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夫婦関係がうまくいく生き方、働き方

2017.07.22 公開 ツイート

不倫と長時間労働はつながっている 今尾朝子/宇都直也/おおたとしまさ

セックスレス、産後クライシス、家事ハラ、夫婦喧嘩……。これらを単に「悪いもの」として嫌って避けるだけでは、夫婦関係はうまくいきません。逆に、どのみち通らなければならない「成長痛」と捉えてうまく経験していけば、成熟した関係をつくることができるのではないでしょうか。
そんな夫婦論が展開されたのが、育児・教育ジャーナリスト・おおたとしまささんの最新刊『〈喧嘩とセックス〉夫婦のお作法』(イースト新書)です。
おおたさんが、30代向け女性誌「VERY」編集長の今尾朝子さんと、父親のための育児雑誌「FQ JAPAN」編集長の宇都直也さんをゲストに迎え、「夫婦クライシス」をどうのり超えるか、そして、お互いにどう気持ちよく自由に生き、働いていくかについて一緒に考えたイベント模様を、前編・後編に分けてお届けします。(2017年5月19日、本屋B&B)

 


「家事ハラ」問題は『VERY』にひっかからなかった

おおた もう一つ、私の本『〈喧嘩とセックス〉夫婦のお作法』の中で一つの章を割いているテーマがこちらです。2014年、「産後クライシス」の言葉が流行った翌年に公開された動画を見てみたいと思います。

おおた これはかなり話題になったCMでしたけども、『VERY』ではどんなふうに反応でしたか?

今尾 すみません、これは『VERY』ではあまりひっかからなかったんです。『VERY』の編集者は15人ぐらいおりまして、毎回1号を作るのに20人ぐらいフリーランスのママライターさんたちに関わっていただいているんですけれども、それこそ「産後クライシス」はすごく話題になったのですが、「家事ハラ」はそんなに話題にならなかった。だから企画にしなかったんですね。

なぜだろうと思ったんですが、ママは「言っている側」なので気持ちいいわけだし、「別にそれがなにが問題なんだろう」と思ったのかなと。

もう少し詳しく言うと、『VERY』世代はまだ若いというか、第一子・第二子を育てている真っ盛りで、ちょっと聞いてみると、「こういうふうに言うのはもうちょっと上のズケズケ言うご夫婦じゃない?」って。『VERY』世代は若い世代のご夫婦が多いので、奥さんも最初からあんな言い方をしたら嫌がられるのをわかっているし、「旦那さんは褒めて育てる」みたいに世の中で言われているのを知っているし、だからそんなに話題にならなかったのではないかなと。

個人的には面白いと感じますし、そんなに炎上するほどなのかなと思ったんですけど、実際には逆のことも旦那さんから言われますよね。「これ(食事)まずくない?」みたいな。正直に言われることは、お互い様ではないかなと思います。ちょっとウィットにとんだというか、嫌味だっただけなので、「たまにはそんな気分になるときだってあるよ」というのが女性側の言い分かなと、個人的な意見ですけど思いました。

おおた なるほど。宇都さんは逆の立場で、産後クライシスのときはそんなにひっかからなかったわけですが、このときは?

宇都 この炎上はちょっと違う盛り上がり方で、「家事ハラ」という言葉が誤った使い方だということでしたよね。

おおた それもありましたね。解説すると、ヘーベルハウス(旭化成)さんが、家事をやって頑張ったパパをディスることを「家事ハラスメント」というふうに打ち出したところ、もともと『家事労働ハラスメント』という本を出している社会学者の竹信三恵子さんが、「自分としては別の意味で使っていたのに、それをほぼ真逆の意味で使われた」ということを訴え、旭化成さんに乗り込みました。

これは二つの意味で炎上しています。そもそも女性の側から非難の声が上がったのは、確かに映像としては面白いしクオリティ的にもよくできているけれど、映像の中のテキストでは人のせいにしてしまっていて、「そういうふうに思いたくなる気持ちはあるんだけれど、それって言っちゃいけないことだよね」ということを表現してしまったところで、やっぱり着地がまずかったのかなという感じがします。

宇都 『FQ JAPAN』の場合は、結構ドンピシャな感じなんですよ。アンケートを見ていても、家事はするけども得意じゃないパパが多いです。なので『FQ JAPAN』としてはお父さんにまず家事を楽しんでもらおうとグッズ紹介などを切り口にしています。慣れないお父さんがダイソンを持っていつもと違う掃除をして……、という場面に遭遇したら、家事スキルが低かったとしても、ぜひお父さんをなるべく優しい感じで見守ってほしいなという気はします。

 

じつは「家事ハラ」夫婦は仲がよい?

