この世に生まれてから一度も嘘をついたことのない人間などいるのだろうか。
自身を守るためのものだったり、相手を思いやってのものだったり、人を陥れるためのものだったり……。
様々な理由で、時に人は嘘をつく。
咄嗟の嘘でその場を乗り切れたとしても、その嘘を嘘でなくするためにまた嘘をつく。
嘘をついてしまったら最後、その嘘は嘘の大きさに比例した呪いのようなものとなり簡単に逃れることはできないのだ。
私は小学生低学年の頃、一切宿題をやらなかった。
もちろん親には宿題をやったと嘘をついていた。
しかし、先生からそのことを連絡帳に書かれ、親から一筆もらってきてほしいと言われた。
当時の私は母親に怒られると思い、なんとかしようと真似できるはずのない母親の筆跡を真似て連絡帳に自ら一筆を書いた。
「すみませんでした。やらせるようにします。」
今思えば、これでよく逃げ切れると思っていたな……。
案の定、先生には親が書いたものではないとバレてしまい、先生から母親に電話がいった。その後私は母親にとんでもなく怒られたのだった。
その出来事が教訓となり、私は大きな嘘をつけない人間になってしまった。いや、そうなれて良かった。
もちろん今の私が全く嘘をつかないというわけではないが、この出来事により一度嘘をつくとさらに嘘を重ねなければいけなくなる苦しさの方が辛いことがわかった。そして母親の怒りの中に見えた悲しげな表情が今でも忘れられないのだ。
そんな25年以上も前のことを思い出したきっかけは他でもない『良いこと悪いこと』(日テレ)第3話を視聴したからだ。
私と同年代の大人たちが、小学生の頃の出来事に翻弄されるこのドラマ。このドラマの中にも嘘に嘘を重ねた呪われた人間がいるのではないかと私は考察している。
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