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捨てがたき人々

2014.06.02 更新 ツイート

映画「捨てがたき人々」完成記念対談

大森南朋×三輪ひとみ「ハードで、追い詰められて、引きずって……衝撃だった撮影の日々」大森南朋×三輪ひとみ


——勇介と京子を演じるにあたって考えたこと。

大森:僕はそのシーンごとに役を作っていって、じわじわと人物が出来上がってくるのを待つという感じでやっていたんですけど、根本的なところでいったら、どうしようもないヤツだなって思いながらやってましたね。正直なところ、共鳴、共感することは一度もなかったです(笑)。
三輪:でしょうね(笑)。
大森:でも、人として諦めているとか、その感覚は分からなくもないなっていうのは少しありましたね……わからないところばかりだったですけど(笑)。
三輪:もし、勇介のような境遇で生まれてきたら、同じような性格になっていたと思います?
大森:いやぁ~、僕自身はならないと思いますよ。もうちょっとポジティブに世界を渡り抜いていると思います(笑)。
三輪:これまで身近にいたことはないですけど(笑)、勇介みたいな人が本当に慕ってくるじゃないけど、ある意味、助けや愛を求めてきたら、見捨てておけない何かがありますね。そこは京子と共通しているというか。実際に体の関係、夫婦になるかは別として、この人、本当にひどい犯罪を犯すんじゃないかと心配になって、放っておけない気がしますね。

大森:普段から他人を放っておけない性格ですか?
三輪:基本そうですね。世話好きタイプです。京子さんはですね、本当に演じるのが難しかったんですよ。よくわからなくて。実は、いまだにOKの出ていないシーンがあるんですよ。
大森:えっそうなんですか?
三輪:お母さんの死を電話で知らされるところなんですけど。
大森:今度、監督に会ったときにOKもらいましょう(笑)
三輪:榊(監督)さんに実際にやってもらおうと思って。どうやったら正解だったのか、いまだに分からなくて。朝からお昼過ぎまでずっと大森さんをお待たせしたときがあったじゃないですか?
大森:あ~ありましたね、あのときですか。
三輪:もう、次のシーンが詰まっているから、ギリギリまでやったけど、とりあえずここで終わりしようって感じで。結局、何をしたらよかったんだろう~ってモヤモヤしたままで。……どうしたらよかったんですかね?
大森:なんかその追い詰められた感じが欲しかったんじゃないですかね?
三輪:そうなんでしょうかね~。
大森:疲れてきてるところを狙ってたんじゃないですか? そういうのをやりたかったと思うんです、榊監督は。だから、僕もどっと疲れちゃいましたし。さっきの長回しの話も、絡みのシーンを、入っていくところから散々やって出ていくところまで全部1カットでしたから、撮影が終わるとぐったりで。
三輪:私は「いま映画を撮っているのか、AVを撮っているのか、どっちだったっけ?」って錯覚が(笑)。真剣に悩むぐらい、そのシーンだけをずっと撮っている感じだったんですよね。
大森:三輪さんはある意味、強烈なのしかやってないですよね(笑)。今回は撮影の合間とか、現場で三輪さんとはほとんど話すこともなくて。
三輪:相当追い詰められてましたからね(笑)。私から話しかけることもなかったし、完全に入り込んでましたね。
大森:そうだった。大丈夫かな? って思ってました(笑)。
 

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■『捨てがたき人々(下)』
周囲の猛烈な反対を押し切って、妊娠を機に夫婦になった勇介と京子。しかし息子が誕生しても、勇介の心は孤立したまま彷徨い続ける。叔母との情事、生き別れの母との再会と、その母の夫殺しの過去。息子との断絶、爆発する暴力衝動……そんな時、勇介の前に一人の女が現れる。彼は安息の時を得られるのか? 愛を信じられない男と愛を信じる女――人間の業を抉る超問題作、ここに完結!

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大森南朋×三輪ひとみ

<大森南朋>
1972年、東京都出身。市川準演出のCM出演をきっかけに、本格的に俳優活動を開始する。廣木隆一監督『ヴァイブレータ』(2003)でヨコハマ映画祭の助演男優賞を受賞。同作のほか、『赤目四十八瀧心中未遂』(2003)、『アイデン&ティティ』(2003)の演技と合わせ、キネマ旬報日本映画助演男優賞に輝いた。テレビドラマ「ハゲタカ」(2007)で主演を務め、エランドール新人賞を受賞するなど高い評価を得る。

<三輪ひとみ>
1978年12月18日神奈川県生まれ。女優デビュー作となった映画「D坂の殺人事件」(97)では小林少年役を演じる。以降、TVドラマ「ねらわれた学園」などに出演。99年「発狂する唇」に主演したのを皮切りに、「呪怨」(99)や「生霊 IKISUDAMA」(01)といったホラー映画で活躍するほか、特撮ドラマでもバイプレイヤーとして存在感を発揮する。

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