おおた ただ旭化成が発表しているデータをちゃんと見ていくと、「あなたは自宅で家事を手伝ったことが……」。あ、これも炎上したんだ、「『手伝う』ってなによ」と(笑)。これはNGワードとして10年前ぐらいから有名な話で、マーケティングの人はあえて使ったのだとしか考えられないですけど、「家事を手伝ったことがある夫」は93・4%いました。その中で「家事ハラを受けたことがある」が65・9%、「家事ハラによってやる気をなくす」が約9割の89・6%。それは確かにやる気はなくしますよね。そこで「いやぁ大丈夫です!」という人は少し変態ですよね(笑)。

なので、これは普通の数字かなと思いますけれど、なんと家事ハラ経験のある夫の8割強は「夫婦仲がよい」と言っているんですよ。だって、本当に冷めきった関係だったらこういう会話すらないでしょう。夫も家事をやろうともしないし、やったときに妻もこういうこと言わないですよね。

今尾 でもね、そう言われたからと言ってやる気をなくされても、やらなきゃいけないことだから。

おおた そうそう。やる気をなくすんだけど、でもやらなきゃいけないという。だから、ここでやらなくなっちゃったらまずいですよね。

今尾 そうなってしまったら、結局奥さんがずっとやり続けるっていうことですよね。なんか違うなぁって。

宇都 家事の話ですけど、結婚して子どもを産むと、やることは絶対的に増えるわけです。確かに第三者の力、地方だと「じじばば」の力を借りなくてはいけないこともある。ただ取材していて思うことは、両親が近くにいない場合、僕も地元が田舎なのでわかるんですが、地方で孤独な人というのは、都会よりもさらに課題だなと思いました。

おおた 確かに地方で孤独だと、都会よりもつらいところはあるかもしれませんね。

もう一つあるのが、「もともと家事労働ハラスメントってなんだっけ」という話です。女性の労働力を示すM字カーブという、出産後に一度離職して女性労働力が減るという有名なグラフがありますよね。共働きが主流となるまでは、育児・家事は専業主婦が一手に担っていました。これがあることによって日本の男たちは、朝から晩まで会社にいて社畜になっていても社会が回っていたんです。だけど、男の仕事に対してはちゃんと賃金が払われるのに、女性は一日中家事・育児をしていて、無賃労働で裏方仕事を押しつけられているという状況のことを、もともと「家事労働ハラスメント」と呼んでいたんです。

まさに今、時代が動こうとしていて、共働きの夫婦が増えて過半数です。共働きしないと稼ぎも足りないし、社会としても回っていかないところで、「一億総活躍社会」の話が出てきている。「女性もこれから活躍しましょう」「女性も労働力を担っていかなくてはいけません」ということで、「ワーママ」(ワーキングマザー)が増えてきました。でも、家事・育児を誰かがやらなくてはいけない。だから「男性もちゃんと分担しよう」ということで、「イクメン」が出てきた。キラキラしたワーママが出てきて、スーパーワーママみたいな人もいましたが、それは現実的ではないし、パパも一緒にやろうということで「イクメン」というスタイルが注目されたわけです。

だけど二人とも働きながらだと結構きついし、今度はこの歪みというかエアポケットを中間管理職が「イクボス」という形でなんとかしろと言われています。今の若い世代は男も女も働いて育児もしなくちゃいけないから、部下のワーク・ライフ・バランスをなんとかしろと押しつけられているのが、今の中間管理職というところだなと思うわけです。

 

