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宇宙が教える人生の方程式

2020.08.13 更新 ツイート

ピアノの鍵盤、星座の数、八十八夜、八十八ヵ所…「88」は神秘の数字 佐治晴夫

悩みごとがあるときは、空を見上げてみよう。宇宙的に考えれば、おのずと道は開ける! 理論物理学者で長年、宇宙の研究に携わってきた佐治晴夫先生の『宇宙が教える人生の方程式』は、人、自然、そして宇宙との関わりを中心に、人間の一生について考察したエッセイ集。宇宙の壮大さに比べれば、自分の抱えている悩みなんてちっぽけなもの……。読後、きっとそう思えるようになるはずです。そんな本書から、一部をご紹介しましょう。

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ピアノの鍵盤はなぜ「88」か

みなさんは、ピアノの鍵盤の数を数えてみたことがありますか。88です。オクターブでいえば、7オクターブとちょっとです。それにしてもどうして88なのでしょう。

(写真:iStock.com/fermate)

世界で初めてピアノが作られたのは1720年頃、作者はイタリアのクリストフォリです。その時の鍵盤数は54、モーツァルトの時代は61前後、ベートーベンの時代になると78まで増えていきます。これは、弦の張力を支える鋳物の鉄骨技術が発達してきたことと、ベートーベンが広い音域を使った作品をたくさん書いたからでしょう。

さて、音の高さは弦や空気などが1秒間に何回振動するかで決まり、その回数を振動数といって、単位はHz(ヘルツ)です。オーケストラで音合わせをする時に使うのは通常、440ヘルツで、ピアノの鍵盤でいえば、真ん中辺りのハ長調の「ラ」の音になります。不思議なことですが、この音は統計的に見ると、赤ちゃんが出生時に発する産声の高さに近いそうです。

ところで、人間の耳が音の高低を聞き分けられる振動数の下限は、25ヘルツ前後で、上限は4200ヘルツくらいです。調律法にもよりますが、現代のピアノの最低音は27・5ヘルツ、最高音は4186ヘルツです。

この音域は、オーケストラで最低音を出せるコントラファゴットや、最高音を担当するピッコロの音を十分にカバーしています。フランスの作曲家、M・ラベルのピアノ曲「水の戯れ」にはその最高音と最低音の両方が使われています。

まだある「88」の不思議

一方、低音部側が9鍵多く全体で97鍵盤のピアノもありますが、この低音部は、実際に弾くためではなく、他の鍵を弾いた時にその弦と共鳴して音を豊かにするために特別に設けられたものです。88鍵は人間の聴覚に合わせて作られた最終結果だったのです。

(写真:iStock.com/Rost-9D)

ここで、付け加えておきますと、人間の耳に聞こえる可聴音すべてを仮にピアノの鍵盤で作るとすれば、約120鍵盤が必要になります。こうして考えてみると、私たちが識別できるすべての音域をカバーしていて、指10本で同時に違った音を鳴らせるという意味で、ピアノは楽器の王者なのですね。

ところで、現在、世界で制定されている星座の数も88です。

今から1万年以上前に描かれたというフランスのラスコー壁画には、牡牛座のプレアデスや夏の大三角形を思わせる模様があることから、人々は太古の昔から星の配列に注目していたことが推測されますが、星座という形を定着させたのは、数千年前、今のイラクを中心としたメソポタミア地方の人々だったようです。

それがギリシャに渡り、神話と結びつき、コロンブス、マゼランらの大航海時代になると、南半球の星々が加えられて200以上の星座が生まれました。そこで、1928年に国際天文学連合が乗り出し、今の88に整理されました。星座に科学的意義はありませんが、星空の住所としてはとても便利です。

そのほか、春分から88日目の八十八夜、お寺の八十八ヵ所めぐり、88歳を祝う米寿、そして88を横に倒せば、無限大の記号“∞”が重なって超無限大!? 88は不思議な数です。

最後に一つ。星座の数が88ならば、89番目の星座をあなたご自身で作ってみてはいかがでしょう!?

関連書籍

佐治 晴夫『宇宙が教える人生の方程式』

悩みごとは必ず因数分解できる 長きにわたり宇宙研究や物理学の研究に携わってきた著者は、「人間は『星のかけら』が集まってできている」と語ります ひと、自然、そして宇宙との関わりを中心に人間の一生について、壮大な視点から考察されています。 宇宙的に考えれば、おのずと道は開ける。物理学者Dr. 佐治の生き方指南書。 第一章 私たちは「星のかけら」でできている 万物は相互依存しながら存在 夢は豊かな人生への第一歩 武器を捨て立ち向かえ         他 第二章 ひと・自然・宇宙、すべては関わりあっている 88は不思議な数 πは何でも知っている 争いをやめ、銀河系を視野に     他 三章 宇宙から生まれ、宇宙に帰る 動物の世界にはいないもの 宇宙絵巻の1ページ 人生いつでも最適の時期 第四章 真昼の星を見る ”見えない”大切なものを見る 「苦」から解放二六二文字のポエム 真実は関係性の中に・・・      他

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宇宙が教える人生の方程式

悩みごとがあるときは、空を見上げてみよう。宇宙的に考えれば、おのずと道は開ける! 理論物理学者で長年、宇宙の研究に携わってきた佐治晴夫先生の『宇宙が教える人生の方程式』は、人、自然、そして宇宙との関わりを中心に、人間の一生について考察したエッセイ集。宇宙の壮大さに比べれば、自分の抱えている悩みなんてちっぽけなもの……。読後、きっとそう思えるようになるはずです。そんな本書から、一部をご紹介しましょう。

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佐治晴夫

1935年、東京都生まれ。理論物理学者。理学博士。日本文藝家協会会員。大阪音楽大学大学院客員教授。鈴鹿大学短期大学部名誉学長。丘のまち・美瑛・美宙(MISORA)天文台台長。東京大学物性研究所、玉川大学教授、県立宮城大学教授などを経て、2004年から2013年まで鈴鹿短期大学学長。量子論に基づく宇宙創生理論に関わる「ゆらぎ」研究の第一人者。

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