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息苦しくない人間関係

2022.07.12 公開 ポスト

「親孝行は終わっている」娘が母親の呪縛から逃れ自分の人生を歩くために朝倉真弓/信田さよ子

母親の束縛に苦しむ女性たちが少なくなりません。「毒親」とまではいかなくとも、いつまでも娘の人生に口を出してくる。自分の人生なのに母親の顔色をうかがってしまう――。息苦しい母と娘の関係への処方箋を『逃げたい娘 諦めない母』からダイジェストでお届けします。「いい娘」の呪縛を超えて、自分の人生を幸せに生きるために。

(写真:iStock.com/DragonImages)

生まれたことで親孝行は完了している

本来娘は──というよりも子供はすべて──親に負い目を感じる必要などありません。無事に生まれ、親に子育ての楽しみを与えただけで親孝行は完了しています。あなたの親孝行は、もうすでに済んでいます。

この世に生まれてきたのは親の恩である、と強調するのが日本語です。生まれてきた子供、産んでくれた親という組み合わせです。

英語やフランス語を見てみましょう。子供は「生まれさせられた」という受動態です。出産して分かることはいくつかあります。確かに苦しい陣痛はありますが、「子供を妊娠した以上、生まなければ自分が死んでしまう」のです。極端にいえば、母親は生きるために、死なないために生むのです。生んだことを恩に着せ、陣痛がひどかったと、罪悪感で子供を縛る母がいます。でも、私たちは親も、家族も、性別も、顔だって選べないのです。

そのすべてが選べない環境のなかで、文句ひとつ言わずに、母の望む〝いい子〟に育って元気に生きて社会に貢献している。

それだけで、もう十分なのではないでしょうか。

親子の血がつながっていることに大きな価値を置く人もいます。しかしこれからは、養子や里親がどんどん増えるでしょう。虐待のニュースが報道されるたびに、血がつながっていても子供を殺す親があまりに多いことに驚かされます。

娘は、母のことを血によるつながりではなく、同じ空気をかなり長く吸ってきた同性のひとり、そう考えてもいいのかもしれません。

あなたは同じ女性として、母よりも若く、母より長い将来があります。そのことを母はどこかで嫉妬しているのかもしれません。娘が自分より優位に立つことが嫌だ、そんな上下関係で娘をとらえる母は少なくありません。そんな母親の存在を聞くたびに、どうして同じ女性として、娘の幸せを願えないのかと考えてしまいます。

距離を作り、少しだけ上空から母を眺めてみれば、どうしようもなく、不安で自信がないひとりの女性として思えてくるかもしれません。

自分を守る「壁」を築こう

母に向かって断言をしたことがない“いい子”のあなたは、多少語尾が震えてしまうこともあるでしょう。しかし、語尾は震えても、あなたの心まで揺らしてはダメ。このラインまでは我慢してお付き合いできるけれど、ここから先は立ち入って欲しくはないという境界線を作り、自分自身で守っていくことが大切です。

娘がはっきりと「ノー」を突き付けたとき、その瞬間は母は混乱し、時にパニックに陥るかもしれませんが、安心してください。母親は娘が思い悩むほどに傷つくことはありません。

その証拠に、たとえばあなたのお母様は、

「パパは(あるいは息子は)何を言ってもダメなのよ。あの人はそういう人なの」

などと言うことはありませんか?

このように母親は、自分が何を言っても響かないと判断した人に対しては潔く撤退します。ですが娘に対しては、

「私が強く言えば言うことを聞くに決まっている。だってあの子の母親なのだから」

と、どこまでも甘く考えている節があります。

娘としてどうしても母の束縛が我慢ならないと思うのなら、勇気を持って喧嘩覚悟ではっきりと「ノー」を伝えることが大切。いっときの母親からの罵倒や泣き落としは覚悟しておくことです。頑張ってみましょう。喧嘩を避けるために妥協しながら話をしていると、いつまで経っても母との適正な距離を保つことができません。

朝倉真弓・信田さよ子『逃げたい娘 諦めない母』

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息苦しくない人間関係

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朝倉真弓

1994年、青山学院大学卒業。一般企業、出版社、編集プロダクションを経て、1999年にフリーランスライターとして独立。経営、起業、就職・転職、働き方などをテーマに、一般誌やビジネス誌、ウェブサイトなどで取材および執筆を手がける。実用書やビジネス書の分野では企画やブックライティングを数多く務め、ストーリー仕立ての書籍を得意とする。自著に『女子の幸福論』『たまらない女 ためられる女』『好き⇔お金 ネットで「やりたいこと」を「お金」に変える方法』『ストーリーでわかる! 今までで一番やさしい相続の本』がある。

信田さよ子

1946年、岐阜県生まれ。1969年、お茶の水女子大学文教育学部哲学科卒業。1973年、同大学大学院修士課程修了(児童学専攻)。1995年12月に原宿カウンセリングセンターを開設、所長として現在に至る。臨床心理士。著書に『依存症』『DVと虐待』『母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き』『さよなら、お母さん―墓守娘が決断する時』『共依存』『カウンセラーは何を見ているか』『依存症臨床論』『アディクション臨床入門』など多数。

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