“愛する人のためなら死ねる”
そんな風に思える人は、少なくないかもしれない。
ではこれならどうだろうか。
“愛する人のために、別人の顔に整形する”
それに伴う痛みやその後の人生を考えた時に、あなたはそんな恐ろしい選択をすることが出来るだろうか。とてもじゃないが、私は出来ない。私の愛する人々よ、すまない……。
いや、大抵の人は出来ないだろう。
しかしあの男は違った。
放送が開始された日曜劇場『リブート』(TBS)の中で、主人公:早瀬陸 (松山ケンイチ/鈴木亮平)は、自身にかけられた“妻殺しの疑惑”を晴らすために、そして愛する家族とまた平穏な日々を過ごすために、自らの顔を悪徳刑事:儀堂(鈴木亮平)の顔に整形したのだ。

なんとも肝が据わっている。
放送前のあらすじを読んだ時点では、“顔を別人に整形”というかなり大胆な設定に戸惑っていた。流石に無理があるのではないか? と。
しかしそんな心配は杞憂に過ぎなかった。
圧倒的な演技力を誇る鈴木亮平氏にかかれば、サプライズ登場した松山ケンイチ氏がまるで憑依したかのような演技力と、段階を踏んだ説得力のある整形描写によって、それまでの儀堂とはまるで違うまさに“別人に整形した人”に見えた。
儀堂になるために刑事としての知識や体術、人間関係や筆跡までもを完璧に習得するという描写も丁寧に描かれていたので、現実では絶対にありえない“整形して別人になる”という事象もすんなり受け入れることが出来た。
要はこのドラマの中では6ヶ月あれば姿形はもちろんのこと、その中身までも丸っ切り別人になることが可能というわけだ。
劇中ではこの事を“リブート”と呼んでいた。このドラマを考察していく上ではかなり重要になってきそうな設定だ。
まだ1話の段階で核心的な考察をするのは難しいが、まずこのドラマの考察ポイントを整理しよう。
(1)早瀬の妻:夏海(山口紗弥加)は誰に? 何のために? 殺害されたのか。
(2)海江田(酒匂芳)ら裏社会の人間が探す、“夏海が持っていた資料”とは。
(3)儀堂を殺害したのは誰か。
このドラマにおける考察のポイントは大まかにこの3つだろう。
どの項目も1話時点の情報ではそのピースが埋まらないが、(3)の儀堂殺しについてはどうだろうか?

儀堂殺しは一番身近なあの人物!?
早瀬を呼び出した儀堂は、見るも無惨に何者かに殺されていた。その事実を知った恋人の幸後一香(戸田恵梨香)は、そこまで悲しむ様子もなく遺体を土に埋めた。
この儀堂殺しの犯人が、儀堂に成り代わった早瀬(以下 儀堂早瀬)と対面したら、「殺したはずなのになぜ?」と、さぞ驚くことだろう。
しかし、主要な登場人物のほとんどが儀堂早瀬と対面したにも関わらず大きなリアクションを見せたものはいなかった。
そこで考えられる線は2つだ。
・犯人はリブートしたことを知っている
・一香が犯人だから
前者だった場合は、リブートしたことを知っている……。というよりも裏社会ではリブートすることもよくあることだから、殺したはずの儀堂の姿で現れた儀堂早瀬と対面した際にすぐ“リブートした姿”だと理解したのかもしれない。
そうなってくると夏海が持っていた資料を「儀堂が持っているのでは?」と睨んでいた、海江田や冬橋(永瀬廉)はかなり怪しい。
その資料を手に入れるために儀堂を襲ったのかもしれない。(海江田らがその資料を手に入れられたかは不明)
そして一番可能性が高いと思われるのが後者、“一香が犯人だから”。だからこそ、儀堂早瀬と対面したどの人物も驚いた様子を見せなかったという線だ。
これなら納得だろう。
敵か味方か……。
その素性が未だ謎に包まれている一香。
儀堂を裏切る可能性も全然あるだろう。なぜなら彼女には難病を抱える妹:綾香(与田祐希)がいるからだ。
彼女の手術に必要な莫大な手術費用を手に入れるため、儀堂を裏切り金を……。というストーリーも考えられる。
しかしここでふと頭によぎるのが第1話冒頭の“6ヶ月前”の描写だ。養鶏場(?)に囚われた儀堂は一香に助けられた後、「リブートだ」と言った。そして思い出して欲しいのが早瀬がリブートに費やした期間、6ヶ月。
この6ヶ月の一致が偶然とは思えない。
すなわち、この冒頭の6ヶ月前の描写から現代に至るまでの間に、何者かがリブートした可能性があるということだ。
それが本物の儀堂でも、儀堂早瀬でもない、もう一人の儀堂だったとしたら……。
となると、一香が儀堂を殺したのではないか? とは言ったが、その殺したのは偽の儀堂……。
いや儀堂が多すぎるので一旦整理しよう。
儀堂(1)=本物の儀堂
儀堂(2)=半年前~現代に至るまでに生み出された、何者かがリブートした姿の儀堂
儀堂(3)=早瀬がリブートした姿の儀堂
つまり一香が殺したのは儀堂(2)の可能性があるのではないかということだ。
儀堂(2)が何をされたがためにそこまで体を張ってくれるのかは不明だが、仮に儀堂(2)が殺されたのであれば、一香があそこまで飄々としていたのも納得だ。
“6ヶ月前の描写”がある限り、儀堂早瀬とは別にもう一人の人物がリブートしている線は消えない。この儀堂3人説はあながち捨てがたい説ではないだろうか。
ドラマを彩る名主題歌誕生
これ以上考察を進めると、儀堂をいくらでも増やせてしまいそうなので今回の考察はこれまでにしよう。
第1話にしてかなりの謎が撒かれた上に、スリリングかつ心温まる物語のグラデーションも見事で、これからの展開がかなり楽しみなドラマだ。
主題歌のMr.Children「Again」もたまらなかった。ミスチルらしさはありつつも、華麗なストリングスに重なるサビの跳ねたドラムに新しいミスチルを感じた。まさにリブートの主題歌にピッタリな一曲だ。
“リブート=再起動”
気持ち新たに歩き出す2026年が始まったばかりの今、さすがに顔を変えることは出来ずとも、何か大きな一歩を踏み出すきっかけを与えてくれそうな新年一発目にふさわしい日曜劇場のはじまりに、胸の高鳴りが止まらない。
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
TBS 日曜劇場『リブート』( 毎週日曜夜9時~)
出演:鈴木亮平、戸田恵梨香、永瀬廉(King & Prince)、蒔田彩珠、中川大輔、藤澤涼架、与田祐希、上野鈴華、藤田ハル、矢崎晃、松山ケンイチ、野呂佳代、塚地武雅(ドランクドラゴン)、津田篤宏(ダイアン)、伊藤英明、山口紗弥加、池田鉄平、酒匂芳、黒木メイサ、原田美枝子、北村有起哉
プロデューサー:東仲恵吾
協力プロデュース:國府美和
脚本:黒岩勉
演出:坪井敏雄、田中健太、元井桃
音楽: 大間々昴、木村秀彬
制作著作:TBS
主題歌:Mr.Children『Again』(TOY’S FACTORY)
著者:ケメ・ロジェ
イメージイラスト:サク
考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?
物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。
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