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転倒予防の名医が教える 長生き足体操

2022.10.14 公開 ツイート

家の中は危険がいっぱい! 転倒事故が起こりやすい「ぬ・か・づけ」とは? 武藤芳照

最近、転びやすくなった、つまずきやすくなった……。歳や疲労、不注意のせいだと、甘く見てはいませんか? 転倒事故で亡くなる人は、なんと交通事故のおよそ4倍。骨折などのケガはもちろん、急性硬膜下血腫、脳挫傷といった、死や寝たきりにつながる恐ろしい事態を引き起こすこともあるのです。

転倒予防の第一人者、武藤芳照先生の『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』は、そんな転倒を防ぐための知識とトレーニングを教えてくれる一冊。自分の身を守るために、若いうちに覚えておきたいことが満載の本書から、一部をご紹介します。

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屋外よりも多い「家庭内事故」

長いコロナ禍で、一時はステイホームが呼びかけられ、テレワークが広がるなど、家で過ごす時間が増えました。実はこの「家の中」で、高齢者の転倒の多くが起きています。屋外よりも、居住場所での転倒のほうが多いのです(東京消防庁、平成27年~令和元年)。

前項で転びやすい場所を「ぬ・か・づけ」と書きました。

「ぬ」……濡れているところは、滑って転びやすい

「か」……階段・段差はつまずいて転びやすい

「づけ」……片付けていないところは、滑ったり、つまずいたりして転びやすい

これらを踏まえた上で、家の中で注意すべき場所や、注意すべき点を挙げていきます。

こんなところに危険が潜んでいる

濡れた「浴室」は、特に注意すべき場所です。浴槽に入るときに側面をまたぐため「片足立ち」になるので、バランスを崩さないよう手すりをつけたり、床面には濡れても滑りにくい材料を使ったり、滑り止めマットを用いるなど、工夫や配慮をしましょう

脱衣所での衣服の着脱時にも片足立ちになる必要があるため、転倒するリスクが高いので、気を付けてください。

「階段」には、手すりをつけたり、足下(特に一番下の段あたり)を照らす照明をつけるなどの対策が有効です。

「台所」や「居間」は、足下をきれいに片付け、こまめに清掃することが大切です。野菜の切れ端、はねた水や油、読みかけの新聞や雑誌、チラシ、リモコン、脱いだ上着や取り込んだ洗濯物などが、つまずく、滑る、ぶつかるを引き起こす障害物となり得ます。

「居間」は、一番長い時間を過ごす場所だけに、転倒も多くなります。絨毯やマットの端に足が引っかかって転ぶケースも少なくありません。床にきちんと固定しましょう。

室内でよく目につくのが、電化製品のコード類です。パソコン、スマートフォン、テレビ、ゲーム、照明機器などのコード類があちこちに走っていると、つまずく原因になります。短くまとめたり、市販のコード巻き取り器を利用するなどして、部屋の隅や壁に整理しましょう。

「玄関」は、段差があると同時に、帰宅時は、油断しやすい場所でもあります。無事に家まで辿り着いたとほっとして気がゆるんだ瞬間こそ、注意が必要です。

家の中でスリッパを履く人も多いですが、スリッパはかかとが浮くために脱げやすく、高齢者には安定した歩行がしづらく転倒を招くリスクが大きい履物です。階段や段差があるところをスリッパで歩くのは危険だと、心に留めておいてください。

関連書籍

武藤芳照『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』

「最近転びやすくなった」は寝たきりへの危険信号!? 病院や高齢者施設でも実践!死ぬまで歩ける足腰を座ったままの運動でつくる。

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転倒予防の名医が教える 長生き足体操

最近、転びやすくなった、つまずきやすくなった……というあなた。「年のせいだからしかたない」と、甘く見てはいませんか? 転倒事故で亡くなる人は、なんと交通事故のおよそ4倍。骨折などのケガはもちろん、急性硬膜下血腫、脳挫傷といった、死や寝たきりにつながる恐ろしい事態を引き起こすこともあるのです。

転倒予防の第一人者、武藤芳照先生の『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』は、そんな転倒を防ぐための知識とトレーニングを教えてくれる一冊。自分の身を守るために、若いうちに覚えておきたいことが満載の本書から、一部をご紹介します。

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武藤芳照 整形外科医、医学博士

日本転倒予防学会初代理事長、東京健康リハビリテーション(総合研究所代表理事・所長)、東京大学名誉教授。1950年生まれ。名古屋大学医学部卒業後、東京厚生年金病院整形外科医長、東京大学教育学部長、同大学副学長などを歴任。ロサンゼルス、ソウル、バルセロナの各五輪で水泳日本代表チームドクターを経験し、国際水泳連盟医事委員なども務めた。地方自治体や各種企業・団体での講演多数。

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