本日発売!小桜菜々さん著『私以外、みんな幸せそうに見えた』。
解説を手がけたのは、20~30代女性から絶大な支持を集めるコラムニスト・妹尾ユウカさん。
「私以外、みんな幸せそう」と感じてしまう20代女性の心理を、鋭く、愛をもってすくい上げてくださいました。
刊行を記念して、妹尾さんの解説文を公開します。
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解説
いますよね。自分の人生を他人の進捗状況と比べて査定する女。友人の結婚報告に「おめでとう」よりも先に「私は何してるんだろう」が発動してしまう女。他人の人生を常に羨み、悲しき脇役を装っているが、誰よりも自分のことを考えている、実は一番の主人公。
同級生が家庭を持ったり、子どもを産んだり、仕事が安定したりすると、それだけで心がざわつくようで。しかし、「本気で結婚したいのか?」と聞かれるとそういうわけでもないらしい。「別に今のままでもいいし?」と言いながら、誰かが幸せを掴むとモヤつく。欲しいのか欲しくないのか、自分でも整理できていないのが一番めんどくさい。
昔から“比較すること”で自分の価値を測ってきたのだろう。学生時代は容姿や恋愛、今は結婚や仕事。テーマが変わっただけで、ゲームは同じ。常に他人を参照しないと自分がどこに立っているか分からない。だから誰かが前に進むたびに焦るし、誰かが転べば安心する。忙しい人生である。
しかし気づくべきは、自身が戦っている相手は他人ではないということだ。「私以外、みんな幸せそう」なんて言うが、実態は他人の幸せに敏感な自分自身に振り回されているだけである。勝手に比べて、勝手に疲れている。幸せになれない仕組みを自分で維持しているというわけだ。
と、ここまでこの本の主人公のようなタイプの女の悪口を散々言ってきたわけだが、こんなにも簡単に人の生活をスマホ一つで覗くことができるようになった時代に、私だって幸せを相対評価以外で測れているだろうか。誰かの報告、誰かの笑顔、誰かの実績。それらは気づけば、鏡よりも鮮明に自分の現在地を映し出してくる。
本当の問題は「幸せかどうか」ではないのかもしれない。私たちは幸せそのものよりも、「幸せに見える位置」に立とうとしているだけではないだろうか。比較という物差しを手放した瞬間、何を拠り所に自分を評価すればいいのか分からなくなる。だからこそ、他人の人生は都合がいい。分かりやすいし、安心もしやすい。
では、問いを変えてみよう。
あなたは、自分の今日に納得していますか?
この問いにすら、無意識のうちに“誰かと比較した答え”を探してしまいそうになるのだとしたら。そんなあなたにこそ、この本はぴったりの一冊である。
――妹尾ユウカ(コラムニスト、脚本家)
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30歳を目前に、焦りと不安のなかで揺れ動く4人の女性たちが、自分なりの答えと小さな光を見つけていく――。20代のリアルを描いた、共感必至の恋愛ストーリー集『私以外、みんな幸せそうに見えた』。ぜひご注目ください!
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忘れられない恋の続きは、ぜひ本書で。
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私以外、みんな幸せそうに見えた

忘れられない元彼を引きずる椿。裏切りが頭から離れず結婚をためらう穂乃果。誰かの「いちばん」になりたい新奈。学生時代の過ちを背負い、幸せを諦めようとするひまり。30歳を目前に焦りと不安で揺れ惑う4人の女性たち。あまりに違う「理想と現実の狭間」で、彼女たちが見つけた小さな光とは。20代のリアルを描いた、共感必至の恋愛ストーリー集。
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