キングコング西野亮廣さんのビジネス書最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』が、ついに発売!本書から、話題に上がっている一部を公開!
ワークライフバランスという言葉をかさに、努力することから逃げていないか?
「遅咲きの成功者」として語られるカーネル・サンダースも、やなせたかしも、若い時から活躍していて遅く咲いたわけじゃない!という事実から、目を背けるな!
* * *
皆が陥る「ワークライフバランス」の誤解
ここらあたりから徐々に「投資」の話に入ろうと思う。
「ワークライフバランス」の潮流に乗じ、“生産性を最大化する”という名目で、1日の時間を「仕事8時間、余暇8時間、睡眠8時間」に区分する『8― 8―8ルール』なる時間管理法が提唱されているが、ハゲ散らかすのもいい加減にしてくれ。
誤解のないように言っておくが、ここからの主張は「もっと働け」ではなく、「長期的な視点を持ち、うまく働け」だ。

そもそも「ワークライフバランス」が語られる際に思うのは、常に「年齢」という視点がゴッソリと抜け落ちていることだ。
僕らの身体は時間の経過とともに変化し、取り巻く環境もまた変化する。
僕らは、その変化を自らの意思で完全にコントロールすることはできず、抗うこともできない。
体力は年齢とともに確実に落ちていく。
学生時代の交友関係の中心は「学生」だし、自分が50歳になれば交友関係の中心は「アラフィフ世代」だ。
僕らは個として孤立して生きているわけではなく、時代や身体、そして環境の変化と相互に作用しながら生きている。
僕らにできることと言えば、変化を受け入れ、その中の最適解を選び続けることぐらい。
まずは「世代ごとの武器」を把握しておいた方がいい。
10代の武器は「友達」だろう。
この時期は、つるむ仲間次第ですべての景色が変わってくる。
ヤンキーの友達とつるめばオラオラな毎日が始まるし、部活の友達とつるめばスポ根な毎日が始まる。
20代の武器は「体力(量)」だ。
人生の中で、最も体力(量)を投下できるこの季節に、試行錯誤を重ねて、“質”を手に入れろ。
「量より質」という言葉があるが、この言葉が、若手に都合のいい誤解を与えている。実際は“量”をこなさないと“質”は手に入らない。つまり、若手に「質」という選択肢はない。
30代の武器は「技術(質)」だ。
かつての栄光にすがる老兵や、体力勝負に出る20代を、「20代で積み上げた“量”によって磨かれた“技術”」で蹴散らし、頭ひとつ抜きん出る。
40代の武器は「人脈」だ。
20代・30代で培った技術や信用を名刺代わりにして「誰と組むか?」「どこに売るか?」を見極めるフェーズに入る。
イメージとしては、自国の資源を最大化するために行う「貿易」といったところか。
この時期は、自分の腕を磨くよりも、自分の価値を最大限に引き出してくれる相手や売り場を探すことの方が重要になる。
50代の武器は「健康」だ。
なぜなら、この時期は“経験”や“人脈”といった無形資産が最も充実している一方で、それらを活かすための「身体的資本」が徐々に目減りしていく年代だからだ。
30代で培った技術も、40代で築いた人脈も、最終的には「現場に立てる身体」がなければ使いものにならない。
この世代で最も差がつくのは“持続可能で働ける身体”を維持しているかどうかだ。
60代以降は「愛嬌」。
この時期になると、体力も瞬発力も、かつてのようにはいかない。
技術も経験も人脈も、すでに出揃っている。
だからこそ最前線で戦う力ではなく、「人を惹きつける柔らかさ」や「待ち合わせ場所になる力」が何より価値を持つようになる。
若い頃の「尖(とが)り」は、年を重ねるごとに「丸み」へと変わる。
その「丸み」が他者を受け入れ、若手が寄ってくる磁力になる。
もはや自分一人で成果を出すフェーズではなく、「場を和ませ」「人を立たせ」「次の世代を動かす」ことが仕事になる。この力は、年齢を重ねないと獲得することができない。
こうして見ると、世代ごとに「武器」も「戦い方」もまったく異なることが分かる。
にもかかわらず、全世代が一律に「1日8時間」という労働時間の枠に押し込められるというのは、あまりにもナンセンスだ。
体力があり余っている20代が、50代と同じだけの体力を投下してどうする。
本来、投下すべき労働量や余暇の配分は「年齢」によって変化して然るべきであり、それを固定してしまうことは非効率の極みだ。
「ワークライフバランス」とは、働く時間とそれ以外の時間を均等に割ることではなく、その時々の自分の武器を最も活かせるように配分を変えていくことだ。
50代以降は労働に充てる時間を減らしていいから、20代では時間を盗んででも少し無理をした方がいい。
「体力」という資本は20代にしか使えないのだから。
20代で『体力(量)』を投下しないと、30代の武器である『技術(質)』が手に入らない。
「30代で『質』で抜きん出ることができなかった人間」は、同じく抜きん出られなかった人間とともに、40代の「人脈戦」を生きることになる。
勝った人間は勝った人間と組むので、より勝つ。
負けた人間は負けた人間としか組めないので、より負ける。
これが世の理(ことわり)だ。
読者の中には、20代で“量”を投下することから逃げた者もいるだろう。だが、今さら嘆いても仕方ない。
「何歳からでもチャンスはある」という甘い言葉に救いを求めても現実は変わらない。
40歳から野球を始めてメジャーリーガーになれるわけがないだろう。
「遅咲きの成功者」として語られるカーネル・サンダースも、やなせたかしも遅く咲いたわけじゃない。
彼らは若い頃から馬車馬のように働き、若い頃から成果を出し続けたエリートで、後半生にさらに大輪の花を咲かせたに過ぎない。
「成功者がさらに成功した」という身も蓋(ふた)もない物語が、カーネル・サンダースであり、やなせたかしだ。
彼らは“救いの象徴”ではなく“努力の証明”だ。
甘い話などあるものか。
すべての痛みを受け入れ、今日からやれることを今日からやるしかない。
木を植えるのに最適な時期は20年前だった。
次に良い時期は今日だ。
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キングコング西野亮廣さんのビジネス書最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』が、発売前から世間をザワつかせている。初版10万部というスタート! ⇒予約スタートと同時にAmazon書籍総合1位! ⇒あまりの反響で、発売前重版が決まり、すでに12万部! …という感じ。
これまでのビジネス書が(『革命のファンファーレ』『新世界』『夢と金』など)、すべてベストセラーになっている西野さんだが、今作は「西野亮廣のビジネス史上、 ブッちぎりの最高傑作!」と言っていい内容だ。
日本人の誰も経験していないような壮大な挑戦から得た知見を、すべて詰め込んだ1冊なのだが、いったい、どんな思いで、どんなことを書いているのか?
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