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飲み込めなくてもいいのにね

2018.12.31 更新

たまには思い出してほしい加藤拓也


作ったものを捨てられるかという話をした事がある。皆、作る事は色々なきっかけがあって作り始める。自分の中の衝動、他人を見て、誰かに頼まれたから、仕事で、友情で。自分にも色々なきっかけが日々訪れる。頼まれる事もあれあば、どうしようもない衝動に駆られて始める事も多々ある。

何が良いとか偉いとかの話ではない。こちらからお願いをして作ってもらうものがある。色々な擦り合わせをし、目指したい所を目指して作ってもらう。たまに作ってもらったものが違った時、こればかりはしょうがない。そもそも感性が違うし、他人なので。自分の思った通りの物を作ってくれとお願いしているつもりもない。想像を超える良さが出てくるかもしれないから。

ただ、違うものは違うので作り直しをお願いすると、今までの作業時間が無駄だったと言われる。結果作り直してもらう事には変わりないのだけれど、その今までの作業に拘りを持ってどうするんだと思う。

今までの作業時間を観客は評価しないし(する時もあるけどそれは別の話)作業時間を長く使ったから頑張ったんだねとか、短いから頑張ってないのかとかそういう訳でも無くて、過程を見せたい訳でも無くて、見られるのは作品であって、それを作っているんじゃないのかと、都度もやっとする。

 

自分の作ったものに対して出来不出来は絶対にあるし、どんな物でも勿論愛情はあるだろうけれど、作業時間を口にするより捨てる選択を持つ方が必要だと思う。

繰り返すけれど良い悪いを言っているわけではない。

自分が作ったものに愛情を持って持ち続けるも良し、愛情を持ちながら簡単に捨て、軽く扱うも良しだけれど、捨てられないより捨てる選択肢もあった方が良いんじゃないのと個人的に思っているという話だ。

僕は作ったものを捨てずいつまでも持ち続けていてもしょうがないと思っている。

どうせ、作ったものは大体忘れられる。僕たちも忘れる。

形に残るものも残らないものも、初めて作品に触れた感動はどんどんと忘れて、思い出す事しかできなくなっていく。初めて形になった時の感動もどんどんと忘れて思い出す事しかできなくなる。

思い出せるようなものも、そんなん出来るのかって言われると難しいけど。

でも、それが出来れば幸せなんだけれど。

 

なので、僕らもどんどんと作っては捨て、忘れていくので、皆さんもどんどんと忘れていってもらっても大丈夫です。でもたまには思い出してね。

 

2018年も今日で終わる。今、書き終えていて発表してないもの、発表する予定がないもの、タイミングを失っているものがいくつかある。勿論そんな理由もあるけれど、なんだこれと思って発表してないものも沢山ある。たまにPCを整理したり新作を考える時、目について見返してみたりする。そしてやっぱりなんだこれと思う。平成が終わる前になんだこれ作品展でも設けて恥でもかこうか。

 

ああ、もしかしてこれ捨てられてない?

 

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加藤拓也

1993年12月26日生まれ。大阪府出身。脚本家。演出家。監督。 「劇団た組。」主宰。わをん企画 代表。17歳で構成作家を始め、18歳でイタリアへ渡り、映像演出を学ぶ。帰国後、「劇団た組。」を立ち上げ。23歳で三越劇場作演出家の最年少記録を樹立。若手演出家コンクール2017優秀賞受賞。『部活、好きじゃなきゃダメですか?』では初の連続ドラマの脚本を担当。

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