「セックスレス」データとその実態

おおた 最後に夫婦のセックスレスの話を。僕はかつてリクルートの『妊すぐ』っていう雑誌の編集部におりまして、そのときにとったアンケートの結果です。「妊娠中いつまでセックスをしていたか」と、「産後のセックスの再開時期」の関係というデータなんですが、出産ギリギリまでセックスをしていた人たちは、なんと出産1カ月後には33%が再開しているんですよ。だいたい1カ月検診で順調だと「性行為もいいですよ」と言われるんだけど、こういう人たちは早いタイミングで回復します。逆に、妊娠が発覚してから怖くてセックスができなかった人たちは、なかなか再開しない。半年経って26%程度です。ここからいえることは、妊娠中も継続的にスキンシップを取っていると、その後もよい関係が再開しやすいかなと。

ちなみに、妊娠ギリギリまでセックスしているカップルがどれぐらいいるかというと、41%が「いつもと変わらず、妊娠初期から後期までセックスをしていた」と回答しています。「妊娠後、出産後にセックスレス」は9%。『妊すぐ』の読者に関しては、結構な割合でセックスのある生活をしていると思います。じゃあ、妊娠が発覚してからずっとセックスレスだったという人は、いつ再開しているのかというと、出産後1年の12カ月で約7割、1年半の18カ月で9割というデータがあります。

お二人には、『VERY』と『FQ JAPAN』読者のセックスレス率のデータがあれば、教えていただきたいなと思います。

宇都 去年、パパに聞いたデータがあります。セックスレスという定義で期間がどれぐらいかというところはそれぞれのご家族に委ねるとして、3分割できるんですね。まず、1カ月に1、2回が3割、半年に1回が3割、それ以上やっていないのが3割ぐらいですね。

おおた これはイクメン雑誌での読者の割合ですね。『VERY』はどうですか。

今尾 『VERY』は、結論から言うと二極化しています。アンケートだと週に1回以上が全体の4分の1いて、でも年に1、2回程度という人も全体の4分の1ぐらい。

おおた 4分の1がセックスレスになっていく。

今尾 でも、1カ月で2、3回とか回答する人が全体の40%ぐらいいるんですよね。『VERY』の取材班はみんなびっくりしていて、実際の対面での取材だとセックスレスにすごく悩まれている方が多いのに、アンケートを広く取るとそうではない答えが返ってくる。実際にお話を伺うと、私もセックスレスの方がだいぶ多い感覚を持ちます。

 

スキンシップをとって「オキシトシン」を出す

おおた 二極化でいうと、普段から人前でもスキンシップを取るようなカップルはセックスをしているというのは、「オキシトシン」からも説明することができます。オキシトシンはスキンシップを取ると出ます。出れば出るほど相手に愛着を感じるから、さらにスキンシップを取りたくなる。ざっくり言うと、セックスレスになっちゃったときは、オキシトシンが出なくなっているわけですね。そこからいきなり、「セックスレスもまずいから今日しようか」っていきなり挿入するのは、嫌ですよね(笑)

だから僕が「ポイント制」と言っているのは、「ちょっと肩を叩いたら1ポイント」とか「ハグをしたら5ポイント」とか「チューをしたら10ポイント」とかいうふうに、少しずつオキシトシンが出るような態勢にしていかないと、いきなり裸になって抱き合っても違和感しかない。例えば最初にデートを誘うのって、時間がかかるじゃないですか。そこから手を握ってドキドキしながら少しずつ距離を縮めていくように、それをやりましょうということを『〈喧嘩とセックス〉夫婦のお作法』にも書いたんです。

宇都 はい、そこは興味深く拝読したところです。

おおた 先ほど宇都さんからセックスレスの定義という話がありましたけど、よく杓子定規に言う「1カ月以上ない状態」だと、該当する人が多いと思うんですよ。でも、挿入・射精だけではなくて、「親密なスキンシップ」のことをセックスだと本の中でも言っているんです。日本のAVみたいにガツンガツンすることではない。10年ぐらい前に流行ったポリネシアンセックスみたいに、すごく静的な、相手の存在を全身肌で感じるみたいなセックスもあります。

若い頃のAV的なセックスって、歳を取ってきたら当然しないし、そうじゃない性の形もある。妊娠でお腹が大きくなって、赤ちゃんのことを気遣いながらスキンシップを取りたいなら、手をつなぐだけでもいいし、一緒にお風呂に入るだけでもいい。そういうようなスキンシップを保つことによって、オキシトシンを赤ちゃんだけに100%持っていかれない夫婦関係ができていく感じもします。

