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誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい

2020.12.20 更新 ツイート

新型コロナより恐ろしい「誤嚥性肺炎」……知っておくべき3つの原因とは 西山耕一郎

「重症化すると死ぬより苦しい」「新型コロナより恐ろしい」と言われる誤嚥性肺炎。なんと毎年、4万人もの命が奪われているそうです。『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』は、そんな誤嚥性肺炎の原因から予防法まで、すべてを網羅した貴重な一冊。まだ自分は若いから……と思った人は要注意! のどの老化は40代から始まります。ぜひ本書を片手に「のど筋トレ」を試してみてください。

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誤嚥とは食べ物が気管に入ること

ここからは、嚥下のメカニズムについてさらに詳しくお話ししていきたいと思います。

まずは「のど」の構造についてです。
 

のどは、咽頭から喉頭にかけた部分のことを指します。咽頭から上は鼻腔につながり、咽頭から下は上下に動く「のど仏」を分岐点に、食道と気管に分かれています

通常は食道の入り口は閉じていて、空気が気管へと送られているのですが、食事をするときには、喉頭蓋という防波堤がのど仏が上がることにより後方に倒れて、気管に蓋をして声帯が閉じ、食道の入り口が開いて食べ物や飲み物が食道へと送られます。

のどの機能が落ちてくると、本来は食道に送られる飲食物が気管に入ってしまうことがあります。これが誤嚥です。

また、若い年代でも、急いで食べているときなどに、飲食物が気管に入りかけて、ムセたりセキ込んだりすることがあります。飲食物が気管に侵入しても、声帯より上にとどまっている場合は、気管に入りかけただけで誤嚥ではありません。「喉頭流入(喉頭侵入)」と呼ばれます。

この場合、ムセやセキで、飲食物は喉頭より上に戻り食道へと送られ、大きなトラブルになることはありません。ただ、ムセたりセキ込んだりする回数が多い場合は、のどの機能が低下している兆候なので、いずれ誤嚥を起こすようになります。

知っておきたい3つの誤嚥

「誤嚥」とは、気管方向に侵入した飲食物が声帯よりも奥に入ってしまうことです。高齢者につきものと思われがちですが、若い人でも誤嚥することはあります。

ほとんどはムセたりセキ込んだりすることで、気管に侵入することなく押し戻されますが、なかにはうっかり気管に入ってしまうこともあるのです。

誤嚥は何を誤嚥するかによって次の3種類に分けられます。

(1)食物誤嚥

飲食物を誤嚥することです。食形態の工夫(やわらかく調理する・とろみをつけるなど)、食べる姿勢の改善、リハビリテーションなどで予防・改善できます。

(2)だ液誤嚥

寝ている間に、無意識のうちにだ液を誤嚥することです。体力が低下すると日中に誤嚥することもあります。免疫力が維持されていれば、だ液を少量、誤嚥したくらいでは肺炎を発症することはありません。体力や嚥下機能が低下して誤嚥しやすくなったところに、肺の機能が弱り免疫力が低下すると肺炎を起こします。

肺炎予防には、歯磨き、歯周病の治療など口腔ケアが、ある程度は有効ですが限界があります。

(3)胃食道逆流誤嚥

横になったときに、胃の内容物が逆流して誤嚥することです。診断が難しく、食べたあとに胸やけがする、胃の上がつかえるように感じる、胃の上のほうがチクチクする、のどや口に酸っぱいものが上がってくる、といった症状があるときには逆流性食道炎が疑われます。食後すぐは横にならない、睡眠時の姿勢を工夫することで予防できます。

食物、だ液、胃の内容物などが誤って気管に落ちて肺に入ると、やがては誤嚥性肺炎の引き金になります。

関連書籍

西山耕一郎『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』

毎年4万人の命を奪う誤嚥性肺炎。原因は40代から始まる、のどの衰え。「食事中や夜間にセキ込む」「水やだ液でムセる」「昔より声が小さくなった」「錠剤が飲み込みにくい」といった不調は、「飲み込む力(嚥下機能)」の低下を示す危険信号だ。のどの衰えを放置すると、食べたものやだ液が食道ではなく気管に入り、誤嚥性肺炎を発症する羽目に。寝たきりで亡くなる最悪のケースを防ぐため、本書では基本的なのどの機能から飲み込む力を鍛える運動、誤嚥しにくい食べ物、生活習慣まで解説する。「のど」力を高めるためのすべてを網羅。

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誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい

「重症化すると死ぬより苦しい」「新型コロナより恐ろしい」と言われる誤嚥性肺炎。なんと毎年、4万人もの命が奪われているそうです。『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』は、そんな誤嚥性肺炎の原因から予防法まで、すべてを網羅した貴重な一冊。まだ自分は若いから……と思った人は要注意! のどの老化は40代から始まります。ぜひ本書を片手に「のど筋トレ」を試してみてください。

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西山耕一郎

1957年、福島県生まれ。北里大学医学部卒業。西山耳鼻咽喉科医院理事長。東海大学医学部客員教授、藤田医科大学客員教授。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師として北里大学病院や横須賀市立市民病院、横浜赤十字病院(現・横浜市立みなと赤十字病院)、国立横浜病院(現・国立病院機構横浜医療センター)などで研鑽を積む。30年間で約1万人の嚥下障害患者の診療を行う。現在は、複数の施設で嚥下外来診療と手術を行うかたわら、大学医学部や看護学校、言語聴覚士学校で教鞭をとり、学会発表や講演会、医師向けのセミナーも行う。

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