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「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人

2016.02.19 更新 ツイート

第5回

「ニット」なりたい素肌はニットで叶える大草直子

人気スタイリスト大草直子さんの文庫最新刊『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』(2月9日発売)より、試し読みをお届けします。春に向けて、「おしゃれ心」を高めませんか。
 

「ニット」 なりたい素肌はニットで叶える

 ニットの「似合う・似合わない」は、その年齢によって変わります。例えば20代。タートルネックが最も似合う年代です。しかも素材は、ウールのようなマットなものでも大丈夫。首から肩、そして二の腕のラインも、まだスポーティで軽やか。そして、艶【つや】やかな肌や髪。デコルテ、首――全身のコーディネートの「光」を隠しても、ストイックに着られるのです。
 それが、30歳を少し超えると、ある日突然「タートルが似合わない日」がやってくる。遅かれ早かれ訪れるその日を境に、今度はVネックニットが楽しめる年代に突入します。素材は、まろやかな光沢があるカシミヤがおすすめ。デコルテの肉がそげ、胸が下がってくる。そうすると、Vゾーンに艶やかな色っぽさが漂い、そこを品良く強調できるVネックが驚くほど似合うようになるのです。肩のライン。丸みを帯び、厚みを増すそのアウトラインを、Vの輪郭はシャープに見せてくれる。ニット、細かく編んだしかもハイゲージニットは、女性の肌の質感に近い、柔らかな素材感が特徴です。年齢と共に変化する素肌感に敏感になると、その年齢で最も似合うひとつが見つかるはずなのです。
 私の場合も、オードリー・ヘップバーンのような少年っぽいタートルネックの着こなしに憧れて、冬中ずっと、黒やネイビーのタートルを愛用していたのに、ある瞬間に以前とは同じ着こなしができていないことにショックを受けました。ただし、その次の一瞬には、「Vネックが今までよりうんと似合っている」ことに満足したのでした。そして思うのです。こんなふうに、そのときどきで楽しめるファッションが違うことは、とてもエキサイティングで幸せなことだと!
 今現在は、カーディガンのおしゃれに開眼。1枚でカットソーのように着たり、肩に掛けてストールみたいにしたり、あれこれアレンジして楽しんでいます。Vネックと同様、大人にこそ似合うこのアイテムの着こなしに、この先もっと練習して上達したいと思います。
 

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大草直子

1972年東京生まれ。スタイリスト、エディター。『おしゃれの手抜き』『「おしゃれな人」はおしゃれになろうとする人』『「明日の服」に迷うあなたへ』など著書多数。2015年よりウェブマガジン「mi-mollet」の編集長を務める。

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