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日本が侵攻される日

2022.08.19 公開 ポスト

日本列島は地政学上最も危険な場所にある佐藤正久

ロシアのウクライナ侵攻、中国による台湾有事の危険性、北朝鮮のミサイル発射の脅威……。世界の緊張感が高まる中、その隣国である日本は本当に安全なのか?

さらにAIや衛星など技術が発達した現代の戦争において、「島国は安全」という理屈ももはや通用しません。これまで以上に私たち一人ひとりが「日本の防衛」について、知識を持ち真剣に向き合う必要があるのではないでしょうか。

元自衛官で「戦場のリアルを知る政治家」、佐藤正久氏が警鐘を鳴らす『知らないと後悔する 日本が侵攻される日』を緊急出版いたします。

地政学上、日本列島がいかに危険な場所なのか、本書より一部を抜粋してお届けします。

*   *   *

ロシアだけではない。
北朝鮮、そしてどこよりも強大な中国

2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻しました。この暴挙を世界の多くの国が非難し、アメリカやNATO(北大西洋条約機構)加盟国は、ロシアに対してさまざまな制裁をかけました。日本もその一員です。

具体的には、金融制裁(海外の銀行にあるドルやユーロの凍結)、輸出規制、輸入規制、関税優遇の取り消し・撤回、超富裕層の資産凍結などです。

これに対し、プーチン大統領は「強い制裁は宣戦布告とみなす」と宣言しています。日本はプーチン大統領やその家族の個人資産も凍結したので、アジアの他の国よりも強い態度に出たと言えるでしょう。

プーチン大統領からすれば「日本は俺に喧嘩を売った敵国」と映るわけです。

つまり、日本はもう戦争に加わってしまったのです。

「なぜ喧嘩を売るようなマネをしたのか?」と言う人もいるでしょう。「平和主義を貫くべきだ」と思う人もいるでしょう。その気持ちはよくわかります。また、日本が憲法に定めた「平和主義」も世界に誇れるものだと思います。しかし、しかし! なのです。

日本は「知らん顔」をしていればよいのでしょうか? 日本だけが「平和な状態」を保つことは可能なのでしょうか?

残念ながら、答えは「NO」です。なぜなら、私たち日本国民が「知らん顔」をしても、「平和」を保とうとしても、すでに私たちを標的にしている者がいるからです。虎視眈々たんたんと私たちを狙い、隙あらば、あるいは弱みを見せたら、すぐにでも攻め入ろうとしている国があるからです。しかも、一か国ではなく、複数の国に狙われているのですからやっかいです。私たちが抱える危険性は、開戦前のウクライナよりも高いと言えるでしょう。

ロシア、北朝鮮、中国──。
彼らは、なぜ日本を狙うのか。私たちはこれからどうなるのか。どうすればいいのか?

これはゲームでも他人事でも社会の授業でもなく、一人ひとりに突き付けられた現実なのです。

日本がなぜ狙われるのか。
地図を見たら一目でわかる

それでは、ロシア・北朝鮮・中国は、なぜ日本を狙うのか?

日本とそれぞれの国の間には、長い歴史があります。正直に言うと過去「日本がしかけた」と言われるような戦いもありました。感情的な確執があるのは理解できます。

しかしながら今、日本が抱える領土問題の多くは、相手の一方的な主張によるものです。北方領土、尖閣諸島、竹島を巡って対立があることは、ご存じでしょう。しかし、北方四島(国後、択捉、歯舞、色丹)、尖閣諸島、竹島は、日本の島です。

本来は、対立すべきことではないのです。歴史的にも、国際法的にも、れっきとした日本の一部なのですから。それなのに、北方領土(北海道の一部)はロシアが「自分のものだ」と一方的に主張して人が住み、レーダー基地まで造っています。

同じように、尖閣諸島(沖縄県の一部)は中国が「自分の領土だ」と主張して漁船が行き来し、最近では武器を搭載した艦船までが航行するようになりました。竹島(島根県の一部)には韓国が武装警察を常駐させてしまっています。

日本は、これらの隣国と対立したい訳ではありません。勝手に乗り込んできた相手に「出ていってくれ」と言っているに過ぎないのです。わが家の庭に、隣人がテントを張り「ここは私の場所だ」と主張したら、「出ていけ!」となるでしょう。それと同じ状況なのです。

ではなぜ、相手の国は、これらの場所を「自分のものだ」と主張するのか?

それは、国後や尖閣がのどから手が出るほど欲しいからです。なぜ欲しいのか?

