いきものの解説が人気のYouTubeちゃんねる「へんないきものチャンネル」の“中の人”、ろうさんの新刊『知れば知るほどへんすぎるいきもの事典』から、興味深いいきものの豆知識をピックアップしてお届けする本企画。
今回は、「天気」にまつわるいきもののお話。
もしも天気の変化に昆虫が関わっていたら……考えるだけでワクワクしませんか?
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解明されていない天気の秘密! 「ミツバチ」の群れが天気を変える?
海外では「ブラジルでの蝶の羽ばたきは、テキサスでトルネードを引き起こす」という言葉があるのを知ってる? 小さな出来事が未来の結果を大きく変えるという意味で、「バタフライ効果(バタフライエフェクト)」と呼ばれているんだ。
実はこの言葉の由来は、気象学者が講演中に話した「たとえ話」。でもね、近年の研究で、本当に昆虫の行動が、天候に影響を与えている可能性が出てきたんだ。
昔から多くの科学者たちが、天候が何の影響を受けて、科学的に変わっていくのか、突き止めようとしていた。ある科学者は地球の大気(地球の表面を層のようにおおっている気体のこと)が電気を帯びることで雷が発生するのではないかと考えた。でも、晴れている時でも、大気は電気を帯びている……。そこで研究チームは、これまで調べられていなかった、「昆虫」たちが与える天候への影響について調べることにしたんだ!
研究チームが計測してみると、ミツバチの群れは、確かに電気を帯びていた。さらに計算してみたところ、昆虫の群れ周辺は、砂嵐よりも、積乱雲よりも、電気を帯びていることが確認されたんだ。

ミツバチでなくとも、例えば、サバクトビバッタなど、巨大な群れを作る昆虫であれば、その影響はどんどん大きくなり、大気中に与える影響も大きなものになるかもしれない。でも、この研究では、昆虫の群れが電気を帯びていることが判明したのみで、昆虫の活動が実際に、天候を変えるかどうかまで突き止めることはできなかった。
天候に関する研究は、物理学の分野で数百年にわたって行われているけれど、まだまだ解明されていなこともたくさんある。もしかすると、物理学だけではなく、生きものたちが関係する「生物学」も組み合わせることで、未知の扉が開かれるかもしれないね!
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知れば知るほどへんすぎるいきもの事典

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