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禅が教えてくれる美しい時間をつくる「所作」の智慧

2021.10.30 更新 ツイート

知らないと恥をかく12のお箸のタブー。迷い箸、ねぶり箸、渡し箸… 枡野俊明

禅僧、庭園デザイナー、多摩美術大学教授などの肩書を持ち、『ニューズウィーク』日本版では「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた枡野俊明さん。著書『禅が教えてくれる美しい時間をつくる「所作」の智慧』は、そんな枡野さんが説く、ちょっとした心がけが詰まった一冊です。お辞儀、お箸の使い方、掃除、感謝、言葉づかい……実践すればきっと「いいこと」が起こり出す、そんな本書からとっておきの智慧をご紹介します。

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意外と知らない「箸の持ち方」

かつての日本では、どの家庭でも、当たり前のこととして、お箸の使い方をしつけられました。「身」を「美」しくするのが「躾」。お箸の使い方は食事の所作の基本であり、美しく食事をするために、まず、身につけるべきものだということでしょう。

しかし、時代は変わり、現在の食事風景を見ていると、お箸をまともに使えない人がいやでも目につきます。すでに親世代が“個性あふれる”使い方をしているようですから、子供にしつけようがないというのが実情かもしれません。

いまからでも遅くはありません。正しい(だから、美しい)お箸の使い方にトライして欲しい、と思います。みなさんが考えている以上に、食事のときお箸の所作は気になるものなのです。「百年の恋も冷める」という言葉がありますが、いっしょに食事をしていて、相手のお箸の使い方に愕然となり、一気に情熱がしぼんでしまった、という話だって、事実、あるのです。

お箸を正しく使えないと食べ物がうまくつまめません。その結果、口に食べ物を運ぶのではなく、食べ物に口を近づける「迎え口」という食べ方になります。上半身をグッと前に屈めることになって食べる姿勢も崩れます。お箸の使い方しだいで、食事の所作全体が台なしになってしまうのです。

箸置きに置かれている箸は、まず、(右利きの場合)右手で箸の真ん中あたりをつまんで水平に持ち上げます。左手を下から添えて箸を支え、右手を移動して握る位置にセットします。

箸を握る位置は中央よりやや上が綺麗です。上側の箸を人さし指と中指の指先ではさみ、親指を添えます。下側の箸は薬指の上にのせる感じ。人さし指、中指、親指の三本で上側の箸だけを動かし、下側は動かしません

覚えておきたい「箸のタブー」

これがお箸の使い方の基本。ただし、肝心なのはここからです。お箸の所作には「忌み箸」といって、古くからいくつものタブーが定められています。以下、列挙しておきましょう。

移り箸(一度料理につけた箸を別の料理に移す)

迷い箸(箸を持ったまま、あちこちの料理に動かす)

空箸(一度箸をつけた料理を戻す)

刺し箸(料理に箸を刺して食べる)

涙箸(箸先から料理の汁をたらす)

ねぶり箸(箸についたごはん粒などを舐める)

寄せ箸(箸で料理の器を自分のほうに引き寄せる)

渡し箸(お箸を器の上に渡すようにのせる)

指し箸(持った箸で人を指す)

「そ、そんなにあるの? とても覚えきれない!」

そんな印象を持った人が少なくないはず。しかし、大丈夫です。料理をいただくことに感謝する心、器を大切にする心を持てば、ほとんどのタブーは自然に回避できます

たとえば、一つひとつの料理を「ありがたくいただこう」と思えば、いったん箸をつけてから、別の料理に箸を移すこともしなくなりますし、料理の上で箸を迷わすこともしないでしょう。料理を刺したり、汁をたらしたりもしませんね。

器を大切に扱おうと思ったら、箸を器に不必要に接触させることもなくなる。心が所作を整えてくれるのです。

ただし、修行僧の食事作法では、器の上に箸をのせることをおこないます。この点だけは一般の場合と異なります。

日本人は「お箸の国の人」。美しく使ってこそ、日本人の心意気を示せるというものです。ぜひ、自分自身を「しつけ」てください。

関連書籍

枡野俊明『禅が教えてくれる 美しい時間をつくる「所作」の智慧』

シンプルなことほど、奥が深い。所作が導く、美しく幸せな時間。人生を深める69のヒント。23万部のベストセラー『美しい人をつくる「所作」の基本』の“心”を説いた本。

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禅が教えてくれる美しい時間をつくる「所作」の智慧

禅僧、庭園デザイナー、多摩美術大学教授などの肩書を持ち、『ニューズウィーク』日本版では「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた枡野俊明さん。著書『禅が教えてくれる美しい時間をつくる「所作」の智慧』は、そんな枡野さんが説く、ちょっとした心がけが詰まった一冊です。お辞儀、お箸の使い方、掃除、感謝、言葉づかい……実践すればきっと「いいこと」が起こり出す、そんな本書からとっておきの智慧をご紹介します。

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枡野俊明

曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺で修行。禅の庭の創作活動によって、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を、庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年「ニューズウィーク」誌日本版にて、「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。庭園デザイナーとしての主な作品に、カナダ大使館、セルリアンタワー東急ホテル日本庭園など。著書に『禅が教えてくれる美しい時間をつくる「所作」の智慧』『禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本』『日本人はなぜ美しいのか』などがある。

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