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夫婦はなぜ壊れるのか

2025.11.29 公開 ポスト

なぜ男性は「カウンセリング」に抵抗があるのか山脇由貴子(カウンセラー)

夫婦カウンセリングを訪れるカップルが急増しています。コロナ禍のステイホームやリモートワークの普及により、パートナーへの不満から目を逸らしにくくなってきたことも要因のひとつだと『夫婦はなぜ壊れるのか』の著者は言います。病気の妻にから揚げが食べたいと言ってしまう夫から、実家に尽くし過ぎる妻まで。夫も妻も、なぜみすみす関係を悪化させるような言動をとってしまうのか。その背景を本書から抜粋して紹介していきます。別居や離婚を考えながらも揺れている方はもちろん、家庭内が以前に比べてギスギスしていると悩んでいる方まで、関係改善のヒントが得られる1冊です。

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夫婦でカウンセリングに来る場合、妻の方が、夫に対する不満を抱えていたり、夫婦関係に悩んでいて、その解決の為に夫を誘って──という形が一番多いです。夫側は、あまりに口うるさく言われて渋々来たという人、「本当に離婚になるかも……」という危機感を抱いている人、あるいは自分でも問題を抱えていることを自覚しており「どうにかしなくては」と考えていた人もいます。また、夫にカウンセリングの話を切り出せず、まずは夫に内緒で来て、夫をどう誘えば、あるいは説得すればいいかという相談から始まるケースもあります。

全体の傾向として言えるのは、カウンセリングに抵抗がある男性は多いという事です。夫婦の問題は2人で話し合って解決すべきだと考えていたり、カウンセリングというのは何らかの病気の人が通うものであり、まして夫婦カウンセリングとなると、離婚を考えている夫婦向けなのでは? と疑問を持っていたりします。そもそも「カウンセリングって何してくれるの?」という疑念を持っている夫も少なくありません。

ですので、私のオフィスでは、まずは夫婦それぞれの生い立ちを聞き、心理テストを行う事を説明します。特に心理テストはロールシャッハ・テストと呼ばれるもので、潜在意識をしっかり探りますから、自分でも気づいていなかった特性が分かり、今までよりも楽に生きられるヒントがたくさん見つかる事も説明します。その結果、カウンセリングに抵抗があった夫もほぼ納得してくれます。男性は根拠のあるものと理屈を好む傾向があると言えるからです。

その後のカウンセリングでは、夫婦それぞれで気を付ける事を整理します。

具体的な相談内容として多いのは「夫婦仲が良くない」「喧嘩が多い」ですが、お互い仕事や家事育児で余裕がないのが明らかな場合、アウトソーシングも解決の一つです。また、「やらなくてはいけない」と思っている事の中から、「やらなくてもいい事」を見つけるのも手段の一つ。この時、夫婦間の考えが一致しないのが喧嘩の原因になっている事も多々あるので、落としどころを探していきます。

過去にとらわれ過ぎることの弊害

カウンセリングは「ここからが夫婦の再スタート」という気持ちの切り替えの場です。どうしても忘れられない辛い体験や、傷つけられた出来事があっても、過去にとらわれ続けていたら、夫婦の関係を再構築できません。なかった事にするのではなく、傷ついた心をパートナーに癒してもらうのです。だからこそ、傷つけた側は、「やり直そう」という気持ちになってくれたパートナーに感謝し、傷を癒す努力をし続けなければならないのです。傷ついた側は、相手の過去の姿にとらわれず、現在を見て、相手の努力に気づき、認める事が大切となります。

カウンセリングは夫婦それぞれが相手に望む事に対し、各々で努力していく事が重要です。

でも、どうしても変えられない言動の原因が生い立ちの中にある場合もあります。親との関係の中で作られた態度や言動がパートナーを傷つけているのであれば、まさに今、そしてこれからを共に生きてゆくパートナーの為に、相手を傷つけない自分に変わって行く必要があるのです。生い立ちの中での傷つきが現在の自分の言動に大きな影響を与えている場合は、ここでも過去との決別が重要になって来ます。

時には、親との関係の整理も必要です。関係を断つという事ではなく、現在のパートナー、そして子どもという家族を大切にするために、過去に引きずられないという事です。子ども時代のトラウマの克服も重要なテーマです。まずは自分が変わり、そして夫婦、家族が幸せになってゆく。そう心を決められたら、カウンセリングは必ずうまく行くと言ってよいでしょう。

関連書籍

山脇由貴子『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た、絶望と変化』

病気の妻にから揚げが食べたいと言う夫。なんでも嘘をつく夫。 家事をやらない妻。実家に尽くし過ぎる妻。 夫も妻も、なぜ、みすみす関係を悪化させるような言動をとってしまうのか。 実はそこには夫婦それぞれが育ってきた家庭環境が影響している。 関心を示されなかった、監視が厳しかった、自分だけ愛されなかった……幼少期の満たされなさを、今のパートナーで補おうとするのだ。 こうした背景を理解し合い、歩み寄ろうと思えれば、夫婦は再スタートできる。 長年多くの夫婦に寄り添ってきたカウンセラーによる救済の書。

水谷さるころ/山脇由貴子『子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい!』

コロナ禍の密室育児で、家庭内で不機嫌&子どもにキレちゃう夫が爆誕! カウンセリングに行き、夫が本当に変わっていくまでを描いたコミックエッセイ。 ・夫はなぜ自分の気持ちを言葉にできないの? ・息子、わざとお父さんを怒らせる ・夫婦でカウンセリングを受けてみた ・夫がキレなくなってる!? ・男性が自分の傷つきを認めるということ ・カウンセリングから1年経って

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夫婦はなぜ壊れるのか

夫への 妻への不平・不満は実はやり直しの鍵!長年多くの夫婦に寄り添ってきたカウンセラーによる救済の書。

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山脇由貴子 カウンセラー

1969年、東京都生まれ。横浜市立大学心理学専攻。大学卒業後、東京都に心理職として入都。都内の児童相談所に心理の専門家として19年間勤務。現在は家族問題カウンセラーとして活動。著書に『教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために』『告発 児童相談所が子供を殺す』『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』などがある。

 

 

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