パリに弾丸でいってから数週間。まさかルーヴル美術館で強盗事件が起こるとは。しばらく休館してしまい、海外からの観光客にとっては、限られた日程の中訪れたと思うので、入れなかった心中ご察しいたします。
一回だけ行っただけで訳知り顔で言えませんが、たしかにルーヴル美術館の警備は薄かったです。一応入るときに空港みたいな荷物検査の関門があり、そちらを通ればあとは大丈夫という意識なのかもしれません。空港からルーヴル美術館に直行したのでスーツケースを引いて、予約した時間を目指して入館しました。無料の荷物預け所は入場ゲートを入ったあとにあるので、そのまま大荷物で入り、中で預けることができました。でも犯人は通常の入場動線ではなく、窓から入ったようです。
館内に入って、美術品が至近距離で観られることに驚きました。おかげで中世の宗教画などじっくり拝見することができました。それぞれの部屋には、日本だと監視係が座っている椅子が、誰も座らない状態で置かれていました。フランスは人手不足なのでしょうか。今回、強盗団が侵入した窓を撮影するカメラが老朽化して稼動していなかったと報じられています。短い滞在の間、エスカレーターが止まったまま動いていない状態に数回遭遇しました。何か故障してもすぐには修理できないのがデフォルトなのでしょうか。
ルーヴル美術館では念願の「モナリザ」も観ることができました。世界一の名画なのでこの部屋はスタッフも多かったです。「モナリザ」を近くで観たい人は囲いの中に入って、一列20名ずつがじわじわ進むのに並ばなくてはいけません。途中、後ろ向きになって「モナリザ」と一緒に写る人もいました。一番前に来てあまりにも進まないと誘導されます。「モナリザ」にはそこまで近付けませんでした。でもまるで生きているような目の輝きと存在感でした。意外と小さいサイズでしたがオーラは大きい気がします。
このモナリザのコーナーからわりと近いところに、今回宝飾品が盗まれた「アポロンの間」があったようです。私はそのコーナーの存在には気付かずスルーしてしまいました。それよりも、古代エジプトコーナーに引き寄せられていました。
ルーヴル美術館には彫刻作品もたくさん展示されていました。警備の人がほとんどいないからか、勝手に触っている人も何人か見かけました。性善説で運営されているのでしょうか。「サモトラケのニケ」「ミロのビーナス」も大人気で囲まれていました。
でも彫刻の中でもテンションが上がったのがマルスの像です。(ここでは「アレス」という呼び名のようです) ギリシャ神話でアレス(ローマ神話でマルス)は、戦いの神。美大受験経験者なら、デッサンで描いたことがあるのではないでしょうか。本体と再会し、その全身像を観ることができて感慨深かったです。
ただ、観客の中には悪ふざけしている人もいて、家族連れの欧米人の母親が、目の錯覚でマルスの局部を手に乗せているように見える写真を撮っていました。芸術品を気安く感じすぎると、こんな風にふざけてしまう人も出てきてしまいます。アートとの正しい距離感について考えさせられました。
デッサンのモチベーションも少し上がった……かもしれません。
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次元上昇日記

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。では、「アセンション」とは何か……。いろいろな意味があるので、ネットを検索してみて下さい。しかし、辛酸なめ子さんにとって、それは日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。この連載は、その善行マイレージを貯め次元上昇をめざす一人の女性の抱腹絶倒、試行錯誤の記録です。
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