実は不倫と長時間労働というのも、つながっていると思います。今、不倫はメチャメチャ叩かれるじゃないですか。だけど昔は「不倫は文化だ」とかいう言葉もあったし、「仕事とセックスは家庭に持ち込まない」とか昭和にはよくあった話です。それと長時間労働がセットだったという気がするんですよね。

だって、不倫しているときって「今日も仕事で遅くなる」「ちょっと取引先と……」とか言うけども、長時間労働という文化がなければできなかったはずなんです。お金的にも「残業代は自分のお小遣い」みたいな部分があって、「24時間働けて、愛人の一人や二人いるのができる男の甲斐性だ」という価値観があったわけじゃないですか。

宇都 ありましたよね。でも、変わっていった。

おおた つまり、不倫していれば夫婦間はセックスレスになるだろうし、長時間労働からもセックスレスになるだろうし、もしくは産後クライシスをきっかけにセックスレスになることによって不倫して、それをごまかすために長時間労働するふりとか……いろいろなことがつながっていました。

でも、今それが完全にひっくり返ろうとしている。長時間労働も、不倫も「かっこいいことじゃないよね」という価値観に変わろうとしているんじゃないでしょうか。

 

立場が違えば見え方も違うことを前提に

おおた 最後にもう一度、動画を皆さんにご覧いただきたいと思います。たぶん、どこの家庭でもこれに似たようなすれ違いが起こっているんじゃないでしょうか。

サイボウズ ワークスタイルドラマ「声」

おおた なかなか切ないですね。さっきのおむつのCMにしても、客観的な理屈で考えれば「一つの表現としてあり」と思えるけども、当事者から見えている風景は旦那さんから見るのと、奥さんから見るのとでは違ったりする。それぞれの置かれた立場から受け取る意味合いは変わってくる。だから、そこに自分と同じ風景を見ていないのかもしれないという想像力を、今日は一つの大きなテーマとして話したいなと思っていました。

要は、夫婦というのは、個人の関係の中でも、社会の中でも「なんでこんなメッセージを発するんだろう」と思うことがあるけれども、そこで自分の違和感をいきなり非難の言葉として浴びせるんじゃなくて、「でも、この人にもなにか意図があったはず」という部分を受け取ってあげる。着地失敗したのだったら、どうすれば今後いいのかというふうなことをやってかないといけない。

おむつのCMのように、「ワンオペ育児を容認しているようなもんじゃないか」というのも正論ではあるんだけども、でもその正論をぶつけることによって、ますます世の中がトゲトゲしくなっていくのかなと。それはたぶん自分にも返ってくるし、子育て世代にも返ってきて、「ベビーカーが邪魔」だとか言われかねない。どうやって世の中が大らかになっていくのか、コミュニケーションの仕方を考えていったほうがいいのかなぁと。「でも相手にもなにか背景があるのかもしれない」と、そこの想像力を働かせるのが大事なのかなと思います。

今尾 サイボウズの動画のような家庭は多かれ少なかれあるので、夫婦間だけじゃなくて吐き出せるところが、おおたさんの「パパの悩み相談横丁」みたいにあると、全然違うだろうなって思います。あと、もし『VERY』の読者さんがつらい思いをしているとしたら力になりたいし、夫婦の形は正解が一つであるわけではないし、この時期がずっと続くわけでもないし、そういうことを多様な形の企画でお伝えできたらなというのは、常々思っております。

おおた 夫婦というのは赤の他人であって、まったくわかり合えないことはないんだけれども、完全にわかり合えることもない。でもそれって諦めじゃなくてリスペクトと同じで、「お互いに一人の個人なんだから、100%わかり合えることや、同じ考え・感じ方になることなんてありえない」という前提に立つことです。溝があって当然で、溝を感じたときにどうやってお互いに埋めるのか。お互いの話を丁寧に聞かないと、「言わなくてもわかってほしい」「わかっているつもり」とか、相手の感情を勝手に決めてしまってこじれてしまう。

 

いさかいを恐れず、楽観的な見通しを持つ

宇都 おおたさんの本の中に「凸凹」の話が出てきましたが、僕はそこがポイントになるかなと思っていますね。

おおた はい。夫婦二人のときにすごく仲がよかったカップルというのは、心理学的に言うと凸凹がうまく噛み合うという話ですね。自分の出っ張っているところは相手がへっこんでいて、それで相性がよかった。例えば「自分は自由が好きだ」という男性とは、「遠慮も必要でしょう」みたいな控えめな女性のほうが、夫婦ではうまく噛み合うわけですよ。

だけど子どもができると、旦那は「自由に育てなきゃ」で、奥さんのほうは「遠慮を教えなきゃ」みたいに、今まで噛み合っていたものが別の形で葛藤が起こりやすい。だから、仲のよかったカップルほど子どもができると喧嘩が増えやすい、という話を本の中で書きました。

このサイボウズの動画を見て、宇都さんはどう思いますか?

