているのですから。

(担当編集:竹村優子)

あきやあさみ「“なりたい自分”を知って“心満たす服”を手に入れる」講座開催【5/18、7/6、9/7 会場&オンライン】

各回の開催日、テーマ、申し込み方法は幻冬舎大学のページをご覧ください。

関連書籍

あきやあさみ『「一セットの服」で自分を好きになる』

服は、なりたい自分。毎日、違う服を着なくていい。 一年3セットの服で生きる、人気スタイリストが伝授する、 服を味方にして人生を動かす方法 心を満たす服がひとつあれば、自信を持って生きられる。 ●新しい服よりも必要なのは「全身鏡」。外出先で自分にガッカリしなくなる ●服を「買えない人」も「買いすぎる人」も実は「決められない」ことが原因 ●手持ちの靴、バッグ、アクセサリーで「自分のナンバーワン」を決めてみる ●気に入ったものは「持ってるだけ」でもいい ●自分にとっての「意外な服の試着」が未来を変える ●服選びとは「自分を大切にする」こと… 「自分に必要な服」「自分の可能性を広げる服」が見つかる一冊。

あきやあさみ『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』

服選びの苦しみからさっさと抜けだそう! 一年3セットの服で過ごす、人気スタイリストによる、 少しの服で「自分らしさ」を作る方法 たくさんの服に時間とお金をかけて着まわすよりも、自分が納得できる同じ服を何回も着る方が、おしゃれで自信のある人に見えるのです! ・まず着ない服を決める ・靴は「自己評価」だと思って選ぶ ・バッグは「自己紹介」だと思って選ぶ ・アクセサリーは「アイデンティティ」だと思って身につける ・季節の始まりは断服式から ・服は愛せる数だけ持つ ・選び抜いた「自分だけの制服」は、人生を豊かにする最初の突破口 制服化のためのアイデアをまとめたイラスト解説付き。

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「一セットの服」で自分を好きになる

「一年3セットの服で生きる」スタイリスト、あきやあさみさんの2冊目の本『「一セットの服」で自分を好きになる』について

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竹村優子

幻冬舎plus編集長と単行本、新書、文庫の編集に携わる。手がけた本は、『世界一の美女になるダイエット』(エリカ・アンギャル)、『青天の霹靂』(劇団ひとり)、『職業としてのAV女優』(中村淳彦)、『大本営発表』(辻田真佐憲)、『弱いつながり』(東浩紀)、『赤い口紅があればいい』(野宮真貴)、『じっと手を見る』(窪美澄)、『銀河で一番静かな革命』(マヒトゥ・ザ・ピーポー)、『しらふで生きる』(町田康)、『往復書簡 限界から始まる』(上野千鶴子・鈴木涼美)など多数。

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