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月が綺麗ですね 綾の倫敦日記

2019.11.02 更新 ツイート

アレクサ・チャンのセクシーでない下着が象徴するイギリスファッションの真髄鈴木綾

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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イギリスの最も有名なファッション・インフルエンサー、アレクサ・チャンの動画を最近YouTubeで見た。アレクサはフランス人の女優にインタビューしているんだけど、インタビューの中でその女優が大量に持っているセクシーなランジェリーを見せられる。アレクサは笑ってトラウザーの前のファスナーを開けて飾りのない白いパンツをちらっと見せる。「私は6枚セットで買えるパンツしか履かない」とアレクサは明かす。

 

イギリスで最もおしゃれな女性の一人、アレクサ・チャンはセクシーさとは無縁の白パンツを履いている、と平気で言える、というのはイギリスファッションの真髄をよく表す出来事だと思う。

 

イギリスのファッションというと、堅苦しい、TPOや年齢、性別、社会階層で細かいコードが決まっている、という印象の人が多いと思うけど、実際には、むしろ基本的に自由でどこか他の国のファッションとは変わっている、という点に特徴があるように思う。

80万人を雇用するイギリスのファッション業界はイギリス最大の創造産業で世界的に有名なブランドもあるしモデルだってたくさんいる。日本でも大人気であるヴィヴィアン・ウエストウッドとカーラ・デルヴィーニュのようなブランドやモデルをみれば、イギリスファッションの持つ自由さや変わっている点の本質がよく分かる。

ロンドンで働いている私はイギリス・ファッションの自由さを大いに享受している。同僚や取引先に着ているもので判断されることはないし、職場でもファッションのルールはゆるい。

日本に住んでいた時は仕事上もプライベート上もファッションに関して暗黙のルールが多かった。短いスカート履いて足を露出している若い日本人女性が多いくせに私が上半身や肩を露出するような洋服を着たら必ず周りの人に指摘された。

「その服、ちょっとセクシーすぎない?」

鮮やかな服を着たら「綾は綾だから着れるけど日本人は無理」とか言われた。

仕事上はストッキングとヒールは必須だったし、とにかく恣意的でよく分からないルールが多かった。それと比べると、イギリスはファッション面で言えばすごく住みやすい環境になっている。

何が違うのかな。私に言わせてみれば日本のファッションは自分のためじゃなくて、人に見てもらうため。イギリスのファッションは自分のため、個性を主張するためだから相手に合わせないし、自由だ。

全体的に見ればイギリスファッションは自由だと思うけど、それでもいくつか「イギリスらしいスタイル」があると言ってもいいだろう。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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男性っぽい服と女性っぽい服をよく合わせるヴィクトリア・ベッカム(右)

 

一つは男性っぽい服と女性っぽい服を一緒に着ること。

10月に私の会社は投資家たち向けの一大イベントを主催した。投資家がいなきゃ投資ファンドは成り立たないのでイベント準備期間中は会社全員が準備を手伝った。当然ながら当日参加した投資家たちの多くは中年男性でスーツを着ていた。そんな中、女性の先輩がプレゼンをするためにステージに登壇したその姿を見て私は、ハッと息を飲んだ。彼女は明るいピンク色のスーツを着ていた。女性らしい色づかいの男性らしいスーツの組み合わせ。それを見事に着こなしていた先輩は最高にカッコよかった。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Monikh Dale(@monikh)がシェアした投稿 -

 イギリスの人気インフルエンサー、モニック・ダレはヒョウ柄を着こなす

 

次のイギリスらしいファッションはヒョウ柄。

会社の女性たちは必ずヒョウ柄の何かを持っている。ブラウス、ワンピース、ヒール。これも一点目とつながっている。ボーイッシュファッションにヒョウ柄のアクセントを合わせると、なぜか一気に女性らしさが上がります。

古着屋さんで買った大好きなヒョウ柄ワンピースを大学時代から持っているけど、ロンドンに引っ越してやっと自由に着られるようになった。東京で着ると大阪のおばさんと言われる。オードリー・ヘプバーンは素敵なヒョウ柄の洋服を着ていたから何がいけないのか今も全く理解できない。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Catherine Carton(@daintydressdiaries)がシェアした投稿 -

 夏の人気アイテム、ティー・ドレス

 

もう一つ特徴的なイギリスファッションは会社の女性が夏によく着ていた丈の長い「ティー・ドレス」。

昔の女性は外でお茶を飲みに行くときにそういう丈のワンピースを着ていたからそのネーミングになったらしい。鮮やかな色や花柄なのが多い。気分によってヒールに合わせたりスニーカーに合わせたりして雰囲気を変えられるので着やすい服。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Lucy Williams | Fashion Me Now(@lucywilliams02)がシェアした投稿 -

イギリスでよく見かけるラフでおしゃれなコーディネート 

 

最後はラフだけどおしゃれなコーディネート。たとえば、フィットしたズボンとハイゲージ・ニットやチャンキーニットセーターの組み合わせ、ビンテージのジーパンの上に上品なシルクのワンピースを着るとか。

物価や働き方環境など、住む場所や国を選ぶと判断基準になる要素はたくさんある。そこにファッションに対する感覚が入ると昔思わなかったけど、東京とロンドンに住んで、社会のファッション感覚が個人の人生に与える影響をよく見てきた。

その一点で言えば、ファッションが自由なロンドンの方は絶対に勝つ。

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月が綺麗ですね 綾の倫敦日記

イギリスに住む30代女性が向き合う社会の矛盾と現実。そして幸福について。

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鈴木綾

1988年生まれ。6年間東京で外資企業に勤務し、MBAを取得。現在はロンドンの投資会社に勤務。2017〜2018年までハフポスト・ジャパンに「これでいいの20代」を連載。日常生活の中で感じている幸せ、悩みや違和感について日々エッセイを執筆。日本語で書いているけど、日本人ではない。

 

 

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