1. Home
  2. 生き方
  3. 80歳の壁を超えた人たち
  4. 「ボケる暇なく頭を回して生きる」―月50...

80歳の壁を超えた人たち

2026.02.22 公開 ポスト

「ボケる暇なく頭を回して生きる」―月500回取引する89歳デイトレーダーの行動哲学和田秀樹

体力も気力も大きく変わる「80歳の壁」。そんな壁を軽やかに超え、現役で活躍し続ける人たちがいます。高齢者医療のカリスマ・和田秀樹が“80歳超えのレジェンド”たちと対談した内容を収録した『80歳の壁を超えた人たち』は、老いへの不安を希望に変える一冊です。

食事、運動、医療との距離感、意欲の保ち方まで、“老けない人”から幸せに長生きする秘訣を引き出した本書から、一部をご紹介します。

*   *   *

藤本茂(ふじもと・しげる)

1936年兵庫県生まれ、89歳(2026年1月時点)。19歳から投資を始め、現在もデイトレーダーとして活躍。投資歴70年目に突入して、築き上げた資産は24億円に上る。勝つための投資哲学を公開した初の著書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)は12万部のベストセラーとなった。

撮影:鞍留清隆

やりたいと思ったら動く。今日が一番元気なんだから

和田 藤本さんは、どれくらいの取引をされているのですか。1ヵ月に6億円くらいの取引があるという話は聞いたのですが、回数で言うと?

藤本 最近は500~600回くらいかな。1ヵ月で。

和田 そんなに?

藤本 そう。デイトレードは究極の〝脳トレ〟。ボケてる暇なんてありませんわ(笑)。

和田 パソコンも自在に使うんですか?

藤本 いやいや。人差し指でキーボードをゆっくり押す程度やね(笑)。株の取引だけはできる。だけどそれ以外でパソコンは使いません。

和田 パソコンを使って株をやり始めたのはいつですか?

藤本 今から22年前(2002年)だから、私は66歳でしたね。最初は証券会社の人から「うちの会社でもネット取引始めるからやってみませんか?」と連絡もらってね。パソコンもネット取引もまったくわからんかったけど、話聞いたら便利だし、手数料も安い。「これはやらん手はない」と思い、すぐにパソコンを買いに行きましたわ(笑)。

和田 決断と行動がはやい(笑)。

藤本 これしたいと思ったら、すぐに行動するのが〝藤本ちゃん流〟です(笑)。

和田 やりたいと思っても、高齢の方には何らかの理由をつけて行動を抑えてしまう人がいます。でも確実に言えるのは、「高齢になったら今日が一番元気」ということです。「健康でいられなくなるリスク」は年々高まっていきますからね。だから「やりたい」と思ったら、すぐ行動を起こしたほうがいいと思うんですよ。

藤本 年寄りは意地を張り過ぎるからね。せやけど意地を張ったところで、人生は思い通りにいかない。株もそうだけど。うまくいかないのを楽しむくらいの余裕が重要なんやないかな。

和田 健康で幸せな人生を送るには、藤本さんのような柔軟な考えが大事だと思います。毎日の結果でストレスが溜まることはないんですか?

藤本 楽しいからね。「今日買うたら明日なんぼになる」とか「今日で一旦売っといたら明日なんぼになる」と思うと、そりゃあ楽しいでしょ。しかも予想が当たると利益が出るのやから。もちろん負ける時もあるけどね(笑)。

撮影:鞍留清隆

全部勝てるわけがない。欲をかくとうまくいかない

和田 負ける時も含めて面白みなんですね。

藤本 そりゃあ全部勝てたら一番やろ(笑)。せやけど全部勝つことはない。神様じゃないからね。100回やって80回か82回くらい勝てば大成功。100回やって100回勝つことは神様でもできない。

和田 80回でも相当、高い勝率ですけどね(笑)。

藤本 株の言葉で「頭と尻尾はくれてやれ」と言うんやけど。投資家は皆「底値で買って天井値で売りたい」と思ってる。けど「ここが最高値や」と思った時はまだ伸び、「最安値や」と思うた時にもまだ下がったりする。天井や底を狙おうと欲かくと、まずい結果になるんやね。魚だって頭と尻尾は食えんやろ。

和田 これまた名言ですね(笑)。

藤本 私はとことん真ん中ですわ。1000円動いても頭と尻尾は200~300円で真ん中の700円を取れれば十分に成功と思うとる。欲をかくとなかなか売れへんし、買われへん。結果、うまくいかん。

和田 そう思えるのも経験の差でしょうかね?

藤本 70年も投資やってるから気持ちに余裕があるやろうね(笑)。株価を動かすのは材料じゃないねん。株で本当に重要なのは、材料を受けて人々がどう反応するか。その心理を読んで反応する。「人が食いついて値が高くなる」と思ったら、人より早く買わなあかん。

撮影:鞍留清隆

目の前のことを常に疑う。自分の頭で考えると騙されない

和田 読めないことを考えるのは、脳にもいいんですよ。認知症予防にもなります。もちろん脳をフルに使っても認知症になる人はいるんですけど、なるのを遅らせることはできるんです。そういえば、藤本さんが書かれた本『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え』を読みましたよ。人生の教えと株の教えが書かれていて、いい本ですね。

藤本 本を書こうなんて思ったこともなかったのに。出版社の人に「87歳でデイトレードしてる人なんていないし、面白い経験をしてるから、みんなに伝えてほしい」と頼まれて仕方なくね。案外売れたみたいやな。12万部を超えたって言うてました。

