1. Home
  2. 暮らし術
  3. 知って得するお金の話
  4. チップはお金をより良く使うためのトレーニ...

知って得するお金の話

2019.01.19 更新

チップはお金をより良く使うためのトレーニング平林亮子

海外に住むことで見えること

(写真:iStock.com/{Berkut_34})

先日、テレビなどでもご活躍のファイナンシャルプランナー花輪陽子さんとお会いしました。以前、一緒にテレビ出演させていただいたり、彼女がいま住んでいるシンガポールでお会いしたりするなど、時々情報交換をさせていただいています。今回は、一時帰国中だった彼女とディナーをご一緒させていただきました。

現在、私も東京とニューヨークを行き来するデュアルライフを送っているため、話は必然的に、海外に行ってみてどうか、という方向に進んでいきました。

彼女から発せられた印象的な言葉は
「既存の考えにとらわれていてはいけない」
でした。

たとえば、日本において、どちらかと言えばネガティブに語られることの多い毎月分配型の投資信託。でも、シンガポールに行ってから、その考え方が変わった(商品やその人の状況による)そうです。外貨建ての保険商品などについてもしかり、とのことで。

どういう状況であればネガティブではなくなるのかという具体的な内容は、彼女が持っている情報なのでここに書くわけにはいきませんが、説明を聞くと納得。

同じ環境にいると、どうしても考え方が凝り固まりがちですが、柔軟な自分でいることの大切さを実感した夜になりました。

チップは自分の価値観と向き合うきっかけ

さて、私もニューヨークに行くようになってから、色々と見方が変わったことがあります。

その1つが、チップです。

以前この連載でもチップについて少し触れましたが、慣れないととても面倒くさい習慣だと思います。

でも、最近はその考えが変わってきました。日本にもチップを導入すればいいのに、と思うほど、チップも悪くないものだと感じています。

 

 

チップを払うとなると、お客はサービスをお金で買っていることになり、店員はお金をもらえるからサービスをしている、という状況になりかねません。それが本当に良いサービスと言えるのかという疑問はゼロではありません。ただ、そういう習慣の中で過ごしていると、それだけではない気持ちが生まれてくるのです。

食事の後に、一緒に食事をした人と
「チップどうしよう?」
という言葉をきっかけに
「今日の食事は良かったね」
とか
「あのサービスは気持ち良かったね」
とか色々な言葉を交わすようになります。これがとても楽しくて、その時間がより印象深くなります。そして、それをチップという形でお店にも伝えられます。

時には、
「さすがにあれはないよね」
ということもあって、ひどかった対応(失礼!)がまた、楽しい思い出になったりもします。良いサービスを受けた時同様、少ないチップという形でお店に気持ちを伝えることができますしね(笑)。

そしてお店で働く人にとってチップが励みになり、より良いお店になるのであれば、互いに素晴らしいことだと思うわけです。

日本のレストランのサービスの質もお店によって異なるのに、サービス料があったりなかったり、だいたい決まって10パーセントだったりすると、首を傾げてしまうこともあります。チップ制であれば、その決定権限がお客様にあるわけですから、ある意味合理的な仕組みです。

しかも、サービスという無形の商品について値段を自分で考えて自分で決めて払うことで「自分は何にいくらお金を払うのか」という価値観と真剣に向き合うトレーニングにもなります。

お金はどう稼ぐかやどう貯めるかよりも、どう使うかが大事。使うために稼いだり貯めたりするのであり、使うことで始めて価値を生みますから。しかも、使い方次第で得られる価値が変わります。商品から得られる効用は個人個人で異なるからです。

チップによって楽しみながらお金の使い方を考えるトレーニングができます。そして、お店とのコミュニケーションの媒体にもなってくれます。そもそも、お金のやりとりは、感謝の気持ちのやりとり、心のやりとり、エネルギーのやりとりですから。

さて、世の中には、お金について、ああしろこうしろという指南書や、こうしたら得だとか損だとかいう情報があふれています。私もそんな情報を発信している1人ではありますが(笑)、万人に当てはまる正解はありません。

時代や環境、自分の年齢、家族構成、資産の額、収入の額、そして何より、個人の価値観によって答えは異なってくるもの。
情報は情報として取り入れ、それぞれの正解を見出していくことが大切です。新しい年を迎えた今、それぞれの生き方に合ったお金の使い方を考えるには良い時期かと思います。これまでの考えにとらわれることなく、柔軟な気持ちで向き合えば、より良いお金の使い方が見えてくるかもしれません!

関連キーワード

関連書籍

平林亮子『お金が貯まる5つの習慣』

お金の使い方に正解はない。ただ、お金が貯まる人には共通の生活習慣がある。彼らは、節約を徹底し、一攫千金を狙わず、収入と支出の流れを正確に把握し、他人への感謝を忘れない。思えばこれらは難しいことでも、特別なことでもない。「タバコを吸わない」「宝くじを買わない」「食事はワリカンにせずオゴル」「引き出せない口座を作る」「いつもニコニコする」などを実践すればいい。公認会計士として多くのお金持ちと付き合う著者が間近で見て体得した、お金コントロール術。

平林亮子『お金で損しない超基本20』

「年収500万円で20年働く人」と「年収1000万円で10年働く人」の20年間の手取りはどっちが多いのか? その理由も含めすぐにわかりますか? お金が貯まらない、将来のお金の不安が消えない……という人は、お金の基本を知らないから。 本書は、クイズに答えながら、お金の仕組みが学べます。

平林亮子『レシートで人生を変える7つの手順 もらって、集めて、眺めるお金術』

「レシート」とは、自分の人生を映し出す鏡。そこには、買ったものと値段だけでなく、行動の履歴、自分の価値観がつまっています。本書は、そのレシートを使い、一生お金に困らない人生の手に入れ方を解説しました。方法はカンタン。買い物をしたら、忘れずにレシートをもらい、一箇所に集め、一日一回そのレシートを眺めるだけ。それを繰り返すことで、自分の暮らしのサイズがどれくらいかを知り、どれだけならば使っていいのかいけないのかを体感として蓄積させていくのです。お金に恵まれる人は、お金に対しての基本的なセンスがある人。レシートを捨てるかもらうかが、今後幸せにお金を使うことのできる人生になるかどうかを決定づけるのです。

{ この記事をシェアする }

知って得するお金の話

お金にまつわる知っておいたほうがいい情報を公認会計士の平林亮子さんがお届けします。

バックナンバー

平林亮子

公認会計士。1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。大学3年次在学中に公認会計士試験合格。
起業やプロジェクトのたち上げから、経営全般に至るまであらゆる面において経営者をサポートしている。
『決算書を楽しもう』(ダイヤモンド社)、『お金が貯まる5つの習慣』『<新版>相続はおそろしい』(幻冬舎新書)『レシートで人生を変える7つの手順』『損しないのはどっち?』(幻冬舎)など、著書は監修も含めると50冊を超える。
アールパートナーズ http://www.r-cpa.co.jp
平林亮子オフィシャルウェブサイト http://www.hirabayashi-cpa.com

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP