1. Home
  2. 社会・教養
  3. 深海散歩 極限世界のへんてこ生きもの
  4. 第5回 生態もすごいが見た目がすごすぎる...

深海散歩 極限世界のへんてこ生きもの

2017.07.15 更新 ツイート

第5回 生態もすごいが見た目がすごすぎるザラビクニン藤倉克則

不思議な深海生物について、最新研究からわかったことを美しい写真とともに紹介するビジュアルブック『深海散歩 極限世界のへんてこ生きもの』が発売になりました。
その中から今回は「逆立ち――ザラビクニン」を試し読みとして公開します。
ウロコがなく、ゼリーみたいにぶよぶよの体を持つ、逆立ち泳ぎの魚……。深海で出会ったら思わず叫んでしまいそうな強烈キャラです。

逆立ち

ほとんどの魚は背を上にして泳ぐ。カレイやヒラメなど、海底に横たわるものは横たわった姿のまま泳ぐし、タチウオやリュウグウノツカイは、頭を上にして縦になって泳ぐ。ところが、深海では不思議な動きをする魚も発見されている。

ザラビクニンは、日本海とオホーツク海の、200〜800mの深海に棲む魚。全身がほんのり桜色をしていてウロコはなく、体はゼリーのようにぶよぶよ。素手ではもちにくいほどぬめりがあり腹には小さな吸盤がある。

風になびくようにゆらゆらと泳ぐが、獲物を探すときは、頭を下にして逆立ちをしたような姿で泳ぐ。胸ビレの先と口の下に味を感じる器官があるので、頭を下にして海底の砂や泥の中にいる獲物を探す。獲物が胸ビレに触れると、素早く食いつくという。

 

ザラビクニン
Careproctus trachysoma
英名は「pink-bearded snailfish(ピンクのアゴヒゲのあるクサウオ)」。いくつかの研究所や水族館では、飼育下での孵化に成功している。成魚は体長が30cmほどになるが、生まれたばかりの稚魚は2cm足らず

写真/amanaimages​

 

最終回「第6回 足のトラブルとは無関係、深海のミズムシ」は7月19日(水)に公開予定です。

関連キーワード

関連書籍

藤原義弘『深海のとっても変わった生きもの』

{ この記事をシェアする }

深海散歩 極限世界のへんてこ生きもの

バックナンバー

藤倉克則

国立研究開発法人 海洋開発研究機構(JAMSTEC)上席研究員。1964年栃木県足利市生まれ。東京水産大学(現 東京海洋大学)大学院 水産学研究科 資源育成学専攻 修士課程 修了。博士(水産学)。専門は深海生物生態学。深海化学合成生態系の生態に関する研究や海洋生物の多様性研究を行っている。おもな編著・監修書等に『潜水調査船が観た深海生物 深海生物研究の現在』藤倉克則, 奥谷喬司, 丸山正 編著(東海大学出版会)、『深海のフシギな生きもの 水深11000メートルまでの美しき魔物たち』藤倉克則, ドゥーグル リンズィー 監修/ネイチャー・プロ編集室 構成・文(幻冬舎)、『深海の生物』藤倉克則 監修(ポプラ社)などがある。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP