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稼ぐ人は思い込みを捨てる

2020.10.22 更新 ツイート

思い込みを捨てるためのトークライブを石戸諭さんと11月5日開催。配信あり 坂口孝則

Photo by Jakob Owens on Unsplash

会社員時代に二つの思い込みを捨てて、社員兼起業家になった

会社員だった冬のこと。はじめて真面目に就業規則を読んでみた。そこには、副業は禁止であることと、二重被雇用は禁止である旨が書いてあった。

前者の副業とは、本業に加えて稼ぐ生業をやらないこと。いまではANAのような大企業すらも止むに止まれず社員の副業を拡大しようとしている。しかし、私の思い出は15年も前のことだ。副業の解禁は一般的ではなかった。

そして後者は、社会保険料等の問題があり、社員が複数の会社から雇われることはよろしくなかった。これは現在でもそうで、特定の会社に勤めながら、違う会社に面接を受けに行くときには転職を狙っているのであり、なかなか兼職を求める人はいない。

そこで、私は大きな発見をした。副業はダメだが、本業を二つにしてはいけない、とは書かれていなかった。複数の会社から雇用されるのはいけないが、自分が誰かを雇用してはいけない、とは書かれていなかったのだ。

私には当時、私と同じような大企業に勤める知人がいた。そこで、二人でためしに会社を設立してみた。なにもかもがはじめての経験で、大変に勉強になった。経理、そして、営業から細かな事務にいたるまで。机上では理解していたことも、現実とは違った。

会社員と会社経営を並行させていたので、通常の会社員がしないような、会社の業務全般にかかわることになった。会社員としての仕事をしているときに、「あなた、若い人間にしては、珍しくいろいろと会社について学んでいるな」と感嘆とも、疑いとも、褒め言葉とも思えるコメントをいただくことがあった。「いえ、ありがとうございます」と答えることしかできなかったが、単に実践していたのだった。

私はここで、二つの思い込みを捨てることができた。一つ目は、会社員と起業の両立はできないといった思い込み。会社設立にはややこしい手続きが必要だが、その気になれば誰だってできる。問題は、誰もがその気にならないことだ。いまではネットで調べたら手順はいくらでも出てくる。会社を設立したとき「あら、会社なんて設立できちゃうんだね」と会話したことを覚えている。

そして二つ目は、起業というものが崇高であるという思い込みだ。すごい社会変革を目指して起業する人もいるだろうけれど、それは珍しい例なのではないだろうか。趣味のようにやっていたものが仕事になったり、あるいは逆にとりあえず何かをやってみたところたまたま上手くいったりするのが通常のような気がする。

たとえば私たちは、会社そのものが楽しかったので、販売するものはなんでもよかった。当時の流行だった社内SNSの構築。あるいは、コンサルティングレポートのようなものを書いたり、特定市場を分析したり。手段と目的が逆転する点こそが人生に愉悦をもたらすかもしれない。

たぶん、みなさんも、仕事はお金を稼ぐ手段だったはずなのに、仕事で上手くいくこと自体が面白くならないだろうか。それは、仕事が遊びに転換しているからだ。仕事は金を稼ぐ手段、というのも思い込みの一つかもしれない

これまで以上稼ぐために決めること。その手段

さきほどの話は15年前だが、さらに遡ること数年前。インターネットでレポートを販売するのが流行した。現在でいうところの、情報商材のはしりだった。私は興味本位でいくつか買ってみたが、質が低いものばかりだった。現在では考えられないが、検索連動型広告で簡単に上位表示させることができたのだ。いまではすぐさま却下されるような表現、つまり誇大表現などが無法状態で転がっていた。

そこで、私は自分の専門領域をまとめてみた。会社で知り得る情報を公開してはご法度だから、自分で摂取した業界の先端情報などをまとめることにした。たしかPDFを数十パージで2000円くらいだったと思う。

販売ページに載せて、いくつかのメーリングリストに流してみた。そして、売上実績を更新するたびに、見知らぬ誰かが買ってくれた。私はまったく信じられなかった。このような無名で、誰かもわからない人間のレポートを買う人がいるのだ!

