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それでも猫は出かけていく

2018.02.27 公開 ポスト

野戦病院 思想家・吉本隆明氏の家に集う猫の話 その3ハルノ宵子

思想家・吉本隆明氏の家に集う猫と人の、しなやかでしたたかな交流を綴った『それでも猫はでかけていく』より、試し読みをお届けします。

 このところ我家は、さらなる猫試練に見舞われています。外猫のトラジマ一族最後(になる予定)の、チビトラ4兄妹の内2匹が、相次いで交通事故にあったのです。

 一族最後のトラ母(避妊済)は、4兄妹を連れて我家と、大通りに面したKさん宅の間を行ったり来たりしていました。うちで3日食べ、Kさん宅で3日食べといった具合です。まず唯一の雄のチビが、Kさん宅前の大通りで事故にあいました。恐ろしいことにこのチビどもは、車道と歩道の段差にハマって寝るのがシュミなのだそうです。これでは命がいくつあっても足りません。高齢で持病のあるKさんに代わって、あわててかかりつけの「D動物病院」へ。Kさんが見た時には、鼻血を出してグッタリしていたとのことですが、幸いなことに骨折や内臓の損傷は無く、一時的に脳震とうを起こしていたようです。

 この雄チビは、「D動物病院」の院長に気に入られ、ノラに戻すには忍びないと、現在も病院で飼われ、かわいがられています。

 そしてある晩、4兄妹の内で一番小柄な雌(ヒメちゃん)が、玄関先に置いてある猫箱でうずくまっていました。見ると背中から肘にかけて大きな裂傷があります。しかし、さほどの出血は無く、すぐに命に関わるような状態ではなさそうなので、翌日、今度は外猫専用の「H動物病院」へ。しかしヒメちゃんは重症でした。大きな裂傷の他に、左前足首の関節がはずれ、靭帯も切れていたのです。前足首は、ぐっと内側に曲がりこんだまま動きません。やはり交通事故にあっていたのです。

「どうします? 整形しますか?」と院長。「どうします?」……っても「やめときます」とは言えないし、それが最善の方法ならばと、プレートを入れる手術をお願いし、クラッと来る位の治療費と引き替えに、縫い目だらけのヒメちゃんは帰ってきました。

 前足は、まだ着くことができません。はたして今後、どの程度まで回復するものか……今はまだ、ケージの中で療養中です。
 そして、シロミは血尿が止まりません。細菌感染により、膀胱内に炎症を起こしているのです現在は、1日おきに膀胱洗浄に通うありさまです。おまけに最年長のクロコまで、加齢による自浄能力低下から膀胱炎を起こし、血尿を出して入院しました。
 遊びに来ていた糸井重里さんが言いました。「ここんちは野戦病院だな」。……トホホ。

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