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人生は「一言力」で決まる!

2017.01.24 更新 ツイート

「売れるネーミング」の秘密、教えます川上徹也

 上司への報告、部下への指示、クライアントへのプレゼン、新商品の売り出し、入学・入社面接、司会やスピーチ、飲み会・合コン……日常生活のあらゆる場面で役に立ち、一生の武器になるのが「一言力」すなわち「短く本質をえぐる言葉で表現する能力」。
 コピーライターの川上徹也さんが、「一言力」を「要約力」「断言力」「発問力」「短答力」命名力」「比喩力」「旗印力」の7つの能力に分析し、どんな人でもすぐ、「人の心をグッとつかむ一言」が言えるようになるノウハウを伝授します。今回は「命名力」についてです。

* * *

■名前が変われば売り上げも変わる

「一言力」に必要な能力の5番目は「命名力」です。
“興味をひく名前をつける力”のこと。
「ネーミング力」「タイトル力」「造語力」とも言えます。
「名前」はその人や物を表す「顔」とも言える、重要なポイントです。

 的確な名前をつけることで、長々と説明しなければならないことを、ずばり言い表すこ
とができます。まさに「一言力」に必要な能力です。
 ビジネスの現場であれば、商品名、会社や店の名前、部署の名前、チーム名、メニュー
名、イベント・プロジェクトの名前、企画書・番組・書籍などのタイトル、抽象概念や社
会現象など、いずれも名前のつけ方ひとつで印象は大きく変わります。
 商品名が変われば、売れ行きにも大きな影響を与えるのです。

■日本野球界最大のヒット商品とは?

 2016年、日米通算4257本安打のギネス世界記録、メジャー通算3000本安打を達成したイチロー。
 彼も名前を変えたことで大ヒットした「商品」です。

 イチローの本名は鈴木一朗。1991年、オリックス・ブルーウェーブに入団しましたが、1年目2年目は、一軍に定着できませんでした。
94年、監督に仰木彬が就任。鈴木の打撃センスを見抜き、レギュラーに抜擢し売り出すことを決めました。本名の「鈴木一朗」のままでは平凡で目立たないと、仰木は登録名を「イチロー」に変更することを提案し、本人も受け入れます。

 それまで外国人が、読みやすいように登録名を変えることはありましたが、日本人がカタカナの登録名にしたのはイチローが初めてでした(同じチームの佐藤和弘も、同時に「パンチ」というカタカナ登録名になりました)。

 改名したイチローは、開幕からレギュラーとして大活躍。その年、日本プロ野球史上初
のシーズン200本安打を達成。首位打者のタイトルとともに打者としては史上最年少でのシーズンMVPを獲得し、大ブレイクしました。
 日本野球界最大のヒット商品「イチロー」の誕生です。

 もちろん、名前を変えなくても大活躍した可能性は高いでしょう。
 ただ、もし「イチロー」が「鈴木一朗」のままだったらと想像してみてください。
 ここまで親しみを持って名前を呼ばれる、記録にも記憶にも残るスーパースターになれ
ていたでしょうか?
 この答えは神のみぞ知るですね。

■ネーミングの基本「3つのS」とは?

 商品やサービスなどのネーミングはどのように考えたらいいでしょう?
 まずは以下の「3つのS」を基本に考えましょう。

(1)ショートshort――短い名前にする。できれば7字以内が理想。
 (2)シンプルsimple――
わかりやすく覚えやすい名前にする。
 (3)ストレートstraight――
まっすぐ機能等を訴える名前にする。

「難しい」「読めない」「複雑」などのネーミングは避けましょう。
 実際の商品をネーミングする際には、商標登録の問題もあります。
 名前のつくり方も、本一冊でも足りないくらいの方法があります。
 前述した「3つのS」の原則の正反対で考える方法もあるでしょう。
 飲食店のメニュー名などは、そっけないものが多いので、地名や形容詞をつけて長くす
るという手もあります。

 ここでは、ネーミングの基本になる手法のいくつかを、小林製薬の商品名をもとに考察
していきます。

 なぜ小林製薬の商品名なのか?

 理由は、小林製薬の商品名がベタですが非常にわかりやすく、ネーミングの基本を学ぶ
にはとてもいい教材だからです。

 

■ドロドロ開発で泥臭く

 小林製薬は商品のネーミングを非常に重視しています。
「“あったらいいな”をカタチにする」というブランドスローガンのもと、今まで市場になかったニッチな製品を開発しているため、わかりやすく「何をしてくれる商品か」を伝えないと、消費者は目にとめてくれないからです。

 ネーミング会議は、開発チームの担当者同士が膨大な数から絞り込んでいきます。ドロドロと意見を戦わせながら泥臭く取り組むために、通称「ドロドロ開発」と呼ばれているそうです。そこで決まったネーミングが、社長決裁を経て世に出ます。
 以下、小林製薬の主な商品名を勝手に分類してみました。

(1)機能そのまま型
 まさに商品機能をそのままネーミングしたもの。「〇〇洗浄中」のように状況描写をするパターンもあり。

糸ようじ
 あせワキパット
 トイレその後に
 チン!してふくだけ
 髪の毛集めてポイ
 コリホグス
 ポット洗浄中
 ステンレス水筒洗浄中

(2)足し算型
 用途や効用を足したネーミング。文字が重なると省略したり、変化させたりして、語呂
をよくする工夫も多々見られる。

熱さまシート(熱をさます+シート)
 ケシミン
(消す+シミ)
 のどぬ~る
(のど+塗る)
 サカムケア
(さかむけ+ケア)
 ブレスケア
(息+ケア)
 キズアワワ
(傷+あわで消毒する)
 ブルーレット
(ブルーの水が流れるトイレット)

(3)用途+語感型
 用途はわからせつつ、語感優先で何かの言葉をつけたもの。

ボーコレン(膀胱炎治療薬)
 アイボン
(眼病予防薬)
 ズッキノン
(ズキズキ のん)
 カゼピタン
(カゼの諸症状をピタンととめる)
 ナリピタン
(耳鳴り改善)
 ナイトミン
(睡眠改善薬)
 ビフナイト
(美皮膚夜)
 ビスラットゴールド
(美すらっと)

 いかがでしょう?
 そのほとんどが、前述したネーミングの基本「3つのS」を満たしていることがわかる
でしょう。
 おしゃれっぽいけどわかりにくい名前よりは、よほど記憶に残ります。
 あなたが何か商品のネーミングをする時に、ぜひ参考にしてみてください。

川上徹也『一言力』

上司への報告、部下への指示、クライアントへのプレゼン、新商品の売り出し、入学・入社面接、司会やスピーチ、飲み会・合コン…日常生活のあらゆる場面で役に立ち、一生の武器になるのが「一言力」すなわち「短く本質をえぐる言葉で表現する力」。本書ではコピーライターの経験から編み出された、一言力を身につけるメソッドをついに開陳。「要約力」「断言力」など一言力を構成する7つの能力からアプローチする実践的ノウハウで、誰でもすぐ当意即妙の一言が言えるようになる!ライバルには教えたくない一冊。

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川上徹也

コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。様々なプロジェクトに関わる中で「一言力」に磨きをかける。企業の旗印になる「川上コピー」を得意とする。受賞歴多数。「物語の力で会社や商品を輝かせる」という手法を体系化し、「ストーリーブランディング」と名付けたことでも知られる。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』(共に角川新書)、『あの演説はなぜ人を動かしたのか』(PHP新書)など多数。

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