2025年11月25日 薬物の危険辛酸なめ子

部屋の整理や断捨離は続いていて、何年も手をつけないまま積み重なっていた資料などを片付けています。旅行や出張で行った各地のパンフもたくさん出てきましたが、行ったことすら忘れている場所も多く、人間の記憶、というか自分の記憶はあてにならないです。

書類の中からなぜか麻薬防止のパンフやポスターなどが出てきました。「不正大麻・けし撲滅運動」というポスターには、大麻の葉や雄花、雌花のわかりやすい写真。違法なけしと、違法でないけしの写真が載っていてわかりやすいです。

私自身は縁がない麻薬ですが、不思議と資料や情報が集まってきます。先日、代々木公園でスペインなど複数の国のイベントが行われていたので立ち寄りました。すると、あるブースが目に止まりました。「薬物のない世界のための財団」。独特のノリやパンフのデザインが気になって調べたら、もともとはサイエントロジーによって設立された組織で、今は別の非営利団体のようです。「薬物の正しい知識を学び、自らの意思で薬物に手を出さない人々を増やし、薬物のない世界の実現を目指しています」だそうで、重要な活動だと思います。

そのブースに引き寄せられたら、ボックスに入った薬物パンフを手渡されました。表紙には薬物中毒風の死んだ魚のような目をしている男性のイメージが。それぞれの薬物ごとに小冊子になっていて「薬物」のまとめと「コカイン」「クラックコカイン」「マリファナ」「アルコール乱用」「エクスタシー」「覚せい剤」「有機溶剤/吸入ガス」「ヘロイン」「LSD」「鎮痛剤乱用」「リタリン乱用」「処方薬乱用」などに分かれていました。「コカイン」と「クラックコカイン」を別の冊子にするとは通ですね。クラックコカインは結晶状で、コカインより強力で危険だそうです。LSDなどロゴをデザインしてしていて、一瞬薬物が楽しそうと思ってしまいかねません。

それぞれの冊子には、ドラッグの特徴、影響、危険性、中毒者のエピソード、犯罪率などの統計、歴史、呼び名、売人の誘い文句、などがまとまっていて、薬物の教科書のようでした。

例えばクラックコカインの通称は「24−7」「アップルジャック」「ビート」「キャンディ」「ケミカル」「エレクトリック・クールエイド」「クッキー」「トルネード」など……。ヘロインの通称は「ビッグH」「ジャンク」「ホース」「スマック」「ヘル・ダスト」など。試験に出ないけれど覚えたくなってしまいます。「処方薬乱用」では、最近危険性が叫ばれている「フェンタニル」についても触れられていました。中毒者が街でゾンビみたいになっている薬物です。モルヒネの最大100倍の効力を持つ強力な合成オピオイドです。

「LSDは麦角と呼ばれる菌の中に含まれる化学物質から作られる」「アメリカでは、高校3年生の1割が処方鎮痛剤を乱用」「古代ギリシャでは、神殿の巫女がデルファイの神託を受ける際、意識状態を変容させるために揮発物を吸入していた」など、ディープな情報も載っています。

これは保存版だと思いましたが、せっかく断捨離中なのにこうやってまた資料がどんどん増えてしまうのです……。