さらに、私が販売したのはPDF。いまではオンラインサロンや動画など、多くの無形物が消費対象として考えられている。しかし、当時はPDFを販売して、私の銀行口座にお金が振り込まれた際に、いったい私はなんの労働をしているのだろうかと考え込んでしまったほどだ。

私が思うに、日本とか日本人は、達成できる目標しか宣言しないし、やろうとしない。高い目標を掲げるよりは、期末に達成しているであろう常識的な目標を掲げる。しかし、ちょっと話は違うかもしれないが、たとえばEUは自動車にCO2廃止を将来目標として掲げるなど、自国メーカーでさえ現時点では不可能な目標を掲げる。

日本人の話に戻す。たとえば、これまで以上に稼ぐ、と決めるならば、これまでと異なった手段を取らねばならない。しかも、その手段を保証してくれるものはなにもない。とにかく、やってみるしかない。思い込みを廃し、とにかく手を動かして、トライアンドエラーを繰り返すしかない。

思い込みを捨てるためのトークライブで石戸さんに聞きたいこと

モノを販売する場合も、サービスを販売する場合も、「私よりもすごい人がいるから、副業や起業が難しい」というひとがいる。しかし、比喩でいえば、大学の先生もいるし、高校、中学、幼稚園の先生もいる。対象となる顧客はそれぞれ違う。

私は書籍を36冊ほど上梓している。その過程で、非常に面白いことが起きた。5~10冊目を出しているあいだ、ある方からは「非常に面白くなった」といわれ、違うある人からは「最近は読みにくくなった」といわれた。

私が書いた初期の著作を読んでいると、非常にまどろっこしい。もっといえば、説明が丁寧すぎる。読者がわかっていることを述べ過ぎなのだ。しかし、ある方からは「それがいい」という評価になったし「もっと情報を盛り込め」という評価にもなった。私は文章を重ねるうちに、「これは読者に説明しなくても問題ないだろう」と考えるようになり、それが「簡潔で面白い」という評価をもらういっぽうで、「もっと易しいほうがいい」といったコメントももらうようになった。

つまり、自分自身のレベルに応じて、対象となる顧客層も変化していく。私は、もはや20年前に書いていた文章は書けないだろう。だから、副業や独立のときには、上を見るのではなく、横を見るのがいい。

私は自分自身を「こういう書き手だ」と思い込まないようにしている。自分自身も変化するものだし、確固たる信念もさほどなく、ふらふらと軸を定めないほうが変化する時代にも適応できるのではないだろうか。

私は、どこかの自己啓発本のような、精神論を語りたくはない。成功するかもしれないし、失敗するかもしれない。だから精神論ではなく、思い込みを捨てて、実行してみて事実を見ればいい。

私は、その名も『稼ぐ人は思い込みを捨てる。』という書籍を出す運びになった。そして、11月5日には石戸諭さんとトークライブの機会をいただいた。ルポライター、ノンフィクション作家とは、仕事そのものが思い込みを廃しながら、そして真実に肉薄していく仕事だ。世の中にはレッテル貼りにあふれているので、右とか左とか、どちらかで理解したがる。しかし、右も左も、自分に翼がついていると信じるくらいの共通性しかなく、実際の人間はもっと複雑なはずだ。

どちらにも寄り添わない立場は、勇気と、そして事実の立脚が要る。

どうやったら、特定のイデオロギーや思い込みに自分を支配されず世界を渡っていけるのか。机上の論理としてではなく、生活の実益につながる作法として、ぜひ当日はいろいろと話しを伺いたい。

*   *   *

【坂口孝則×石戸諭トークライブ】
「思い込みの捨て方・事実との向き合い方、そして、稼ぎ方」
日時:11月5日19時開場 19時半開演
会場:新宿ロフトプラスワン[配信チケットあり]

詳細は、新宿ロフトプラスワンのページをご覧ください。

たくさんの方のご来場、ご視聴をお待ちしています!

関連書籍

坂口孝則『稼ぐ人は思い込みを捨てる。 みんなの常識から抜け出して日本の真実を見るスキル』

「日本人はリスクが嫌い」「日本人の生産性は低い」「日本人に起業家精神はない」などという、日本をめぐる言説が世にはびこるが果たして本当なのだろうか?本書は、その通説を次々と覆す。"コロナや地震、水害と予想もしなかったことが次々と起きる今、これまでの常識を当たり前と思う態度は、最大のリスクでしかない。自分が見ている現実にこだわらないこと。目の前の状況は世界の一部でしかないこと。その自覚が、危機に強い、個人と組織をつくり、自分の仕事と稼ぐ可能性を広げる。テレビ・ラジオでも人気のカリスマ経営コンサルタントが常にそのことを実践してきた。本書が伝えるのは、日本ダメ論にも、日本サイコー論にも惑わされることなく、日本の事実を見る態度と方法。その先に、仕事のお金の自由が待っている。

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稼ぐ人は思い込みを捨てる

10月8日発売の『稼ぐ人は思い込みを捨てる。』にまつわる記事を公開します。

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坂口孝則

調達・購買コンサルタント/未来調達研究所株式会社取締役/講演家。
2001年、大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従業。
製造業を中心としたコンサルティングを行う。
著書に『牛丼一杯の儲けは9円』『営業と詐欺のあいだ』『1円家電のカラクリ 0円iPhoneの正体』『仕事の速い人は150字で資料を作り3分でプレゼンする。』(小社刊)などがある。

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