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『男尊女卑という病』刊行記念インタビュー

2015.10.04 更新 ツイート

女が不思議に思う
男の7つのナゼ?【前編】片田珠美

 いけないとわかっていても、旧態依然とした「男尊女卑」の言動がポロリと出てしまう人の精神病理をあきらかにし、静かに注目されている『男尊女卑という病』(片田珠美著)。詳細は本書をお読みいただくとして、今回、片田先生には、もっと身近な疑問をぶつけてみました。題して、女性が男性に対して不思議に思う「7つのナゼ?」。
 男尊女卑とまでいかずとも、なぜ男性はこんな行動を女性にとってしまうのか? 若干、独断と偏見にまみれた質問と自覚しつつも、その心理的背景をズバリ解明していただきました。女性は納得、男性は自分で気づかなかった心理に驚愕……!? (聞き手:plus編集部)

 

 

1 男はなぜ、バカな女が好きなのか?
———先生、さっそくですが、「男性が好きな女性のタイプ」について質問です。
 たとえば身近な話で言うと、「仕事ができない後輩(♀)が、男性社員にチヤホヤされてる」とか「天然っぽい女がなぜ男ウケするのか」といった女性側の不満を時々聞きます。本書(『男尊女卑という病』以下同)では実際、「自分より頭のいい大学出の女とはつきあえない」とのたまった30代男性のケースも出てきました。

片田 ありましたね。

———女が女を見るときは嫉妬もからんでしまうかもしれませんが、それはさておき、なぜ世の中には「バカな女のほうがかわいい」と思う男性が多いのでしょうか。

片田 それは一言で言うとですね、男性は女性より優位に立ちたいんです。そういう願望があるからです。とくに、自己愛がヘンに肥大してしまっている男性は、自分が優位に立てると思った女性としかつきあいませんね。

———バカな女のほうが支配しやすい、と心のどこかで思っている。

片田 自分の言うことを聞く女性のほうが、男性にとって都合がいい。それに尽きます。

———どんな男性でも、支配したいという欲求は、ある程度、持っているんでしょうか。

片田 それはもう。たとえば、イマドキの若い人って、一見、優しそうじゃないですか。そういう男性にももちろんありますよ。だから自分よりちょっと上だなと判断した女性からは、自然と遠ざかってたりしてね。

———なるほど……。でも、今の彼氏や旦那さんが、「コイツよりは優位に立てる」と思ったから自分を選んだんだ、と勝手に想像すると、女性にとってはある意味、ショックですね……。

片田 あと、これは封建的な時代の話ですけど、「嫁をもらうには下からもらえ」って昔から言われていたんですよ。

———下、ですか?

片田 私の祖母くらいの時代だと、ほとんど見合い結婚だったんです。そうすると、家の格とか資産とかが重要で、嫁をもらうなら格下から、というのが原則だったんですね。お婿さんも「嫁より優位に立ちたい」という意識があるし、姑の側にも、「立場が上の嫁に来られて、ろくに働かずエラそうにされても困る」という思惑があったんです。

———昔からの慣習や、息子と母親の考えが一致して、そういう意識が受け継がれてきた部分もあるんですね。

片田 戦後に華族制度がなくなると、没落した華族のお嬢様と、お金はあっても家柄の悪い男がくっつく「家柄とお金の結婚」という話が出てくるんですけれども。

————地域によっては、そうした慣習をうっすらと受け継いで、男性も、「結婚する女性」と「つきあう女性」は違って当然、結婚するなら格下から、という意識が残っているところもあるかもしれませんね。

片田 あると思いますよ。男性が「結婚する女性」と「つきあう女性」は違うというのは、次の問いに関係してくるところもありますね。

 

2 男はなぜ、美人と巨乳が好きなのか
片田 男性はやっぱり美人が好きだし、巨乳の女性も好きなんです。でもそういう女性と結婚するかというと、それは別の話。
 たとえば、男性はそういう女性が好きな一方で、「彼女は家事とか子育てとか家計の切り盛りとかができないかもしれない」と考える。だからそういう見栄えのいい女性とおつきあいはしても、結婚するなら堅実な女性と、というパターンはよくありますよね。

——男性にもそういう区分けはあるんですね。女性もイケメン好きで結婚は別という人はいるでしょうから、男性ばかり責めるわけにはいきませんけれども。

片田 そうそう。私もイケメン好きですよ。きれいな男の子が好き。そういう男性を連れて街を歩きたいです(笑)。美しいものっていいじゃないですか。あなたも好きでしょう?

——確かに、一緒に歩けたら心が弾みます。

片田 その人と結婚するかどうかは別にしてですよ。

———そうですね(笑)。

片田 あと本の中でも「トロフィーワイフ」について書いていますが、日本でもよく、成功した実業家の男性が、きれいな女優さんや女子アナと結婚したりしますよね。それは、たとえばハリウッドで功なり名遂げた老スターが糟糠(そうこう)の妻を捨て、若くて美しい妻と再婚し、それこそトロフィーのように妻を見せびらかしている状況と同じです。男性にしたら、自分はこれだけの女をゲットしたんだ、それだけ自分には魅力も財力もあるし、成功しているんだという証ですよね。

———美人とつきあったら、勲章の一つとして見せびらかしたくなる。

片田 私たちだって、すごく見た目がよくてお金持ちでエリートの男とつきあえたら、やっぱり嬉しいじゃない。友人に見せたくなるでしょ。それと同じことなんですよ。

————なるほど……。では男性の巨乳好きの背景についてはどうでしょうか。

片田 それはやっぱりマザコンということですね。

———そっちなんですね。

 

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片田珠美 精神科医

広島県生まれ。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学び、DEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて犯罪心理や心の病の構造を分析。精神分析的視点から、社会の根底に潜む構造的な問題も探究している。主な著書に、『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)、『他人の意見を聞かない人』(角川新書)などがある。最新刊は『被害者のふりをせずにはいられない人』(青春新書)。

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