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愛の病

2020.03.17 更新 ツイート

わたしはいかにして物書きでい続けたか2 狗飼恭子

 一冊目の小説出版のあと、東京で一人暮らしを始めた。もちろん作家だけでは食べていけないので、さまざまなアルバイトについた。

 長く人と一緒にいることが苦手だったので、週末だけの短期バイトをいくつも繰り返した。当時はまだ景気が良かったから、そこそこのバイト代が貰えた。ひと月の半分バイトして、残り半分は、映画を観たり舞台を見たり本を読んだりして過ごした。担当編集さんは博識で、わたしにたくさんの面白い映画を教えてくれたし、映画の観方も教えてくれた。

 そうこうしているうちに、二作目の小説を書きましょうか、という話になった。

 なにを書くかは、あんまり迷わなかったと思う。友達の恋人を好きになってしまった十代の女の子と、彼女が先生と呼ぶ男の話だ。とても私的な物語だった。一月半くらいで書き上げた。そして書き上げたその日に、出版社まで持って行った。当時はまだインターネットも携帯電話も普及していなかったのだ。

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愛の病

恋愛小説の名手は、「日常」からどんな「物語」を見出すのか。まるで、一遍の小説を読んでいるかのような読後感を味わえる名エッセイです。

 

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狗飼恭子

1974年埼玉県生まれ。92年に第一回TOKYO FM「LOVE STATION」ショート・ストーリー・グランプリにて佳作受賞。高校在学中より雑誌等に作品を発表。95年に小説第一作『冷蔵庫を壊す』を刊行。著書に『あいたい気持ち』『一緒にいたい人』『愛のようなもの』『低温火傷(全三巻)』『好き』『愛の病』など。また映画脚本に「天国の本屋~恋火」「ストロベリーショートケイクス」「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」「スイートリトルライズ」「百瀬、こっちを向いて。」「風の電話」などがある。ドラマ脚本に「大阪環状線」「女ともだち」などがある。最新小説は『一緒に絶望いたしましょうか』。

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