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日本・破綻寸前

2020.11.16 更新 ツイート

新型コロナ感染拡大で「最悪のハイパーインフレ」が日本を襲う? 藤巻健史

新型コロナによって大打撃を受けている日本経済。「この国の財政が破綻する日は、いつ来てもおかしくない」と警鐘を鳴らすのは、経済評論家で元参議院議員の藤巻健史さんだ。著書『日本・破綻寸前』は、いかに日本経済が瀬戸際まで来ているかを豊富なデータをもとに解説。さらに、ハイパーインフレが到来したときの「自分のお金の守り方」まで具体的に伝授してくれる。そんな本書から、ぜひ押さえておきたいポイントをご紹介しよう。

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「Xデー」はそう遠くない?

私が今まで想定していたXデー勃発のメインシナリオは、消費者物価指数(CPI)2%の達成、そこで「資金繰り倒産を回避するために、異次元緩和の継続を主張する」政府と、「公約達成だからやめると主張する」日銀との対立でした。すなわち景気がよくなることで、Xデーが発生するというものです。

(写真:iStock.com/spyarm)

しかし、ここに来て、サブと考えていた、景気が悪くなることによってXデーが発生するシナリオが、メインになりそうな気配が出てきました。

景気に関していうと、当初中国での新型コロナウイルス感染拡大が世間の注目を浴び始めた頃は、「中国経済の低迷に日本経済が引きずられる」程度の懸念でした。中国は日本の輸出相手国としても輸入相手国としても1位なので、その影響は大きいと思ったのです。中国から来る旅行者等の激減も気がかりでした。

ところが、このウイルスの国内への侵入を水際で食い止められなかったことで、日本経済発の不況要因が出始めました。あらゆる行事が中止に追い込まれ、遊園地・博物館等が休みになり、不要不急の外出や生活必需品以外の買い物も急減しました

観光、飲食、デパート、レストラン等の業界が直接的にダメージを被るのはもちろんですが、街から人が消えれば、消費はさらに冷え込みます。日経新聞が2月25日の一面トップ記事に「経済活動 非常時モード 消費停滞 懸念強まる」とのタイトルをつけたほどでした。

この段階に至っても、すでに財政・金融政策を最大限発揮してしまっている政府と日銀には、打つ手がほとんど残っていません

確かに、大型補正予算の作成も考えられますが、財政赤字が極大化している日本では、それをきっかけに財政破綻の危機が強く意識され、国債暴落のリスクが高まります

「財政均衡」を憲法で定め、いざというときに、一時的にでも大型の財政出動ができるドイツとは大違いなのです。

「鉄則」を破った日銀の運命は

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、世界的な株価の大幅下落が始まりました。株価の下落は、経済全体に非常に大きな悪影響を及ぼします。低迷した経済を、さらに下押ししてしまうからです。いわゆる「逆資産効果」です。

(写真:iStock.com/itasun)

さらに日本の場合、今日(2月28日)現在、日米金利差の急速な縮小によって進んでいる円高が致命的です。円高は、株価のさらなる下押し要因です。

株価が下がると、日銀保有の株に評価損が発生するという大問題が生じます。株価下落で、前述の「逆資産効果」により消費者心理が冷え込んでしまうので、「経済の先行き」を心配するのは当然です。

しかし、株価の下落で「中央銀行の心配」をしなくてはならない、などとは聞いたことがありませんし、あってはならないことです。それが日本では起こりそうなのです。

1年前の2019年3月、日銀は参議院財政金融委員会で「(2018年9月末の数値で計算すると)日経平均株価が1万8000円程度を割り込むと、日銀の保有ETFの時価が簿価を下まわる」と発言しました。

それ以降も、さらに高値で株を買い増していますから、現在の評価損の発生地点はもう少し高いと思われます。

ほとんどの国の中央銀行は、金融政策目的で株など保有していません。しかし、日銀だけは別なのです。それも、2020年末には日本で最大の株主になると言われるほどに、大量に保有しているのです。

私が「日銀倒産の可能性」を述べると、「そんなことありえない」との反発を数多くいただきますが、それは中央銀行を国民が絶対的に信頼、信用しているからです。その信用を保持するために、世界の中央銀行は値動きの激しい株、不動産、長期国債などに手を出さないのです。それが大鉄則だったのに、日銀は、財政破綻を先送りするためにその鉄則を大破りしたのです。

何があっても損をしないはずの中央銀行の資産がジェットコースターのように上下し、債務超過になる可能性が出てきたのです。

そんな国の通貨は、世界の人々から見向きもされなくなる可能性大です。日米金利差の縮小により円高が進んでいますが、日銀が信用を失えば、一転、日銀の発行する通貨・円の大暴落が起こるでしょう。

つまり、日本の金融システムの元締めで、何があっても揺らいではいけないはずの中央銀行の財務内容に疑義が生じてしまう。そんな中央銀行の発行する円になど、世界の人々は見向きもしなくなるということです。

円というお金の価値がなくなるということは、すなわちハイパーインフレにつながるということなのです。

関連書籍

藤巻健史『日本・破綻寸前 自分のお金はこうして守れ!』

日本経済は年々悪くなっているのに、日銀はお金のばらまきをやめず、社会保障費なども増加する一方で、日本財政がよくなる兆しはまったくない。「日本の財政が破綻する日(=Xデー)はいつ起きてもおかしくない」と著者。Xデーが起きたとき、政府は守ってくれないし、自分のお金は自分で守るしかない。本書では著者の資産運用法を公開し、読者にも、ハイパーインフレが起きても大丈夫な手法を具体的に伝授。

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日本・破綻寸前

新型コロナによって大打撃を受けている日本経済。「この国の財政が破綻する日は、いつ来てもおかしくない」と警鐘を鳴らすのは、経済評論家で元参議院議員の藤巻健史さんだ。著書『日本・破綻寸前』は、いかに日本経済が瀬戸際まで来ているかを豊富なデータをもとに解説。さらに、ハイパーインフレが到来したときの「自分のお金の守り方」まで具体的に伝授してくれる。そんな本書から、ぜひ押さえておきたいポイントをご紹介しよう。

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藤巻健史

1950年、東京生まれ。一橋大学商学部を卒業後、三井信託銀行に入行。1980年、社費留学にて米国ノースウエスタン大学大学院ケロッグ・スクールでMBAを取得。帰国後、三井信託銀行ロンドン支店勤務を経て、1985年に米銀のモルガン銀行に転職。同行で資金為替部長、東京支店長などを歴任し、東京市場屈指のディーラーとして世界に名を轟かせ、JPモルガンの会長から「伝説のディーラー」と称された。2000年、モルガン銀行を退社後、世界的投資家ジョージ・ソロス氏のアドバイザーを務めたほか、一橋大学経済学部で13年間、早稲田大学大学院商学研究科で6年間、半年間の講座を受け持つ。日本金融学会所属。現在は、日本維新の会所属の参議院議員(全国比例区)。東洋学園大学理事。株式会社フジマキ・ジャパン代表取締役。

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