便秘、ニキビ、アトピー、抜け毛、肥満、不妊症、不眠……。こうした体のあらゆる不調を根本から改善するには「菌ケア」が有効です。「菌ケア」とは毎日の食事や生活習慣を見直し、全身の菌バランスを整えること。『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』から、菌ケアの方法とその効果を一部抜粋してご紹介します。
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「腸」から荒れにくい肌を作る
化粧品を変えても薬を使っても治りにくいニキビ。その場合、腸内環境が絡んでいる可能性も大いにあり、体の内側からのアプローチは必要不可欠です。
食生活の乱れなどにより腸内細菌のバランスが崩れると腸管粘膜のバリア機能が損なわれ、腸内から血液中に老廃物や有害物質が漏れ出す「腸漏れ」が発生。腸から漏れ出した老廃物や有害物質は血流に乗って全身を巡り、それが肌までたどり着くと、肌のターンオーバーや皮脂分泌バランスを乱す原因に。
肌の常在菌のバランスも腸内環境と連動しています。腸内環境が乱れることで、皮脂腺・汗腺から分泌される老廃物の内容が変わり、それをエサに肌に悪さをする菌が増えてしまう=肌トラブルを引き起こすわけです。便秘の人にニキビや吹き出物が多い、というのは偶然ではありません。つまり、ニキビに対するインナーケアで、初めに意識すべきは腸内環境を悪化させないことなのです。
インナーケアでもっとも大切な食事術は第3章で説明した通り(本書をお読みください)。でもニキビの場合は次の2つに特に注意しましょう。
・高糖質な食品
白米やうどん・白砂糖・洋菓子・ジュースなど。糖質はエネルギーに変わるのが早く私たちが生きていく上で必要な成分ではありますが、血糖値が上がることで皮脂分泌も高まることがわかっているので、摂りすぎはニキビの原因にも。そして、高糖質な食事はニキビのほか、糖化によりエイジングを早めたり、シミやくすみが出やすくなったりと、肌の大敵なのです。
・乳製品
牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品は、体に良さそうなイメージがあるかもしれません。ただ、過剰に摂るとニキビや肌荒れを招くことも。乳製品にはアンドロゲンという男性ホルモンが含まれています。アンドロゲン過多になると、体内の女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが乱れ、皮脂が過剰に分泌されやすくなるのです。ニキビを治したい場合は、乳製品をできるだけ減らす努力を。
今あるニキビにも働く、乳酸菌の力
ニキビのケアに有用な菌もあります。それが「乳酸菌」です。乳酸菌を口から摂ることで、ニキビが改善したという研究結果は数多く、効果も実証済み。多くの種類の乳酸菌にその効果がみとめられています。
ではその乳酸菌を何から摂るといいのでしょうか?
まずは、発酵食品をおすすめします。納豆・漬物・味噌など、一種類だけではなく、さまざまに取り入れることがポイント。
毎日十分に食事から取り入れるのが難しいという方は、サプリを活用するといいでしょう。できるだけ多くの種類の乳酸菌が配合されたサプリを選んでみてください。
このようにしてバリエーション豊かに乳酸菌を補うことで、ニキビだけではなく、便通改善、睡眠の質の向上など、幅広い効果が期待できます。
イラスト/渡邉 唯(eidos)
菌ケアで美しくなる
菌のプロフェッショナルである下川穣さんの著書『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる』の試し読みを公開いたします。