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首こりは万病のもと

2019.05.30 公開 ツイート

万病のもと「首こり」を防ぐ〈30秒ネックリラクゼーション〉 松井孝嘉

頭痛、めまい、自律神経失調症、うつ状態、パニック障害、慢性疲労、胃腸不良……こんな不調に悩んでいませんか? 自律神経の世界的権威、松井孝嘉先生の『首こりは万病のもと』は、こうした不調の原因が「首」にあることを指摘した、画期的な一冊! その知られざるメカニズムと、みるみるカラダがよみがえる治療法&予防法を解説した本書の一部を、少しだけご紹介します。

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首を休ませるちょっとした工夫

では具体的に、首とどういうふうにつき合っていけばいいのでしょう。

(写真:iStock.com/seb_ra)

とにかくもっとも大切なのは、やはり首疲労の最大の原因である「長時間のうつむき姿勢」をやめることです。

筋肉に疲れがたまってしまうのは、休みなくずっと同じ筋肉を使い続けているせい。長時間、首の筋肉を緊張しっぱなしの状態にしてしまうことがいけないわけで、小まめに休憩をとって、ちゃんと首の筋肉を休ませてさえいれば、うつむいていても別に問題はないことになります。

すなわち、いかに効率的に首を休ませるかがポイントになってくるわけです。

じゃあ、どういう「休ませ方」をすればいいのか? 

これにはいくつかのコツがあります。

まず、15分ごとに30秒の「首休憩」をはさむこと。

私がいろいろと研究した結果、首の筋肉が持続して緊張していられるのは、せいぜい15分がいいところで、それ以上同じ姿勢を続けていると筋肉のなかに乳酸が発生してこりが生まれやすくなります。ですから、パソコン作業など、うつむいてデスクワークをしているときは、15分ごとに30秒程度、首を休ませる時間をとるべきなのです。

この「首休憩」の基本は、椅子に座って頭の後ろで両手を組み、そのまま頭を後ろへ反らして「気持ちいい」と感じるところで止める。そして、その位置で30秒間静止させるというもの。

首の筋肉をゆるめると筋肉に酸素や栄養が入ってきて、疲れを回復させてくれるわけです。ぜひ、みなさんも首の筋肉がゆるまっていくのを意識しながら、行なってみてください。

みなさんのなかには、「なんだ、たったこれだけでいいの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、なかなかどうして、15分に30秒のペースで休みを入れるのは、やってみるとけっこう難しいものなのです。ちょっと、気を抜いたり、パソコンに集中してしまったりすると、30分や1時間くらいの時間はすぐに経ってしまいます。

ですから、かなり強く“意識づけ”をして、脳と体に15分のリズムを刻みつけてしまうくらいのつもりで臨む必要があるのです。

そこで、私が「首休憩用」に開発したのが「ネックレスト・タイマー」というアラーム。これは、はじめにスタートボタンを押すと、あとは放っておいても15分ごとにアラームが鳴る仕組みになっていて、首を休めるべき時間を知らせてくれます。

また、このほか、BGMを聴きながらデスクワークをするような方は、あらかじめ音楽を15分で終わるくらいにセットしておき、曲が終わるたびに休憩をはさむのもいいかもしれません。

いずれにしても、この「15分作業、30秒休憩」というサイクルさえ守っていれば、パソコンを何時間やっても大丈夫。このサイクルを身につけることによって、首の筋肉は疲れ知らずになるのです。

ノートパソコンではなくデスクトップを使おう

なお、言うまでもないこととは思いますが、デスクワークや車の運転のときは、できるだけ背筋を伸ばした正しい姿勢で座り、前傾姿勢やうつむきにならないように注意してください。自分の背中に棒でも入っているようなつもりで背筋をまっすぐに保ち、目線をできるだけ高くキープするように心がけるといいでしょう。

(写真:iStock.com/violet-blue)

ただ、パソコン作業の際、ノートパソコンを使用していると、画面が自分の目線よりも低い位置にくるため、どうしてもうつむきがちになってしまいます。

ノートパソコンを使って作業をしている人は、せめてデスクトップ型パソコンに替えてみてはいかがでしょうか。デスクトップ型にして、画面の高さを目の高さと同じになるように調節するようにすれば、首をまっすぐにしたまま作業に取り組むことができます。

とりわけ、システム・エンジニアなど、コンピュータ関連の仕事をされている方や、事務や経理などでコンピュータでの入力作業をされている方は、「ノートパソコンは極力使わない」というくらいに考えたほうがいいでしょう。

東京脳神経センターにいらっしゃる患者さんにも、ノートパソコンを使って長時間うつむきながら細かい入力作業を続けていたために、首疲労になってしまったという人がたいへん目立ちます。

仕事で毎日長時間パソコンを前にしている人にとって、「作業目線の高さ」がどの位置にくるかは、首の健康をキープするうえで非常に大きな問題なのです。

ただし、ノートパソコンを使用している人でも、15分に1度、30秒のネックレスト・リラクゼーションの時間をとれば、問題ありません。

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詳しくは『首こりは万病のもと』(幻冬舎新書)をご覧ください。

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松井孝嘉『首こりは万病のもと』

大きめのスイカとほぼ同じ重さと言われる「頭」を支える首は、筋肉疲労を起こしやすい部位。だが、筋肉疲労が重なると、今まで治療法のなかった(1)頭痛、(2)めまい、(3)自律神経失調症、(4)うつ状態、(5)パニック障害、(6)ムチウチ、(7)更年期障害、(8)慢性疲労症候群、(9)ドライアイ、(10)多汗症、(11)機能性胃腸症、(12)過敏性腸症候群、(13)機能性食道嚥下障害、(14)血圧不安定症、(15)VDT症候群、(16)ドライマウス等の疾患が現われる。本書では、これらの疾患から脱する術と予防法を解説。首を酷使する現代人に警鐘を鳴らす一冊!

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首こりは万病のもと

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松井孝嘉

1967年、東京大学医学部卒業。脳神経外科医。アルバート・アインシュタイン医科大学で脳腫瘍研究ののち、ジョージタウン大学で世界初の全身用CTの開発に従事。帰国後、大阪医科大学助教授、帝京大学客員教授等を経て、現在松井病院理事長・東京脳神経センター理事長。78年に頚性神経筋症候群を発見。30年以上首の研究を続け、自律神経失調症の治療法を世界で初めて完成させた。完治不可能と言われていた16疾患の治療法も確立させている。

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