宇都 「掃除をしなきゃ」など“こうあるべき”ということに対してそうならないときに、ストレスが起きてしまいますよね。夫婦のすれ違いは“こうあるべき”という固定概念がいろいろ邪魔をしており、「違いをどう認めるか」が重要になってくるかなと思いました。

今尾 女性誌の立場でママたちを応援したいので、おおたさんのおっしゃる「違いを前提とする」というのはもちろんだと思うし、違いのメカニズムを知らなかったりするから、体のことも含めてまずお互いに知ったほうがいいというのは大前提だと思うんですね。

ただ、本の中に「男の人は察する能力が足りない」とあったんですけど、でもそうだったとしても、産後のママたちは本当に大変で、体が違うわけだし、その時期は感情もコントロールしにくいわけだから、「察せられないんだよ」とか言っている場合じゃないと思うんです、本当に。男の人たちは同じ時間に大変なことを外でされているかもしれない。でも、子どもを抱えている緊張感って大変なものだと思うので、まずはママを寝かせてあげてほしいし、その時期だけは何より寄り添ってあげてほしいなって。だからやっぱりコミュニケーションをとって話すことも大事だなということを、今日あらためて思いました。

おおた 産後のママはどうしたってそういう状態になります。それを「妖怪育児疲れに取り憑かれているだけ。それさえ追い払うことができれば、また元のかわいいママに戻ってくれるから」という話をするんですが、だけどその「妖怪育児疲れ」にママが取り憑かれているとき、パパも「妖怪仕事疲れ」に取り憑かれてしまうと、受け答えする余裕もなくなっちゃうんですよね。だから、「察しろよ」とかになっちゃう。

そこで育休は取れないまでも、ママの気持ちを少しでも想像できるぐらいに、自分の心の余裕が最低限保てるようなペースで仕事をセーブする。これはできるんじゃないかと思います。

ある調査によると、結婚25年以上幸せに過ごしている夫婦に共通しているのは、「いさかいを恐れない」そして「楽観的な見通しを持つ」ということでした。喧嘩の仕方というのは本の最終章に書きましたように、意見がぶつかることを恐れないことです。夫婦喧嘩を乗り越えていった分だけ、自分たち夫婦の財産になっていくというふうに捉えてほしい。今日の約2時間半が夫婦生活を考えるきっかけになって、さらに夫婦関係を進化させていただければと思います。本日はありがとうございました。
(おわり)
 

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今尾朝子

女性誌「VERY」(光文社)編集長。神奈川県生まれ。フリーライターを経て、1998年光文社に入社。「STORY」編集部などを経て、2007年、35歳にして現職に抜擢。子育て中のママから圧倒的な人気を得て、30代向け女性ファッション誌でトップを走り続ける。

宇都直也

男の育児雑誌『FQ JAPAN』編集長。2006年同誌創刊立ち上げメンバーとして、10年ほど男性の育児業界に携わる。育児雑誌が選ぶ子育てアワード「ペアレンティングアワード」実行委員。パパの座談会「パパノセナカ」も主催。毎年100名近くのパパを取材。

おおたとしまさ

育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラー。1973年東京生まれ。上智大学卒業。長男誕生を機にリクルートを脱サラ。数々の育児・教育雑誌の編集を経て、現在は、男性の育児、子育て夫婦のパートナーシップ、学校・塾の役割などについて、取材・執筆・講演活動を行う。ラジオ番組にもレギュラー出演中。サイト「パパの悩み相談横丁」ではメールで全国のパパからの悩みに日々応えている。著書は『ルポ父親たちの葛藤』(PHP研究所)、『パパのトリセツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など45冊以上。

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