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過敏で傷つきやすい人たち

2019.02.11 更新

敏感すぎる性格は、自分で直せる岡田尊司

音や話し声がすると集中できない、人にどう思われているか気になる、過度に接近されるのが苦手、頭痛や胃痛、下痢になりやすい…。こんなお悩みを持っている人は少なくありません。続々と重版を重ねている精神科医・岡田尊司さんのベストセラー『過敏で傷つきやすい人たち』は、そんな悩みを解決できると話題の一冊。そんな本書の中から、一部を抜粋してお届けします。

(写真:iStock.com/Hakase_)

敏感すぎる人でも幸せはゲットできる! 

幸福にどれくらい遺伝要因が関与しているかを、一卵性と二卵性双生児での一致率の違いを比べる方法で調べた研究がこれまで十件ばかりなされてきました。

これらの研究をメタ解析(これまで行われた研究結果を集めて、分析する研究手法)した結果、幸福であることへの遺伝要因の関与(遺伝率)は36%、人生に満足していることへの遺伝要因の関与は32%と算出されています。三分の一程度は、遺伝子によって決定されていますが、残りの三分の二は環境因子によって決まるということになります。

子どもの頃、環境は自分で選ぶことができませんでした。生まれてくる家にしろ親やきょうだいにしろ、住む地域や通うことになる学校も、子どもの意思とはほぼ無関係に決められたものでした。

しかし、大きくなるにつれて、自分の暮らし方や生き方を選ぶことができるようになります。どういう仲間や伴侶と過ごすかも、どういう活動をするかも、その人の考えと決断に左右されるのです。それによって自分の環境を自分で整え、自分を生かすものに変えることもできるのです。

子どもの頃、親や家庭環境の影響はとても大きいものですが、大人になるにつれ、子どもは親の影響を脱し始めます。そして、親から物理的に離れようとしたり、心理的に距離をとろうとし始めます。親の言いなりになることをやめて、自分の意思と決断で、自分の人生を生きようとするわけです。

遺伝で幸せ、不幸は決まらない!

もちろん、親から与えられた遺伝子を捨て去るわけにはいきませんし、良い意味でも悪い意味でも、親から教え込まれてきた考え方や行動の様式というものは、にわかには変えられず、引きずり続けることになるのですが、同時に家族以外の人と出会ったり、新たな体験を積み重ねる中で、少しずつ自分を縛っていたものから自由になり、自分ならではの可能性を開拓することもできるのです。

実際、成人した後、年とともに養育環境の影響は、薄らいでいくことがわかっています。恵まれた環境で育った人も、過酷な子ども時代を過ごさねばならなかった人も、大人になってからは、新たなステージを迎えるのです。自分の意思と責任で、自分の人生を良いものにも悪いものにもしていくことができるのです。

さまざまな既定の制約や縛りを差し引いても、幸福であるかどうかのおよそ40%は、その人がどんな活動をするかや、どういう受け止め方をするかに左右されると言われています。

肥満の遺伝率が78%だったことを思い出してください。どんなにダイエットを頑張っても、所詮22%以下しかチャンスがないのと比べて、幸福や人生の満足を手に入れるチャンスは、その人次第でずっと大きいのです。

岡田尊司『過敏で傷つきやすい人たち』

敏感すぎる気質は自分で直せる! 

決して少数派ではない「敏感すぎる人(HSP)」。
実は「大きな音や騒々しい場所が苦手」「話し声がすると集中できない」「人から言われる言葉に傷つきやすい」
「ストレスで胃が痛くなりやすい」「頭痛や下痢になりやすい」などは、単なる性格や体質の問題ではないのだ。

この傾向は生きづらさを生むだけでなく、人付き合いや会社勤めを困難にすることも。
最新研究が示す過敏性の正体とは? 豊富な臨床的知見と具体的事例を通して、HSPの真実と克服法を解き明かす。
過敏な人が、幸福で充実した人生を送るためのヒントを満載。

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過敏で傷つきやすい人たち

決して少数派ではない「敏感すぎる人(HSP)」。
実は「大きな音や騒々しい場所が苦手」「話し声がすると集中できない」「人から言われる言葉に傷つきやすい」
「ストレスで胃が痛くなりやすい」「頭痛や下痢になりやすい」などは、単なる性格や体質の問題ではないのだ。

この傾向は生きづらさを生むだけでなく、人付き合いや会社勤めを困難にすることも。
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岡田尊司

1960年、香川県生まれ。精神科医、医学博士。東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医 学教室にて研究に従事。現在、京都医療少年院勤務、山形大学客員教授。パーソナリティ障害治療の最前線に立ち、臨床医として若者の心の危機に向かい合う。 

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