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時をかける老女

2022.12.13 公開 ポスト

#42

帰ったら、テレビの音量は70を超えていた中川右介

2021年9月21日 火曜日

〈介護324日〉

昼に母を引き取りに行く。何日いたかは覚えていない。

昼食後、「わたし、今日はどこかにいたわよね」ともう半分忘れている。

「今日は火曜日でしょう。デイサービスは行かなくていいの」「今日はショートステイだったから、休み」

「明日は行くのね」「明日は水曜日だから休み」「そんなに行かないと、迎えにきてくれなくなるんじゃないの」

その後も、どこにいたのか、何曜日かを何度も確認。

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時をかける老女

91歳の母親と、33年ぶりに一つ屋根の下で暮らすことになった。この日記は、介護殺人予防のために書き始めたものである。

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中川右介

一九六〇年東京都生まれ。編集者・作家。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、音楽家や文学者の評伝や写真集を編集・出版(二〇一四年まで)。クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲、マンガ、政治、経済の分野で、主に人物の評伝を執筆。膨大な資料から埋もれていた史実を掘り起こし、データと物語を融合させるスタイルで人気を博している。『プロ野球「経営」全史』(日本実業出版社)、『歌舞伎 家と血と藝』(講談社現代新書)、『国家と音楽家』(集英社文庫)、『悪の出世学』(幻冬舎新書)など著書多数。

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