現役の大学病院医学部教授である大塚篤司先生が、「教授選」を舞台に、「まさかのまさか」まで書いてしまった小説が、文庫になって登場!
文庫化にあたり、医師の友利 新先生が巻末に解説を寄せてくださいました。友利先生の絶叫(!)が聞こえてきそうな解説分より、一部抜粋します。
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本書は、今回の文庫化にあたって、タイトルを『教授選クエスト 黒い善意と白い悪意』としていますが、2023年に単行本として刊行されたときは『白い巨塔が真っ黒だった件』という題名でした。
当時の衝撃は言葉にできません! 大学病院は「白い巨塔」と言われますが、実際「白いのか?」と問われれば、「はい」とは言いにくい……。それをタイトルで暴いちゃってるわけですから、え?それ、書いちゃったの?と。
帯には「現役大学病院教授が書いた、“ほぼほぼ実話!?”の教授選奮闘物語。」なんてキャッチコピーもついてるわけで、動揺のあまり
「医学界の真実を書いてしまった大塚先生の身が心配」
と、自分のInstagramにコメントをアップしてしまったほど。
実際、「先生が消されないことを祈っております!」とご本人にもお伝えしましたし、実は今も本気で案じているんです。夜道を歩くときに気を付けないといけないのでは ……と。
それくらいこの小説は、生々しいですし、過激です。それこそ、医学の世界に投げ込まれた劇薬と言ってもいいのでは……。
文庫解説は、いきなりこんな文章で始まるのです! 本書が出たとき、友利先生がどれほど青ざめていたかが伝わってきます。
そして友利先生ご自身が”医学界隈”に感じていることなどが続くのですが、これはこれで友利先生の言葉も生々しい……。
それらは、ぜひ本書に収録の解説をお読みいただくとして、友利先生は、今回のサブタイトルになった「黒い善意と白い悪意」についても、触れてくださっています。
今回のサブタイトルにある「黒い善意と白い悪意」、まさにこれに呑み込まれていきます。
物語の中で、“大塚先生”を教授に選びたくなかった人たちが出てきますが、その人たちにもその人たちの“正義”があり、“善意”がある。
怪文書を出したり、ひどい噂話を流したりする人も、彼の中では「善意ゆえ」なんでしょうし、彼の立場に立ってみると、なるほどそうだなとも思える。
こういう「黒い善意」もあれば、味方のふりして足を引っ張る「白く見える悪意」もあって、そういう理不尽なものだらけの中で動いている。
サブタイトルの意味がどんなだろう?と思った方に、とてもわかりやすく説明してくださいました。
さて、ここから、なかなかのことも書いてくださってます。
教授選って、ほとんどの人にとってなじみのないものだと思いますが、でも、決して特殊なことばかりではありません。そもそも医局って、社会の縮図です。
本書のシチュエーションも、社会で戦っている人なら共感できるものが多いのでは。どこの会社だって、社内の人事となれば、みんながみんなクリアなわけではないでしょう。“派閥”の存在は必ずあるし、嫉妬もすれば、不満もあって当然。その中で動こうとすれば、挫折も失敗もするし、悔しい思いをしないなんてありえないし、騙されたりやられたりの繰り返しでしょう。
この物語では、そういう苦難がやってくるたびに、主人公の“大塚くん”が、「こうすればよかったのか!」と傾向と対策を考え、「勉強になったぞ」と前を向く。行き先々で魑魅魍魎が出没する世界を戦い抜くサクセスストーリーなわけですが、主人公が完全無欠のスーパーヒーローじゃないところがいい。
人間味あふれる主人公が成長していく点に、親近感が湧きます。それに、ちゃんと助けてくれる人が現れるんですよね。もちろん、助けてくれる人が現れるかどうかは、人徳ですけど。
とにかく、この世界の“真っ黒さ”は、読者の皆さんの想像の何倍も恐怖なわけです。それを大塚先生は、フィクションとはいえ、主人公の名前を自分の名前と全く同じにして、ここまで書いてしまった!
今までこんなことを書こうと思った現役の教授は、いらっしゃらないのではないでしょうか。でもこれは、「大塚先生だから、やれたんだな」と思うんです。普通は、”ここまで書いてしまったら”ハレーションも起こりそうですけれど、そういったことが起こらないのが、大塚先生たる所以なのかなと。
──そういう意味でも、(リアルな方の)大塚先生について、お伝えしておかねば。
ということで、「リアルな方の」大塚先生の話へと続きます。大塚先生の魅力がわかると、この小説の怖さとのギャップが感じられて、余計にリアリティが増していきます。
ぜひぜひ、友利先生の文庫解説と共に『教授選クエスト 黒い善意と白い悪意』をお楽しみください。友利先生の解説のおかげで、そこまでだったのか!まじか!という「ホラー味」が倍増、です。

(担当編集者S)
教授選クエスト 黒い善意と白い悪意

実績よりも派閥? SNSをやる医師は嫌われる? 教授選、それは大学病院のカオスな裏側へと続く“魔の扉”だった――。最先端であるべき場所で、時代遅れの計謀、嫉妬、足の引っ張り合いが繰り返されるという、異常な世界。それでも「新しいカタチの医局を作る!」と立ち上がった“ぼく”を待ち受けるゴールは? 現役大学病院教授が暴露する、リアル生き残りゲーム!
※このたび、『白い巨塔が真っ黒だった件』を改題し文庫化しました!文庫解説として、医師の友利新さんが寄稿くださっています。











