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2014.01.10 公開 ツイート

特集 「気持ちのいいことが、好き。」 

神は、私たちにワインの美味しさを与えくれた! 第1回 樹林伸

ワインの官能性、底知れなさを漫画という表現で私たちに教えてくれた『神の雫』。全世界で累計800万部を突破したこの作品の人気からも、ワインがなぜ世界中の人から愛され、虜にするのかがうかがえます。その原作者である樹林伸氏の初のワイン本『誰にも教えたくない 神ワイン』の刊行を記念して、2013年12月16日にワインショップ・エノテカ 銀座店 カフェ&バーエノテカ・ミレにて出版記念のトークイベントが開催されました。

 
ワイン漫画の決定版『神の雫』原作者の樹林伸さん


書籍にも登場する「ボランジェ・グラン・ダネ 2004」と「アルマヴィーヴァ2010」をみんなで飲んでほろ酔い気分になりながら、樹林さんとワインジャーナリスト、柳忠之さんのめくるめくワイン談義。人と人を繋ぐワインの魅力を堪能してください。
 

樹林伸さん(左)とワインジャーナリスト柳忠之さん(右)

 

まず最初にシャンパングラスに注がれたのは、「007が愛した」と有名な「ボランジェ」の「ボランジェ・グラン・ダネ」。
 

細かい泡が綺麗な黄金色のシャンパンを片手に、話は優雅に……というよりも、ワインの蘊蓄や裏話を樹林さんが楽しく、分かりやすく解説するかたちで、ホームパーティのような和やかな雰囲気でわいわいと始まりました。

「本に登場している貴重なシャンパーニュもいいですが、このグラン・ダネも負けず劣らない最高のシャンパーニュの一つです」と樹林さんが絶賛する「グラン・ダネ」を筆頭に、 “本当に誰にも教えたくなかった”という秘密のシャンパンなど珠玉のシャンパンを数本紹介した本書の魅力を樹林さんが熱弁!!!……しようと思ったら、なんとここで、夏野剛さんが飛び入り参加!



“i-modeを作った男“ドワンゴ代表取締役である、テレビでもお馴染みの夏野さん。実は樹林さんのワイン友達であり、今回の『誰にも教えたくない 神ワイン』の原型となった雑誌連載の対談相手の一人でもあります。
 

まずは改めて3人で「乾杯!」

「素人のくせに“持ちワイン”は1500本くらい。樹林さんと違って、僕のワインは経費では落ちません」と楽しい裏話を教えてくださいました。
「この間行ってきたワイン会はひどかったんです。“ワインを1本ずつ持ってきてください”なんて言うから、とっておきのワインをもちろん持って行ったんだけど、お店にも置いてあるようなワインを持ってくる人たちがいたり、安いワインから開けていく人がいたり。値段が高いからいいとか、安いから駄目、という話ではなくて、お店に置いてあるのと同じワインや、それよりも安いワインを持ち込むのは、やっぱりマナー違反なんです」と、最近流行っている“ワイン持ち込み”でのマナーなど、ワイン通ならではのエピソードを披露してくださいました。スマートに持ち込むコツは、「まず初めてのお店には、持ち込まないこと。まずはお店に行って、お店のワインリストを調べてから、次回からお店にちゃんと事前にご挨拶して持ち込むのがいい」とのこと。

ボランジェ・グラン・ダネを愉しむ夏野剛さん

 夏野さんを交えてシャンパン談義は大盛り上がり。「グラン・ダネ」は、通常はワインの粒をつぶしてシャンパンにするのと違い、粒のまま使うというなど蘊蓄にみんなでふむふむと真面目に頷いていたら、夏野さんの『この本で紹介されているワインはやっぱり高い!』という爆弾発言に、会場は大笑い。樹林さんが「ワインは年によって値段が大きく違うから、やっぱりどうしても選んだ時(連載当時)は安くても今は高くなってる……なんてこともあるんです」と苦笑い。大喝采の中、多忙な夏野さんは次の仕事へと向かわれました。

 続いてのワインは、チリのワイン「アルマヴィーヴァ」。
 香り豊かな赤は、カベルネソービニオンをボルドーの技術で作り上げた、チリの世界に誇るプレミアムワインです。会場には芳醇なワインの匂いが広がり、いよいよ“ワイン会”の雰囲気に。
 

チリの香り豊かな赤ワイン「アルマーヴィーバ」


 樹林さん曰く、「アルマヴィーヴァ」からは、浅黒い肌で黒髪の陽気な女性をイメージするとのこと。さすが『神の雫』の原作者。言葉を尽くしてワインの魅力を表現するその口調に『神の雫』の一場面を思い出します。
同じグラスを傾けながらも、“なかなか樹林さんのようには……”と尻込みする私たちでしたが「ワインをまずは擬人化してみると面白いですよ」と樹林さん。男性的なのか女性的なのか……などと想像することでイメージが広がりやすいとアドバイスをいただきました。
 


『神の雫』を作る時も、同じく原作者であるお姉様と一緒にワインを飲んで「これは男性的なのか、女性的なのか」などイメージを共有し合うことから始めるのだとか。ブルゴーニュワインだと自然をイメージしやすいなど、それぞれの違いを楽しむのも、ワインの醍醐味だと聞くと、今まで“ちょっとワインの味を言うのは、通ぶってるみたいで恥ずかしい”なんて思っていた人でも、楽しむ勇気が出てきます。

 話も進み、ワインも進み、いよいよ宴たけなわ、という雰囲気になり、ここで樹林さんが決めの一言、「ワインは、特別な知識がなくても楽しめるんですよ!」。確かにおいしいワインを囲んでみんなで集まっていると、それだけで楽しい気分になっているので、不思議です。もちろん樹林さんのワインのお話も面白いけれど、どうやらワインには人を楽しくさせる力があるようです。
 

ワインを人物にたとえてみると、不思議と皆のイメージにぶれがないのも面白いところだそう。


「もちろん知識があったほうが楽しめることもあるかもしれません。ここにお集りいただいた方はワインがお好きな方も多いから知識もたくさんあると思いますが。でも、知識なんてなくても、『これは女性的だよね』『そうだよね』。と言った瞬間からワインは人を繋ぐ。だからワインは世界で愛されていると思います」

 ワインはただのお酒ではなく、人と人を繋ぐもの―—その言葉通り、樹林さんもお客さんもほろ酔いのイベントは、“それは締めの一言として完璧ですね!”なんて樹林さんが茶化されながら、和やかに終了いたしました。——それも、人を繋ぐワインの力かもしれません。

ボランジェ・グラン・ダネ(左)アルマヴィーヴァ(右)と書籍『誰にも教えたくない 神ワイン』(中)

 

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