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おどろきダンゴムシ図鑑

2020.07.13 公開 ポスト

ダンゴムシの好物はチーズ、ナス、ニンジン奥山風太郎(生き物ライター)

世界(せかい)各地(かくち)のおもしろいダンゴムシを集(あつ)めたビジュアルブック『おどろきダンゴムシ図鑑(ずかん)』(奥山(おくやま)風太郎(ふうたろう)・著(ちょ))が話題(わだい)です。今回(こんかい)はダンゴムシにまつわるギモンの答(こた)えをこの本(ほん)の中(なか)からご紹介(しょうかい)します。

*   *   *

オカダンゴムシ(写真:奥山風太郎)

ギモン1 ダンゴムシはどうやって飼(か)えばいいの?

ダンゴムシの飼育(しいく)は楽(たの)しいです。
もし『おどろきダンゴムシ図鑑(ずかん)』を読(よ)んでダンゴムシへの興味(きょうみ)が深(ふか)まり、飼(か)ってみたいと思(おも)われたなら、まったくハードルは高(たか)くないので、ぜひ挑戦(ちょうせん)しみてください。

オカダンゴムシなら人間(にんげん)の生活圏(せいかつけん)であればどこでも簡単(かんたん)に見(み)つかりますので、ご自身(じしん)で採集(さいしゅう)されることをおすすめします。
運(うん)がよければすごい色(いろ)をした色彩(しきさい)変異(へんい)個体(こたい)が見(み)つかる可能性(かのうせい)もあります。

飼(か)い方(かた)にはコツというほどのものはなくて、ある程度(ていど)の湿度(しつど)を保(たも)つことが可能(かのう)な、湿(しめ)らせた落(お)ち葉(ば)や土(つち)(腐葉土(ふようど)が理想(りそう))などを敷(し)いた環境(かんきょう)であれば、どんな容器(ようき)でも飼(か)うことができます。
プラスチックケース、お惣菜(そうざい)用(よう)パックなどが扱(あつか)いやすいですし、金魚鉢(きんぎょばち)やちょっとしたガラスのボウルで飼育(しいく)すれば、より可愛(かわい)らしくなります。

プラスチックケースで飼育(写真:奥山風太郎)
こんなお惣菜パックでも飼育できる(写真:奥山風太郎)

オカダンゴムシはとにかく丈夫(じょうぶ)で、室内(しつない)の鉢植(はちう)えの中(なか)で脱走(だっそう)もせず何年(なんねん)も生(い)き続(つづ)けているオカダンゴムシもいるくらいです。
乾燥(かんそう)させないこと、落(お)ち葉(ば)や苔(こけ)で隠(かく)れ家(が)を作(つく)ること、その条件(じょうけん)だけ満(み)たせば飼育(しいく)環境(かんきょう)として問題(もんだい)ありません。
あとは、餌(えさ)となるニンジンのかけらが傷(いた)んだり、落(お)ち葉(ば)がなくなったりしないように気(き)を付(つ)けていれば充分(じゅうぶん)に長生(ながい)きしてくれるでしょう。

ガラスの鉢植えでの飼育(写真:奥山風太郎)

もっといろんな種類(しゅるい)を飼(か)いたい方(かた)、難(むずか)しい種類(しゅるい)に挑戦(ちょうせん)したい方は拙著(せっちょ)『ダンゴムシの本(ほん)』(DU BOOKS)をご覧(らん)ください。
常(つね)に穏(おだ)やかで平和(へいわ)に暮(く)らしているダンゴムシを眺(なが)めていると、本当(ほんとう)に楽(たの)しくて、ちっちゃな悩(なや)みなんて吹(ふ)き飛(と)んでしまいます。

ギモン2 ダンゴムシの好(す)きな食(た)べ物(もの)は?

「ダンゴムシの主食(しゅしょく)は何(なに)?」とよく聞(き)かれます。
落(お)ち葉(ば)でしょうか?

フチゾリネッタイコシビロダンゴムシ。葉脈を残して落ち葉を食べている(写真:奥山風太郎)

たしかに、多(おお)くのダンゴムシは生態系(せいたいけい)の中(なか)で“分解者(ぶんかいしゃ)”という役割(やくわり)を担(にな)っています。
落(お)ち葉(ば)などの有機物(ゆうきぶつ)を食(た)べて、それを糞(ふん)として土(つち)に戻(もど)す役割(やくわり)です。

しかし実際(じっさい)は野生(やせい)ではおもに何(なに)を食(た)べているかよくわかっておらず、落(お)ち葉(ば)を率先(そっせん)して食(た)べているところは見(み)かけません。
そこで、すこし意識(いしき)してみるとじつにさまざまなものを食(た)べる姿(すがた)を見(み)かけることができます。
結局(けっきょく)は雑食性(ざっしょくせい)だということがわかってきました。

トウキョウコシビロダンゴムシ。イグチ科のキノコを食べにきた(写真:奥山風太郎)
ハマダンゴムシ。虫に食われて枯れた葉をあえて食べている(写真:奥山風太郎)
奄美の樹上性種。コオロギ類の脱皮殻を食べている(写真:奥山風太郎)

ダンゴムシの種類(しゅるい)によって食(た)べ物(もの)の好(この)みはあるものの、飼育下(しいくか)ではチーズ、金魚(きんぎょ)用(よう)人工(じんこう)飼料(しりょう)、カメ用(よう)人工(じんこう)飼料(しりょう)、ナス、ニンジンなどはたいていの種(しゅ)が好(この)んで食(た)べます。
落(お)ち葉(ば)については、数十種類(すうじゅっしゅるい)を与(あた)えて観察(かんさつ)したところ、ホオバやクズの葉(は)が人気(にんき)でした。

