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『野武士のグルメ』を味わい尽くす

2014.03.21 公開 ポスト

大根仁×久住昌之対談
第2回 食への嗅覚はいかに身につくか?大根仁/久住昌之

いまどきのラーメン屋では自分を殺す

大根 主張とか個性が強すぎて辟易するんだけど、うまいからつい行ってしまう店とどう付き合っていけばいいのか、ホント困るんですよ。行きたくねぇなぁとか思いながら行ってしまう、あの感覚。ラーメン屋とかでありがちですよね。
 俺、基本的に化学調味料が大好きなんで、いまどきのこだわりが強いようなラーメン屋とか、そんなに好きじゃない。それでも、たまに食いたくなるこだわり系ラーメン屋が何軒かあるんです。いわゆる、店員はみんな黒Tシャツでアタマにタオル巻いてる系のね(笑)。

久住 店の前で店主が腕組みした写真を飾っている、みたいな(笑)。店の前に己の威張ったような写真貼り出して、よく恥ずかしくないな!

大根 そういう店に行くときは、自分を殺して入るんです。ただひたすら、自分の目の前にあるラーメンだけに向き合って、他は一切視界に入れない勢いで。

久住 僕は、それだけで一本書けますね。

大根 その手の店で食べるときの緊張感ってすげぇあるじゃないですか。

久住 妙に声がデカかったりしてね。「っらっしゃい!!!!」みたいな。威嚇しているのか。
 以前、とある横浜家系ラーメンの店に入ったとき、いろいろと好みが選べたんですよ。麺が堅めか柔らかめか、油は多めか少なめか、スープの味が濃いめか薄めか、とか。ただ、その店に入るのは初めてだったし、基準がわからなかったから、好みを聞いてくる女性の従業員に「えーと、全部普通でいいです」と言った。そしたら、彼女は厨房に向かって大声で「ラーメン一丁! お好みは、ないそうでーす!」なんて叫んだんです。いやいやいや、好みはあるよ!って(笑)

大根 失礼な店ですねぇ(笑)。

久住 その時は腹が立ったけど、あとになると、こうして笑ってもらえるんだ。
 
  

(構成:漆原直行 撮影:菊岡俊子)

(第3回に続く)

 

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『野武士のグルメ』を味わい尽くす

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大根仁

1968年生まれ。ADとしてキャリアをスタートさせ、テレビ演出家・映像ディレクターとして、数々の傑作ドラマ、ミュージックビデオを演出。『劇団演技者。』『週刊真木よう子』『湯けむりスナイパー』など深夜ドラマでその才能をいかんなく発揮し、話題作を連発。業界内外から高い評価を受ける。テレビドラマや舞台の演出を手掛ける傍ら、ラジオパーソナリティ、コラム執筆、イベント主催など幅広く活躍する先鋭的なクリエイター。脚本・演出を手掛けたドラマ『モテキ』(テレビ東京)が2010年7月より放送開始し大ブレイク。待望の映画監督デビューを映画『モテキ』(東宝)にて飾り、映画界に参戦する。

久住昌之

1958年東京都生まれ。マンガ家、ミュージシャン。1981年、和泉晴紀とのコンビ「泉昌之」の『夜行』でマンガ家デビュー。実弟・久住卓也とのユニットQ.B.B.作の『中学生日記』で第45回文藝春秋漫画賞を受賞。谷口ジローとの共著『孤独のグルメ』、水沢悦子との共著『花のズボラ飯』など、マンガ原作者として次々と話題作を発表する一方、エッセイストとしても活躍する。現在、幻冬舎plusにて『漫画版 野武士のグルメ 3rd season』(画:土山しげる)を大好評連載中。

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