和田 それはすごい。ベストセラーですね。

藤本 いやいや。和田先生は1億部くらい売ってるんかな。

和田 (笑)。そんなに売れてたらもう仕事はしてません。

藤本 (笑)。まあでも、私の本を見てシニア層がちょっと株に興味を持ってくれればうれしいですね。日本の金融資産は2000兆円くらいあるんです。そのお金がタンス貯金や利息も付かない銀行で眠ってる。もったいないと思いますよ。その何割かでも株式にしてれば、日本の経済もようなるんです。

和田 お金も増えるし頭にもいい。ボケ防止になる。最高ですね。

藤本 人間、損したくないと思ったら頭使いますからね。ボケてられへんわ(笑)。

和田 本の中に「常にこれは本当かな、と疑える人が資産を伸ばしていく」という言葉があって、印象に残りました。

藤本 私は証券会社の人間を信じていないからね。彼らは自分の利益になる商品ばかり売りつけてくる。知識も私より全然浅い(笑)。

和田 自分の頭で考えることが大事、ということですね?

藤本 そう。どれだけ株の勉強をしてもすべてを見通せるわけやない。知らない情報なんて山ほどあるわけだし。今日、災害や戦争が起きたら前提は一発で変わってしまう。考え方を変えていかないとあかんのです。誰かの言葉を鵜吞みにするんやなく、自分の頭で考えていくしかない。

和田 仰る通りですね。

藤本 例えば日本人の投資家はウォーレン・バフェットが大好きですよね。でも私はバフェットの言うことは鵜吞みにしません。彼が持株会社の経営者だからです。バフェットが銘柄について語るのは自分の利益になるからですよ。人気のある自分が発言すれば株価が上がるとわかっているんです。上がったところで売れば利益が出る。それがバフェットの狙いです。バフェットに限った話ではありません。だからこそ「その裏に何があるのか」を考える必要があるんです。

和田 本当にそう思います。ニュースで見たことを「全部、本当だ」と信じてしまう人が多いですよね。コロナの時も専門家が脅すから、高齢者は「コロナは怖い」と言って外に出なくなった。それで歩けなくなった人がいっぱいいるんですよ。

藤本 本当はチャンスがあるわけよ。コロナに対して儲けるチャンスが。

和田 (笑)。さすが藤本さん。コロナの危機でも、それを儲けのチャンスと考える。

藤本 最近はコロナ禍で減っていた外国人観光客が増えてきたでしょ。するとインバウンドの関連株が期待できる。考えれば考えるほど考えることが増えていくんですわ。

*   *   *

80歳の壁を超えて、生き生きと人生を満喫する秘訣を知りたい方は、幻冬舎新書『80歳の壁を超えた人たち』をお読みください。

関連書籍

和田秀樹『80歳の壁を超えた人たち』

80歳、90歳を過ぎても驚くほど若く、元気に活躍し続けている人がいる。 本書では、高齢者医療のカリスマ・和田秀樹が、 養老孟司氏、草野仁氏、宮内義彦氏、市川寿猿氏ら “80歳を超えてなお現役のレジェンド”から、いつまでも老けない極意を引き出す。 「食べるのは肉? 魚?」「医者にはかかる? かからない?」「運動はやっている?」「意欲を持ち続ける秘訣は?」――そんな疑問に答える、実体験から生まれた“幸齢【こうれい】習慣”が満載。 不安いっぱいの老後が、幸せに満ちた黄金期へと変わります!

和田秀樹『80歳の壁』

人生100年時代だが、健康寿命の平均は男性72歳、女性75歳。80歳を目前に寝たきりや要介護になる人は多い。「80歳の壁」は高く厚いが、壁を超える最強の方法がある。それは、嫌なことを我慢せず、好きなことだけすること。「食べたいものを食べる」「血圧・血糖値は下げなくていい」「ガンは切らない」「おむつを味方にする」「ボケることは怖くない」等々、思わず膝を打つヒントが満載。70代とはまるで違って、一つ一つの選択が命に直結する80歳からの人生。ラクして壁を超えて寿命を伸ばす「正解」を教えます!

和田秀樹『女80歳の壁』

「夫の世話・介護からくるストレスや負荷」「骨粗しょう症による骨折で歩けなくなる」「家族を亡くしたさみしさでうつになる」など、「女80歳の壁」はぶ厚い障害だ。 このような壁を、80歳以上でいきいきしている「幸齢女子」はどう乗り超えているのか? その最強の方法は、とにかく肉を食べること、好きなことだけをして生きること。 「夫と子供は無視していい」「女性・男性ホルモンの両方を補充する」「カツラもしわ取りもOK」等々、壁を乗り超え、高齢期を楽しみ尽くすための生活習慣を詳細に解説。 人生を最後まで充実させたい女性必読の一冊。

{ この記事をシェアする }

80歳の壁を超えた人たち

80歳、90歳を過ぎても驚くほど若く、元気に活躍し続けている人がいる。本書では、高齢者医療のカリスマ・和田秀樹が、養老孟司氏、草野仁氏、宮内義彦氏、市川寿猿氏ら〝80歳を超えてなお現役のレジェンド〟から、いつまでも老けない極意を引き出す。「食べるのは肉? 魚?」「医者にはかかる? かからない?」「運動はやっている?」「意欲を持ち続ける秘訣は?」――そんな疑問に答える、実体験から生まれた“幸齢【こうれい】習慣”が満載。不安いっぱいの老後が、幸せに満ちた黄金期へと変わります!

バックナンバー

和田秀樹

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『70歳の正解』『マスクを外す日のために』『バカとは何か』『感情バカ』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP