教授選に参戦して初めて知った、大学病院の“カオスな裏側”。まさか令和の時代でも、こんなことが繰り返されているとは……!
現役の医学部教授である大塚篤司さん著の「出したらキケン!」レベルの小説が、文庫になった。
『世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方』など数々の著書を持つ大塚先生の圧倒的信頼感は、この小説でも生きている!
さっそく、『教授選クエスト ~黒い善意と白い悪意~』(単行本時のタイトル『白い巨塔が真っ黒だった件』から改題)より
プロローグを公開する。

* * *
私は、ほとんど知識がないまま、医学部における教授選というものに参戦した。そして、「お医者さん」という仕事にあこ がれを抱いた子供時代には想像もしなかった経験をすることになる。
医学部を卒業した年に放送されたドラマ「白い巨塔」に衝撃を受け、山崎豊子氏原作の『白い巨塔』を貪るように読んだ。ドラマも原作も、医局を舞台にしたフィクションとして心から楽しんだ。
しかしまさか、自分が足を踏み入れた医局で、実際にその魑魅魍魎(ちみもうりょう)のリアルに呑み込まれることになるなんて、そのときは想像すらしなかった。
日本には数々のノーベル賞受賞者もいて、研究レベルは世界でも非常に優れている。しかし、最先端であるべき医療において、それを支える医学部という世界に、いまだに不透明な闇があるのは間違いない。一九六五年に出版された『白い巨塔』の世界は、二〇二三年になった今もまだ残っているのだ。
誰が味方で誰が敵か分からない世界。称賛の言葉の裏には、綿密な罠が待ち構えている。疑心暗鬼に満ちた“冒険=クエスト”は、想像以上に厳しいものだった。
私のこの経験を伝えてみたいと思った。日本で医学について学ぶ大勢の同胞たちが、のびのびと希望を持って新しい時代に向かえるように。
ちなみにこの物語は、自身の経験をもとにしたフィクションであり、登場する人物名や団体名、書籍名は一部仮名である。
さて、時代遅れで忌まわしき舞台を覗く覚悟が、あなたはできただろうか?
準備ができた方から、ゆっくりとページをめくってもらいたい。
ようこそ、真っ黒な「白い巨塔」の世界へ。
教授選クエスト 黒い善意と白い悪意の記事をもっと読む
教授選クエスト 黒い善意と白い悪意

実績よりも派閥? SNSをやる医師は嫌われる? 教授選、それは大学病院のカオスな裏側へと続く“魔の扉”だった――。最先端であるべき場所で、時代遅れの計謀、嫉妬、足の引っ張り合いが繰り返されるという、異常な世界。それでも「新しいカタチの医局を作る!」と立ち上がった“ぼく”を待ち受けるゴールは? 現役大学病院教授が暴露する、リアル生き残りゲーム!
※このたび、『白い巨塔が真っ黒だった件』を改題し文庫化しました!文庫解説として、医師の友利新さんが寄稿くださっています。
- バックナンバー











