「私なんて......」そう思ったことはありますか?
勝ち負けや正しさで分ける二択の世界から、自分の「心地よさ」を整える時代へ。
今、わたしたちは宇宙レベルで大きな転換期を迎えています。
私たちの身体は「生き延びる」ためだけにあるわけではありません。
幸せに、心地よく生きるためには、身体で実感して「思い出す」必要があるのです。
今回は6月10日(水)に発売となる、藤堂ヒロミさんの最新刊『宇宙意識をひらく方法 ざんねんな宇宙人が教えてくれた自分に還るための微調整』(リンク先はAmazonにとびます)から、「壮大な宇宙の物語を記憶する身体」の不思議についてお届けします。物語の最初は、主人公のひよりと宇宙人の会話から始まります……。
* * *
あなたの身体は、宇宙の証拠
「私なんて......」
「私なんて、いてもいなくても同じ」
そう思ったことが、一度でもあるなら――
この章は、あなたのために書かれています。
あのさ、ひより。
その「私なんて」って表現はさ、
じつはいちばん楽な場所。
期待しなくていい。
選ばなくていい。
失敗もしなくていい。
だから、
そこに長居しちゃったんだよね。
「どうして私はこの身体なのだろう?」
その問いは、ひよりが自分を責め始める合図だった。

朝、鏡に映る疲れが抜けきらない自分の顔。頑張りたいのに体力が追いつかない体質。試着した服が似合わなくて、店員さんに声をかけられる前に慌てて着替え直す自分。才能を開花させ、軽やかに進んでいく友だちや会社の同期の姿。
もっと器用に生きられたら。
もっと人に振り回されない強い心が持てたなら。
もっと人目を引くような容姿だったら。
ひよりがそんなことを無意識に考えているときは、決まって肩に力が入っている。
「ハッ......ざんねんな宇宙人さん、肩に力が入っているって言ってたっけ」
ひよりは思い出したように、小さな声を出しながら首を右、左、グルングルン。数回繰り返していると、ふっと身体がゆるむのを感じて思わず笑ってしまった。
地球人。
その身体、
今日も文句言われながら働いてる。
ひよりの心を見透かしているように、聞き慣れたざんねんな宇宙人の声が流れてくる。その声はいつも軽くて、でも不思議と安心する周波数だった。
「今日も文句言われながら働いてる、かぁ」
ひよりは鏡を見て、少しだけ肩の力が抜けた顔に気づいた。
「ほんと、文句ばかり言ってるね、私(笑)」
私たちはふだん、自分の身体に意識を向けることはほとんどありません。意識が向くのは、たいてい身体に痛みや不調を感じたとき。調子がいいときの身体の働きは、当たり前のように忘れています。
できる(調子がいい)=当たり前。
できていない(不調)=ダメ。
それは、ひよりが自分に向けてきた評価ととてもよく似ています。
けれど身体は、どんなにその持ち主に文句を言われても、24 時間休むことなくせっせと働いています。寝ること、起きること、食べること、動くこと。これらはすべて、身体の中の無数の細胞がチームワークで支えているからこそ成り立っています。
私は、これまでたくさんの身体にかかわる悩みを聞いてきました。
「眠れない」「食べられない」「起き上がれない」そうした声に触れるたびに、生きていることがどれほど精密で、奇跡の連続であるかを痛感するのです。
私たちの身体はオーケストラのようなものです。どれかひとつが主役なのではなく、それぞれが個性と役割を持ち、お互いにかかわり合い、全体で調和をつくっています。

もし、脳だけを正解にしてしまう意識を「地球意識」と呼ぶならば、私たちは「考えられないもの」をつい価値の外に置いてしまいます。
感じているのに、説明できないもの。
確かにあるのに証明できないもの。
けれど、本来の私たちは、そんなふうに切り分けて生きてはいませんでした。この全体で響き合うあり方が「宇宙意識」です。身体は働きも最先端。私たちにいつも宇宙意識の働きを教えてくれています。
ね?
最新型って言ったでしょ。
さらに、この身体は「生き延びる」ためだけにあるわけではありません。とて
も大切な役割があります。
それは「感じる」という役割です。
幸せになりたい。
安心したい。
愛されたい。
多くの人はこう願いながら、つい「幸せになるにはどうすればいいの?」と考えます。けれど、幸せは考えて触れられるものではありません。「はじめに」でも少し触れましたが、じわじわと身体で実感して「思い出す」ものです。
ここで、少し思い出してみましょう。あなたはどのようなときに幸せを感じていますか。
たとえば、人と話しているとき、美しい景色を見ているとき、温泉に浸(つ)かっているとき、ペットに触れているとき......。
温かい。
ほっとする。
涙が出そうになる。
とろけそうになる。
それらはすべて身体の中で起きています。「温かい」と考える人はいませんよね(笑) 「ほっとする」と考える人もいません。つまり、身体が先取りして感じているのです。
地球人が大事にしてるもの、
ほぼ全部、感度。
宇宙人、そこがいちばん興味深い。
壮大な宇宙の物語を記憶する身体
ひよりは、大好きな海を思い出していた。海を見ていると、理由もなく涙が出そうになる。

「ああ、私、ちゃんと幸せを感じていたんだ」
ふと、久しぶりに海に行きたくなってパソコンを開く。いくつか気になっていた海の名前を検索していると、1枚の写真に目が留まった。
「......ここ、知っている気がする」
行ったことはないのに、懐かしい。その瞬間、ザザザッと鳥肌が立った。
カチ。カチッ。
それ、忘れてただけ。
最初から、
あなたの中にあった。
ざんねんな宇宙人より
ひよりはぼんやりしながら、ざんねんな宇宙人の文字を横目に写真を眺めていた。その写真の所在地を確認してみると、離島であることがわかった。いつもならここで費用や日程を考えてフェードアウトするのに、指が勝手に動いて離島ツアーの申し込みフォームに入力していた。
じつは、これに似たような経験は誰にでもあるはずです。行ったことがないのに懐かしい場所。あるいは、初対面なのに「この人知っている」と感じる人。習ったことがないはずなのにすっとできてしまう身体の感覚。
こうした感覚は、気のせいや特別な能力ではありません。みなさんの中に「すでにある記憶」なのです。
なぜか惹(ひ)かれる場所、安心を感じる人や物。好きな土地、苦手な土地。行ってみたい国、なかなか行けない国。懐かしく落ち着く距離感など。これらはすべて細胞の記憶と再接続しているサインです。
地球人の細胞、ちっちゃいのに、
驚くほど高性能。
私たちの身体は、37兆個とも言われる細胞の集合体です。その細胞一つひとつが、膨大な情報と意識を宿しています。
その記憶には、知識はもちろんのこと、言葉になる前の、感覚としての記憶、ご先祖様の叡智(えいち)や徳、自然と共存してきた感性――それらすべてをあなたは身体の中に受け継いでいるのです。身体は、感性が生まれる源泉であり、すべての時空の情報を記録した宇宙の記憶庫でもあるのです。
私たちは意識が外側に向いているとき、「足りないもの」ばかりを探してしまいます。ですが、意識をほんの少し内側、つまり身体に戻すだけで、そこには「もう、すでにあるもの」が静かに、確かに、呼吸をしています。
身体は、あなたが自分に還るための入口なのです。
探し物は、
最初から内側にある。
だから最新型装備。
* * *
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