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夜のオネエサン@文化系

2020.05.15 公開 ツイート

ポリコレと発狂のあいだ~Ally Mcbeal 鈴木涼美

ヴォンダ・シェパードによる「Ally Mcbeal」のオープニングテーマ曲「Searching My Soul」

 

「勝手にしやがれ」(原題 À bout de souffle)はこの話題で多くの人がパッと思いつく例だと思うのだけど、他にも素晴らしい名邦題というのは数多ある。昔、福田和也センセが授業中に映画タイトルの名訳の代表例として挙げていたのはマルクス兄弟の「我輩はカモである」(原題 Duck Soup)だったし、個人的には本だが、澁澤龍彦訳の『大股びらき』(原題 Le Grand Écart)が好きだし、「風と共に去りぬ」(原題 Gone With the Wind)とか「ライ麦畑でつかまえて」(原題 The Catcher in the Rye)なんかは、ほぼ直訳なのに細かな言葉の響きが、むしろ原題より美しいんじゃないかとすら思う。

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夜のオネエサン@文化系

夜のオネエサンが帰ってきた! 今度のオネエサンは文化系。映画やドラマ、本など、旬のエンタメを糸口に、半径1メートル圏内の恋愛・仕事話から人生の深淵まで、めくるめく文体で語り尽くします。

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鈴木涼美

1983年東京都生まれ。蟹座。2009年、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。著書『AV女優の社会学』(青土社/13年6月刊)は、小熊英二さん&北田暁大さん強力推薦、「紀伊國屋じんぶん大賞2013 読者とえらぶ人文書ベスト30」にもランクインし話題に。夜のおねえさんから転じて昼のおねえさんになるも、いまいちうまくいってはいない。

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