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新築マンションは9割が欠陥

2016.07.11 公開 ツイート

欠陥は“あること前提”で考える 船津欣弘

新築マンションは9割が欠陥』の試し読み最終回。安全からはほど遠いことが明らかになってしまった日本の新築マンション。これまでとは違う、新しい住まいの常識を持つことが求められています。

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 リクルート住まいカンパニー「2014年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、一般の方が物件選びで重視する上位3項目は、「価格」「最寄り駅からの時間」「住戸の広さ」で、品質を示す「耐久性・構造」を重要と考える方はごく少数派(12位)です。

 ただ、昨今の事件をきっかけに、品質に目を向ける方も増えてきたようです。後悔しないためにも、物件選びの最重要条件として「品質」を考えていただきたいと思います。

 そして大事なのは、もしかしたら欠陥があるかもしれない、という前提で考えることです。欠陥マンションを絶対に買わないための対策なのに、矛盾しているじゃないかと思われるかもしれません。しかし、物事に「絶対」はないと述べたように、どんなに気をつけても絶対に欠陥マンションを購入しないとはいえません。

 欠陥があることが明らかになり、住民との話し合いが続いている「パークシティLaLa横浜」や「パークスクエア三ツ沢公園」など、偽装や欠陥が発覚したマンションに住む人たちだって、まさか検討に検討を重ねて購入を決めたマンションに欠陥・不備があるとはよもや思わなかったでしょう。

 トラブルに巻き込まれてしまってから対策を考えるのでは遅すぎます。専門知識もない、頼れる専門家もすぐには見つからない、となると場当たり的に対処するしかできなくなってしまう恐れがあります。修繕か建て替えか、あるいは売主が買い取るのか等を争い続けたり、長引くケースでは住民が「欠陥ではないか」と指摘してから解決するまでに10年、20年とかかる場合もあります。

 そんな不幸に巻き込まれたくはありませんが、「うちのマンション、もしかして欠陥があるかも・・・・・・」と思ったときに取るべき対策について知っておくことは、とても大事なのです。

関連書籍

船津欣弘『新築マンションは9割が欠陥』

社会を震撼させている欠陥マンション問題。国内有数の大手デベロッパーやゼネコンが手がけているにもかかわらず、なぜ欠陥はなくならないのか。ずさんすぎる現場の実態に業を煮やした建築検査のプロである著者が、事件の裏に潜む不動産業界の病理をついに告発。昨今の事例を元に、複雑に絡み合った欠陥の要因を明らかにしていく。また、資産価値が高く品質の良いマンションを購入する心得や、欠陥が見つかった場合の対処法など、住まいの安全を死守する方法を紹介。欠陥マンションという負債を人生に持ち込まないための警告と救済の一冊。

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新築マンションは9割が欠陥

社会を震撼させている欠陥マンション問題。
国内有数の大手デベロッパーやゼネコンが手がけているにもかかわらず、なぜ欠陥はなくならないのか。
ずさんすぎる現場の実態に業を煮やした建築検査のプロである著者が、5月30日発売の新書『新築マンションは9割が欠陥』でその病理を紐解いていきます。

ここでは、書籍から一部を抜粋し、複雑に絡み合った欠陥マンションの要因を明らかにすると同時に、本当に賢いマンション購入についてもご紹介します。

バックナンバー

船津欣弘 総合検査株式会社代表取締役

1965年、福岡県生まれ。設計事務所勤務を経て、2001年11月、GAO建築工房設立。阪神・淡路大震災の被災経験から2003年より欠陥住宅問題に取り組み始め、構造計算偽造事件をきっかけに、建築検査業務専業となる。2011年4月、総合検査株式会社代表取締役に就任、現在に至る。
著書に、『あなたのマンション選びを絶対失敗させない本』(大和出版)『地震に「強い家」に住む』(日本経済新聞出版社)等がある。

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