ある研究(けんきゅう)報告(ほうこく)によると、落(お)ち葉(ば)の柔(やわ)らかさや水分(すいぶん)、その他(た)の栄養素(えいようそ)によってダンゴムシが好(この)む優先(ゆうせん)順位(じゅんい)は変化(へんか)するものの、おおむねカルシウムの含有量(がんゆうりょう)が多(おお)い落(お)ち葉(ば)ほど率先(そっせん)して食(た)べることが多(おお)いそうです。
思(おも)い返(かえ)してみると、たしかに「カルシウムが豊富(ほうふ)」っぽいものはよく食(た)べている気(き)がします。

ダンゴムシは「新芽(しんめ)を食害(しょくがい)する農業(のうぎょう)害虫(がいちゅう)」だという濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着(き)せられることがありますが、よほどほかに食(た)べるものがない場合(ばあい)でなければ、具体的(ぐたいてき)な農業(のうぎょう)被害(ひがい)の報告(ほうこく)は皆無(かいむ)です。
家庭(かてい)菜園(さいえん)のプランター付近(ふきん)を彼(かれ)らがウロウロ歩(ある)いていても、あまり目(め)くじらを立(た)てないであげてください。

〈おまけ・書籍(しょせき)未収録(みしゅうろく)〉
ギモン3 ダンゴムシは甲殻類(こうかくるい)なんですね。もしかして美味(おい)しいの?

飼(か)っていてたくさん増(ふ)えすぎてしまったネッタイコシビロダンゴムシの一種(いっしゅ)を食(た)べたことがあります。
まず、1センチ以上(いじょう)の大(おお)きめの個体(こたい)を適当数(てきとうすう)用意(ようい)して、日本酒(にほんしゅ)を入(い)れた器(うつわ)の中(なか)へ投入(とうにゅう)。
洗(あら)うようにぐるぐるかき混(ま)ぜてから軽(かる)く水分(すいぶん)を切(き)って、フライパンで温(あたた)めておいたごま油(あぶら)で揚(あ)げ焼(や)きにします。
1分(ぷん)くらいしてカリッと香(こお)ばしさが出(で)てきたら完成(かんせい)。

少(すこ)し塩(しお)をまぶして食(た)べれば、高級(こうきゅう)エビせんのような美味(おい)しさです。
ただ、ほんの少(すこ)しエグ味(み)というか、ほろ苦(にが)さがあります。コレをよしとするかは意見(いけん)がわかれそうですが、慣(な)れてくるとこの苦(にが)みも心地(ここち)よく、日本酒(にほんしゅ)やビールにピッタリです。
揚(あ)げ焼(や)きしたダンゴムシを“小(こ)エビ”がわりにしてお好(この)み焼(や)きを作(つく)ったら美味(おい)しそうです。

ダンゴムシは食(た)べたものを1日(にち)もすれば完全(かんぜん)に糞(ふん)として排出(はいしゅつ)するようですので、調理(ちょうり)する前(まえ)に24時間(じかん)ほど完全(かんぜん)絶食(ぜっしょく)させれば、背(せ)わたの中身(なかみ)は空(から)になり、苦(にが)みは減(へ)るのかもしれません。

ちなみに、試(ため)しに食(た)べたことがあるというだけで、別(べつ)に常食(じょうしょく)しているわけではありません。

関連書籍

奥山風太郎『おどろきダンゴムシ図鑑』

どこにでもいる身近なアイツ、実はこんなにすごかった! カッコいいもの、美しいもの、ふしぎなもの……。ミステリアスな世界を日本一のダンゴムシファンがご紹介します。実は集団生活よりも単独行動が好き/ダンゴムシは虫じゃない!?/好物はチーズ、ナス、ニンジン/青く輝くダンゴムシ。だがその正体は……/砂浜の色で色合いが変わるハマダンゴムシ/メスの顔面にしがみついてプロポーズ/丸まるのが得意な種類、隙間だらけになっちゃう種類 など

丸山宗利/福井敬貴『とんでもない甲虫』

『ツノゼミ ありえない虫』『きらめく甲虫』につづく、丸山宗利氏の昆虫ビジュアルブック第3弾! 硬くてかっこいい姿が人気の「甲虫」の中でも、姿かたちや生態がへんてこな虫を厳選。 標本作製の名手・福井敬貴氏を共著者に迎え、掲載数は過去2作を大幅に上回る278種! おどろきの甲虫の世界を、美しい写真で楽しめます。

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おどろきダンゴムシ図鑑

2020年6月11日発売『おどろきダンゴムシ図鑑』(奥山風太郎・著)の最新情報をお知らせします。

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奥山風太郎 生き物ライター

1977年、東京都生まれ。世界各地で野生生物を調査し、雑誌等で紹介してきた。もともとは両生類や爬虫類が専門だったが、フィールドワークを重ねるうちにダンゴムシの魅力にとりつかれ、現在では南西諸島の種を中心に200以上の地域で採集した、数十万匹のダンゴムシを飼育中。変わった色柄のダンゴムシを探すのが大好き。著書は最新刊『おどろきダンゴムシ図鑑』(幻冬舎)のほか『鳴く虫ハンドブック』(文一総合出版)、共著に『ダンゴムシの本』『鳴く虫「音声」図鑑』(以上、DU BOOKS)、『日本のカエル+サンショウウオ類』(山と溪谷社)などがある。

 

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