言うまでもなく、これらの島々を手に入れれば、都合がいいからです。

何が好都合なのか? いろいろありますが、簡単に言うと「他国への攻撃」と「他国からの防衛」が有利になるからです。その一番の対象は、アメリカです。

下の地図を見ていただければ、どういうことか、一目でわかると思います。

ロシアや中国の思惑。
「逆さ地図」から見える欲と真実

私たちからすれば、北海道が上にある地図が常識です。ところが、逆さにすると、下のようになります。ちょっと違和感があるでしょう。

でも、ロシアや中国から太平洋を見た場合、日本はこのように見えるのです。

ロシアや中国のロシアや中国の指導者になったつもりで、この地図を見てみましょう。

日本はどのように映りますか?

とても邪魔な存在でしょう。沖縄の小さな島々まで含めて、日本列島は大陸に蓋をするように横たわっています。

太平洋に出ようとする時に、通せんぼするように日本列島がある。ロシアや中国からすれば「ああ、邪魔だ。日本が自国領ならスムーズに太平洋に出られるのに」と、地団駄を踏みたい気持ちでしょう。

中国が尖閣諸島を欲しがる理由。
沖縄の獲得も視野に

中国からすれば、太平洋に出るためには沖縄を抜けていきたい。ところが、沖縄や南西諸島が点在し、横長に蓋をしている。日本を丸ごと手に入れるのは無理だとしても「せめて尖閣は欲しい」とか「本当は琉球諸島も欲しい」と思っている訳です。

尖閣諸島の付近を中国船がうろつくのはこのためです。そうやって「ここは自分の領土だ」とアピールし、日本を挑発して手を出されるのを待っているのです。もしも日本が手出しをしたら「世界のみなさん。尖閣は中国の島だから船が行き来しているのに、日本はそれを攻撃しました。ひどいでしょ」と訴えて、尖閣諸島が中国領であることを既成事実にしたいのです。

もう一つ、大きな理由があります。それは、米海軍を睨んでのことです。日本はアメリカの同盟国であり、横須賀には米海軍の空母が控えています。空母は航空機を載せた軍艦で、移動式の航空基地と言うべき存在。これが邪魔なのです。

中国としては、近い将来、台湾を獲りたいと思っています。そのためには、米海軍を台湾海峡に近づけたくない。では、どうするか?

中国は、原子力潜水艦を沖縄の太平洋側に潜らせたいのです。空母にとって潜水艦は脅威です。沖縄付近に潜水艦が潜んでいるとなったら、米海軍の空母は怖くて近づけなくなります。そのために中国は、漁船などを尖閣諸島の付近にうろつかせ、潜水艦を隠しながら太平洋に通り抜けさせようとしているのです。

もちろん、阻止するために自衛隊も偵察していますが、漁船が通れば潜水艦のスクリュー音はかき消され、上空からも目隠しをした状態にできます。

恐らく今でも尖閣付近には、中国の原子力潜水艦が潜っているはずです。かつて2010年には自称・中国漁船が日本の海上保安庁の巡視船に衝突する事件が起きました。近年では行動が大胆になり、艦船まで航行させています。屁理屈をつけて攻めてくるのが中国の得意技。尖閣だけでなく、沖縄の獲得までも視野に入れているはずです。

*   *   *

続きは本書『知らないと後悔する 日本が侵攻される日』をご覧ください。

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日本が侵攻される日

2027年、日本がウクライナになる――。決して脅しではない。ロシア、中国、北朝鮮という三正面に接した我が国の危険性は、日増しに高まるばかりである。理由は世界地図を「逆さ」にすると一目瞭然だ。ロシアはなぜ北方領土を手放さないのか、中国が尖閣を執拗に欲しがる背景、北朝鮮のミサイル発射の脅威……。AIや衛星が主流の現代の戦争においては、島国は安全という理屈も通用しない。元自衛官で「戦場を知る政治家」である著者が指摘する日本防衛の落とし穴。もう無関心ではいられない。

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佐藤正久

参議院議員 3期目(全国比例)。福島県出身。防衛大学校卒業後、約25年間陸上自衛官として勤務。国連 PKO ゴラン高原派遣輸送隊初代隊長、イラク先遣隊長・復興業務支援隊初代隊長、第7普通科連隊長兼ねて福知山駐屯地司令等を務める。
外務副大臣、防衛大臣政務官のほか、参議院外交防衛委員長や自由民主党国防部会長などを歴任。現在は、自民党外交部会長、自民党国防議員連盟事務局長として活躍中。「ヒゲの隊長」の愛称で親しまれる。

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